アイコン 翁長知事、「次の一手」 その1 岩礁破砕許可問題

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沖縄に来るたびに酷くなるように感じる、沖縄のマスコミというか、沖縄タイムス、琉球新報という機関紙は勿論、テレビ・ニュースを利用した白を黒と強弁するプロパガンダには、呆れるばかりである。

きょうも、(農と島のありんくりん)の管理者さんに感謝しながら、沖縄県宮古島在住のHN「山路敬介」氏のブログに救われる思いである。

一人でも多くの沖縄県民に心から読んでもらいたいと思う。

農と島のありんくりん
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/

移り変わる自然、移り変わる世情の中で、真実らしきものを探求する

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 今回初めての企画として、沖縄県宮古島在住のHN「山路敬介」氏より寄稿を頂戴しました。

山路氏は、私が知る沖縄の論客の中のホープのような方で、常々ご教示頂くことばかりでした。

ならばいっそう、山路氏に記事紙面を提供してしまおうと思い立ったわけです。

私のかねてからの夢は、沖縄における言論プラットフォームを作ることでした。

沖縄の極端に閉ざされた言論空間は、2紙がある限り揺らぐことはありません。

すこしでも風通しがいい「異論」を語る場が必要です。

幸い、拙ブログに来訪される沖縄の方は皆すぐれた論客揃いです。

また県外の方にも是非奮って投稿願えれば幸いです。

なお、掲載にあたっての責任はブログ管理人の私にあります。

文章についてのご質問は、山路氏にコメント欄でお尋ねください。
                                   ブログ主敬白

■追記
「政府、辺野古阻止の権限乱用で沖縄・翁長雄志知事個人に損害賠償検討http://wwwsankei.com/politics/news/170327/plt1703270011-n1.html

政府が、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設で、同県の翁長雄志(おながたけし)知事が移設を阻止するため知事権限を乱用すれば翁長氏個人に損害賠償請求を行う検討に入ったことが26日、分かった。

権限乱用で工事が中断した損害額を算出し、個人資産で賠償を求める。移設阻止に向け本来の目的とは異なる形で権限を行使すれば違法として、国家賠償法に基づき手続きを進める方針だ。(略)

国家賠償法上の公権力の違法な行使と認定される公算も大きい。

国家賠償法では、公務員が違法に他人に損害を与えれば国や地方自治体が賠償責任を負い、公務員に故意や重大な過失があれば国などは公務員に賠償を求めることができる。(以下略)
              
           ~~~~~~~~~
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http://nankai-c.jp/2015/09/28-111441.php

翁長知事、「次の一手」と沖縄二紙 

                            山路敬介                                                                      
 
■辺野古埋め立て許可に付随する、今日の「岩礁破砕許可問題」発生まで
昨年12月の最高裁判決で、沖縄県のした「埋め立て承認取り消し処分」は違法となり、翁長知事は同処分を国の代執行による事なく、判決を容れて自から取り消しました。

それでありながら先の高裁和解条項を遵守せず、不実にも和解の精神を独特の曲解から些かも省みることなく、なお「あらゆる手段をもって、辺野古新基地建設を阻止する」と公言して憚らない傲慢な態度をとり続けて来ました。

この事に関して「オール沖縄」内部の革新左派(特に運動に直接関わる人たち)の間では、素直に判決に応じて「承認の取り消しの取り消し」を行うばかりか、続いてすぐに「承認の撤回」に踏み切らない知事の態度に疑念をいだき、その本心を危ぶむ声が高じておりました。 

いわく、「次の知事選では独自候補を候補を擁立すべき」、「知事は、裏で政府と連絡が行き届いており、つまりは出来レースなのだ」との声、「どだい保守から来た人間は信頼がおけるものではない」との意見が現場では喧しいものでした。

しかし、今回勃発した「岩礁破砕許可」をめぐる一連の騒動でこれらの最左派の疑念とするところは杞憂であり、彼らが願うとおりの「翁長知事」に回帰した事にまずは彼らに満足の行く状態になりました。

そして(これを書いている3月25日)今日、初めて翁長知事本人が辺野古移設反対現場へと赴くはずです。 

これで知事の考えている今後の「闘争」の骨格がハッキリして来たと言えます。

私見を混じえますが、この事ついて予想し少々論じる事を本記事の目的としたいと思います。

うち続く首長選挙での「オール沖縄」の敗退は深刻で、次のうるま市長選でも保守系陣営が島袋現市長に候補者一本化を成功、「オール沖縄」の敗北はまたもや濃厚です。

㈱照正組の照屋氏に副知事就任を打診するも断られ、今や革新の総本山の沖国大・元学長の富川氏を副知事に迎えざるを得ない事にも象徴的に「オール沖縄」内の保守離れ(あるいは、保守追い出し)は加速していると見えます。

全体として縮小傾向著しい「オール沖縄」ですが、その事が内部構成にみる勢力バランスの変化を生み、翁長知事就任当時にくらべ相当の変質をもたらしたものと考えます。

これからさらに翁長知事は、二紙や運動体に接着する以外生きる道はなく、それらが提示する方向での県政運営に舵を取られる事になるものと危ぶまれます。
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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/16730

■「辺野古工事」と「那覇空港第二滑走路工事」
予兆は確かにありました。

先の完全敗北した最高裁判決後の記者会見で翁長知事は、「(訴訟から)得たものもいくつかある。そのひとつは知事の裁量権の大きさだ」と言いました。

遅くともこの時点で既に「次の一手」を画していた発言と思われ、それゆえこの3月末で期限の切れる「岩礁破砕許可更新」が山場になるだろう、と予測する人は多かったと思います。

この「予兆」が確かなものとして顕在化したのは、辺野古とはまったく関係のない「那覇空港第二滑走路建設工事」においてでした。

知事は県民にとって大切な那覇空港整備工事において、工事に付随する「岩礁破砕許可更新申請」に対し速やかに応じるどころか、恣意的な県の権限行使を通じ、工事をストップさせる事態に陥らせました。

通常は徴求される事はありえない「追加資料」と「記載事項を修正した書類」を、(一度にではなく、時間をかけて順々と!)事業者である内閣府などに求めたのです。

その理由もイカサマで、「更新ではなく、新たな申請だ」からという道理の通らないものでした。

そのため通常の新規申請ですら一週間ほどで下ろされる許可が、40日もいたずらに経過してしまい、今や平成32年3月末の供用開始が危ぶまれる事態となりました。

かつて県の強い要望により国側は苦心惨憺しながら工期を大幅に短縮した経緯もあり、身内の沖縄総合事務所の開発部長あたりからも批判の声が出ました。

こうした県の措置は明らかに知事裁量権の濫用であり、なにしろ県民の利便性や県経済の発展に資する第二滑走路工事を止めたのですから、(例によって二紙には、この事に関する知事への批判的な論調は皆無でしたが)さすがに県内外からの反発は大きなもので、そのため、それでも何とか40日間で事なきを得ました。

この一見、馬鹿げて無意味な知事の行為の結果は、実は知事としてはまず満足のいくものであったと思われます。

この愚行の目的は、「第二滑走路」建設の為のものではなく、来るべき辺野古闘争を見据えた「岩礁破砕許可」という知事権限の行使により「工事を中断させる」前例を作る事、かねて「辺野古埋め立て許可訴訟」の際に高かった「第二滑走路」とのダブルスタンダード批判を解消するためのもので、よって知事の目途の半分以上は達成したものと思われます。

断言しますが、すべては「辺野古新基地建設阻止」のための、辺野古における「岩礁破砕許可更新」での訴訟の下準備(アリバイづくり)の為のものでした。

もっとも、私などが断言せずとも二紙はお抱えの「識者」の言として、こうした「内幕」を語らせておりましたが。

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http://www.sankei.com/west/photos/170325/wst170325...

■辺野古工事に付随する「岩礁破砕許可」は更新の必要がない事

3月17日、18日の沖縄二紙は例によって「半狂乱」でした。

沖縄防衛局が15日午後、3月末で期限を迎える「岩礁破砕許可」に関して、「新たに許可申請する考えはない」と、文書で正式に県に通達したからです。

これでは「岩礁破砕許可」権限をつかい、工事を止め、政府を揺さぶる事も革新左派の欲望を満たす事もできません。

知事の目論見も完全に狂ってしまいます。

二紙には、「知事権限の無効化狙う」、「着手なら違法」、「県の抗戦 新局面」、「県、工事差し止め提訴へ」、「国、都合のいい法令解釈」など、いつもの通常運転で一方的見解を展開し、県民を扇動する見出しがおどりました。

防衛局の主張は、「全ての漁業権を放棄する手続きが終わったので、(工事区域は)漁業権の設定されている漁場にはあたらず、よって知事の許可は必要がなくなった」というもので、念を入れてこれに同法を所管する水産庁長官の「漁業権は消滅し、岩礁破砕などを行うために許可を受ける必要はない」との、お墨付きの文書を付して県側へ提出したのです。

そもそも「埋め立て」は知事の許可に基づいているもので、その工事をする場合には許可区域内の岩礁の破砕は当然に必須であるからして、「埋め立て承認」とともに県知事も「現象としての破砕」そのものは「承認済み」と解されます。

あらっぽく言えば「海域」の所有者は「国」なので、所有権がらみの権利関係の問題は最初から「埋め立て」には生じません。

しかしながら、従来から漁業をして生計を立てていた漁業者は海域に漁業権を有しており、この権利を整理しないと「埋め立て」は不可能なのです。

「岩礁破砕許可」を管轄するのは農水省である事からも分かるとおり、重要なこの「漁業者の権利」を保護するために念を入れて「埋め立て」と「岩礁破砕許可」を別途の承認・許可とし、その進捗を一定期間ごとに確認するのが「岩礁破砕許可更新」の趣旨です。

ご存知のとおり、防衛局は既にあまり関係のない西海岸の漁業者へも含めて、この権利の整理のために36億円もの補償金を支払っています。一人平均4,138万円です。

しかし、後述しますが、これだけではありません。

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国会質問する照屋寛徳氏(社民党) https://www.youtube.com/watch?v=G5QrIJTKc70

■照屋寛徳氏の国会質問と漁業権の完全消滅

3月16日、知事や沖縄二紙と常に密接で見事な連携プレーを見せている照屋寛徳氏が、この件について衆議院安全保障委員会で質疑を行いました。

防衛省の高橋整備局長は、上述の県への提出書類のように「もはや工事区域は漁業権の設定されている海域ではない」、「それゆえ、知事の許可は不要であり」、この見解は「水産庁に確認済み」との答弁を行いました。

そこで、照屋氏は「たとえ漁協が放棄しても、漁業権そのものは生きている。かかる理解にもとづいて那覇空港では岩礁破砕許可の更新申請をしたのではないか?」と、那覇空港整備工事を例にあげて「国の犯したダブルスタンダード」論で詰問します。

これに対して高橋局長は、「那覇空港では、漁業権は生きているとの理解にもとづいて申請をしたものである。しかし、辺野古においては漁業権消滅の法的手続きは終了しているので、許可は不要と判断した」と答弁しました。

実は、沖縄防衛局は名護漁協に36億円支払って漁業権放棄を実現した以降も、漁協と良い関係を続けており、昨年11月にさらに約6億円を拠出し、法的に通用する「完全かつ最終的な」漁業権放棄手続きの終了を実現しています。

この事は那覇空港の案件とは本質的にも法的にも違うし、この争いで県には全く勝目はありません。(県に全く勝ち目がないのは、省きますが、この事実ゆえだけではなく他に複数の理由があります)

また、照屋氏が主張する「たとえ漁協が放棄しても、漁業権そのものは生きている」との意味ですが、これは従来からの左派独特の理論であり、全国各地の埋め立て反対運動のなかで培われ唱えられてきた説でもあります。

「漁協以外にも潜在的な権利者はいる」とか、「漁業権所有者はいなくなっても、権利は残る」といった論は、良くも悪くも現在のところ法的に通用せず、問題にはなりません。

ですが今後、「承認取り消し問題」の時と同じように、翁長知事は訴訟の場で、またもやこういったリベラル左系特有の「通用しない理論」にすがり付く事になるのでしょう。
                                                                             続く
                                                                        文責:山路敬介

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[ 2017年3月31日 ]

 

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