アイコン 続、東南アジアをIS標的 フィリピン戒厳令・テロ組織「マウテグループ」「ジェマ・イスラミア」

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フィリピンのドゥテルテ大統領が5月24日、比南部のミンダナオ島に戒厳令を宣言した。同地域で活動するイスラム過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を示す反政府組織「マウテグループ」の大規模なテロ行為を阻止するための措置としている。
しかし、ドゥテルテが今回の事態を自分の「恐怖政治」を強化する契機に活用し得るという懸念も強まっている。
(これまでにも大規模戦闘が起きており、ロシアへ行く前に戒厳令を発令せず、訪問先のロシアで発令したのは演出ではないかとの見方がなされている)

今回の事態は、フィリピン政府軍と警察が、別のイスラム過激派組織「アブ・サヤフ」のハピロン幹部への逮捕令状を執行する過程で起こったという。

マウテグループは、マラウィ市の学校や聖堂などに火をつけ、電力関連施設を破壊し、都市全体が「ブラックアウト」になったという。
また、マラウィ市の主要施設に掲揚されているフィリピン国旗を下ろし、ISの象徴旗と似た形の旗を掲揚。掌握した主要建物には狙撃手も配置している。
まだ正確な民間人の被害は伝えられていないが、反政府組織との交戦で政府軍3人が死亡、12名が負傷した。ただ、同市から大量の避難民が脱出している。

イスラム教人口が多いフィリピン南部のミンダナオ島のマウテグループは、ISに忠誠を誓い、爆弾テロや身代金目的の拉致・人質事件などを発生させてきた。
今回のマラウィ市への攻撃の準備で、ISがどれだけ関与したのかも注目されている。
ISは最近、中東地域では有志国軍やイクラ・イラン合同軍による反撃により、相対的に影響力が低下しており、アフガンなど浸透のほか「非中東地域」を中心に勢力拡大に力を入れて来ている。
ISの宣伝メディア「アマク通信」は、「ISの戦士がマラウィ市のフィリピン政府軍を相手に大規模な攻撃に出た」と明らかにし、今回の事態を注視していることを示唆している。

さる4月25日に南ラナオ州で発生した国軍とマウテとの戦闘では、37人のマウテグループが殺害されたが、その中には「ジェマ・イスラミア」のメンバー(インドネシア3人、マレーシア1人)が含まれていたという。

<ジェマ・イスラミア>
「ジェマ・イスラミア」は、インドネシアの「ダルル・イスラム」(DI)運動の活動家であったアブドゥラ・スンカルとアブ・バカル・バシルによって両者の逃亡先であったマレーシアにおいて1993年に結成された組織。タイ南部、マレーシア、シンガポール、インドネシア、ブルネイ、フィリピン南部にわたるイスラム国家樹立を標榜している。

組織の精神的指導者はアブ・バカル・バシル(師)。元アフガン義勇兵が中核メンバーである。2002年に国連安保理事会決議でテロ組織に指定されている。

<ミンダナオ島中部から西部にかけてのゲリラ・テロ組織>
1、南ラナオ州を拠点に活動しているマウテグループ、
2、南部のサランガニ州のテロ組織「アンサル・カリファ・フィリピン」
3、サバ州のBIFF(バンサモロ・イスラム自由戦士)
4、西海岸中部のマギンダナオ州から内陸部の南ラナオ州にかけてのARMM、
5、サンボアンガ半島からスール―諸島を拠点にしている悪名高いアブ・サヤフ、

などが、地域により組織が結成されている。元々はイスラム教徒が多いミンダナオ島のモロ湾周辺に結成されていたMILF(モロ・イスラム解放戦線)に所属し、MILFが国と和平合意、自治権確立に動いたことから、反発したグループが各地で独立した過激派組織。独立当事はアルカイダの影響を受けていたともされ、ビン・ラディン没後、現在はISに忠誠誓っている。

<背後に「ジェマ・イスラミア」=IS>
いずれもISに忠誠を誓う「ジェマ・イスラミア」(拠点・ボルネオ島、南側インドネシア領と北側はマレーシア領)から訓練を受けているとされ、組織単独や連携して国軍に対してゲリラ・テロ活動を行っている。ほかに山岳部には共産ゲリラもいる。

こうしたISに忠誠のテロ組織は、自爆攻撃を仕掛けることから、関係する国や州自体が危険でもある。
ISがこうした東南アジアのイスラム社会の過激派に浸透してきており、活動を活発化させている。欧州では、ISに共感した者たちが分子として、散発的に大事件を発生させているが、東南アジアは、イスラム教徒が多く住み、テロ・ゲリラ組織として以前から活動してきたが、ISに忠誠する組織が多くなってきている。

<東南アジアの宗教>
東南アジア諸国の主な宗教は、
仏教国(タイ・ビルマ・カンボジア・ラオス・ベトナム)
イスラム教国(バングラデシュ・インドネシア・マレーシア)
キリスト教国(フィリピン)

以上、フィリピン紙、アルジャジーラ、ウィキペディアなど参照

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[ 2017年5月26日 ]
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