ノーベル賞で沸く旭化成の決算状況 吉野彰名誉フェロー
今年のノーベル化学賞の受賞者に、EV用蓄電池、スマートフォンなどに広く使われ、太陽発電や風力発電などの蓄電池としても活用が進む「リチウムイオン電池」を開発した、旭化成の名誉フェローの吉野彰氏(71)ら3人が選出された。
日本人がノーベル賞を受賞するのは、アメリカ国籍を取得した人を含めて27人目、化学賞では8人目。
吉野氏の功績により旭化成は、リチウム二次電池市場のセパレータで世界№1の市場占有率を有し、今年も日本と米国でセパレータ工場の増設を行うとしている。
EV時代は確実に訪れ、グリーンエネルギーの蓄電市場は拡大が続き、その成果は今後急拡大するものと見られる。
元々、窒素、アンモニアの化学メーカー、繊維事業に展開し、化学繊維並みのやわらかさを持つコットン素材のベンベルグ(キュプラ)の開発で著名、最近では医薬品にも注力し、住宅でも鬼怒川氾濫で日本中から注目されたヘーペルハウスのメーカー。
2019年3月期 旭化成の事業利益/億円
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売上高
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営業利益
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/億円
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前期比
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/億円
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前期比
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営利率
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マテリアル
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11,762
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8.1%
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1,296
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6.2%
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11.0%
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住宅
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6,598
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2.9%
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682
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5.9%
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10.3%
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ヘルスケア
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3,162
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6.7%
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418
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6.0%
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13.2%
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その他
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182
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5.7%
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24
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26.3%
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13.2%
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調整
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-325
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合計
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21,704
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6.3%
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2,095
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5.6%
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9.7%
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・マテリアルには、繊維、ケミカル、エレクトロニクスの各事業が入る
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・前期のセパレータは自動車市場の減速とスマホ市場の縮小の影響受けた
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旭化成 業績推移と予想
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連結/百万円
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17/3期
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18/3期
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19/3期
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20/3期予
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売上高
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1,882,991
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2,042,216
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2,170,403
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2,268,000
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営業利益
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159,229
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198,475
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209,587
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205,000
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同率
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8.5%
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9.7%
|
9.7%
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9.0%
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経常利益
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160,633
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212,544
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219,976
|
214,000
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当期利益
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115,000
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170,248
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147,512
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147,500
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総資産
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2,254,500
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2,316,137
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2,575,203
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自己資本
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1,151,344
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1,287,387
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1,381,485
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資本金
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103,389
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103,389
|
103,389
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有利子負債
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402,059
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301,194
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424,457
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自己資本率
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51.1%
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55.6%
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53.6%
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[ 2019年10月10日 ]