アイコン 韓国の中国に対する「3不の誓い」 経過と現況

 

 

1、米国のミサイル防衛(MD)システムへの不参加
米製戦闘機や攻撃・迎撃ミサイルの統合MDに加盟しなければ総合能力半減。
2、日米韓の軍事同盟に発展させない
GSOMIA破棄に至る
3、THAADの追加配備はしない
現行のTHAADはソウル都市圏を防衛できず中国様に対しての国家主権の放棄だった

韓国文政権が2017年10月31日、中国に対して「3不の誓い」を表明後、韓国軍は一度もこれに反する意見を出したことがない。

韓国政府は、ロッテ星州ゴルフ場跡地のTHAAD配備基地ですら、まだ臨時配備状態とし、進入道路も反対派に封鎖させたままにし、環境調査が必要だとして近くに通っている高圧線も接続させず、THAAD用の発電燃料や食料はヘリにより空輸させ続けている。

文大統領の特別補佐官の文正仁に至っては、北朝鮮核容認論者でもあり、最近では「国連軍は出て行け」と述べている。
文政権による米韓日軍事同盟の不推進は、日本との対立、米国からの戦時作戦統制権(戦作権)の返還を急いでいることにも見られる。
その間、中国は韓国を脅かす軍事力を増強している。

中国は最近、建国70周年軍事パレードで東風17(DF17)極超音速弾道ミサイルを公開したが、これは在韓米軍を狙ったものだと露骨に明らかにしている。
DF17はマッハ8~10前後のスピードで飛行し、THAADでも防ぐのは難しいといわれている。レーダーで探知されても飛行コースを変える滑降が可能なので、迎撃対応も難しい。

今年7月には、ロシア版THAADと呼ばれるS400防空ミサイルシステムを、契約より数ヶ月前倒しで配備した。中国は既に昨年7月、ロシアからS400の1次引き渡し分を受けており、今回は2次配備になる。
S400防空ミサイルは、2007年からロシア軍が実戦配備している中距離地対空ミサイルシステムで、低高度を飛行する巡航ミサイルや戦術弾道ミサイル、軍用機などをいずれも迎撃できる。このS400は、F35ステルス戦闘機を探知・迎撃できるともいわれている。
日米韓3ヶ国の安保協力体制が揺らぐ間に、米中貿易戦争もあり、朝中ロは軍事的蜜月関係へ構築している。

北朝鮮は、新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、イスカンデル級弾道ミサイル、新型低空放射砲(多連装低空ミサイル)など、韓国軍のミサイル防衛システムを無力化できる新たな戦力を誇示している。


<中国様に対する「3不の誓い」表明後、文政権の日本への対応>
2017年11月12日からの日本海における米空母3隻との日米韓合同演習を拒否し、米韓だけで実施した。(北朝鮮は9月3日核実験実施、11月29日ICBM発射実験を行うなど緊張状態が最頂点に達している時に表明した中国に対する「3不の誓い」であった。これは、プライドだけは世界一強度の韓国の大統領として国賓での中国訪問をしたかったからだとの見方もなされた。その結果、12月12日からの国賓での中国訪問を勝ち取ったものの、中国政府からは3日間滞在し2回(昼1回と晩餐会1回)の食事しか相手にしてもらえず一人飯事件を繰り返していた)

2018年10月10日の韓国の国際観艦式における、招待しておきながら、実質日本の自衛艦の参加拒否

2018年12月20日の韓国の駆逐艦「広開土大魔王」による海上自衛隊の哨戒機に対するミサイル管制レーダー照射事件を発生させ、挙句、韓国大統領府が主導した国防部は、レーダー照射を否定、居直り、哨戒機が威嚇飛行したと争点をはぐらかす有様。

2019年8月22日、日本に対し、日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)の破棄を発表した。

これに対して、日本政府は、2018年10月29日に文政権が大法院に出させた元徴用工に対する日本製鉄の賠償金支払い確定判決において、1965年日韓国交正常化条約に付随する協定違反だとして、「国際条約を守らない国」とは話できないとして文政権との正式な対話を一切拒否している。
また、確定判決に基づき差し押さえた日本製鉄の韓国資産を換金処分した場合、韓国に対して対抗措置として制裁すると公言している。
それは、このままだと11月~来年2月までには裁判所の認可がおり処分されることになっている。
もしも処分された場合、日本は対抗措置を取り、日韓関係はこれまで以上に最悪の危機に瀕する。

韓国文政権は、高飛車に出ず、せめて国際条約を守ってもらいたいものだ。

<中国様に対する「3不の誓い」表明後、中国の対応>
2017年10月31日の表明後、中国政府は「3不の誓い」を態度で示せと韓国政府に通告した。その結果、日米韓の空母3隻による軍事演習を韓国側が拒否。

それに喜んだ中国は、THAAD制裁をほとんど解除してくれるものと思った文政権に対して、「山東省の団体旅行解禁」し、「国賓での中国訪問」を認可しただけだった。

2017年12月12日の国賓訪問では、記者に対する中国人警備員による暴力事件まで発生し、韓国マスメディアは中国政府に対して、一人飯事件もあり、非礼だ・無礼だと書き立て、それ以降、中国政府は韓国を無視する態度に至った。

2018年に入った途端、北朝鮮が急に軟化、2月開催の平昌冬季五輪に参加すると言い出し、その主導権の一つが韓国文政権にもたらされた。

3月28日、金正恩氏が中国を訪問し、習主席と初会談、その後、金は習主席に相談しながら、韓国と米国に対応している。習主席は今年6月20日北朝鮮を初訪問している。

4月27日に南北首脳板門店会談が実現、

7月10日には米朝首脳シンガポール会談が実現し、蚊帳の外に置かれた状態となった中国習政権は、韓国政府ににじり寄りはじめ、北朝鮮(同盟国だが音信不通)との関係を急回復させた。

10月10日の韓国の国際観艦式には中国は招待を受けながら、それも前日になって参加を見送った。
12月20日、日韓のレーダー照射問題による韓国の頑なな反日姿勢に気を良くした中国習政権は今年2019年になり、韓国への観光制裁を緩和させ、中国からの訪韓客は昨年より20%以上増加させている。

2019年6月30日、G20大阪サミットでは、中韓首脳会談が開催され、習主席は文大統領に対して、改めて「THAADを撤去せよ」と迫ったが、文氏は「北朝鮮の核がなくなるまで撤去しない」と伝え、当然ながら物別れに終わった。

7月1日未明、北京の現代自動車とサムスン電子の巨大看板が中国当局により一方的に撤去された。

今年1~9月までの中国からの訪韓客数は、前年同期間比27%増の444万人(月平均49.3万人)と大幅に増加している。中国当局は韓国文政権とロウソク信者たちを手篭めにするため、団体旅行の規制を大幅緩和させてきている。ただ、また悪しきボッタくりの団体旅行も増加している。

10月25日、米国ロチェスター大のイーストマン・フィルハーモニー管弦楽団は12月30日から中国8都市でのツアー公演を行う計画だったが、中国政府は団員の中の韓国人留学生3人に対して入国ビザを発行しなかった。これに対して大学側は、中国ツアー公演そのものを中止した。(中国はTHAAD配備から韓国に対して文化制裁を敢行している)

韓国文政権は習主席と金委員長が韓国を訪問することを待ち望み、韓国メディアにそうした情報を流し書かせ、中国政府や北朝鮮政府の対応を見ている。

ただ、現実は、中国は韓流TV、韓流映画、ネットでの韓流など禁止、韓流ゲームの販売およびネット配信禁止、韓国歌手やK-POPPアイドルグループ公演禁止、ネット広告禁止、クルーズ船寄港中断、韓国機のチャーター便禁止、化粧品等の韓国からの輸入厳格化などを続けている。
中国は韓国に対して匙加減の匙を何本も持っている。

北朝鮮の核実験やミサイル発射実験が最高潮に達している中での文氏の中国に対する「3不の誓い」表明は何を狙ったのか、
米国に対してだけの北朝鮮の行為であり、韓国は関係なしとしたのか。
THAAD制裁解除だったのか、
国賓による中国訪問だったのか
わからないが、両方とも、実質失敗に終わったが、中国政府に対する「3不の誓い」だけが、自らの首を絞め、文氏自らが、米国や日本に対しても大きな足かせにしてしまっている。

似たことは南北軍事合意でも見られ、戦作権返還の一環での米韓軍事演習、米製F35戦闘機購入配備、攻撃型ミサイルの購入など、北朝鮮から韓国は軍事合意違反だとタタカレっぱなしになっている。

[ 2019年11月 2日 ]

 

 

 


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