韓国敗訴の日本製ステンレス棒鋼に対するダンピング税、韓国上訴
韓国の鋼材市場は国産鋼材を輸出して中国製鋼材を輸入する関係にある。米国が指摘していた中国製鋼材を輸入して加工して米国などへ輸出している。
こうした状況に韓国は輸入枠設定や中国製に対してダンピング調査に入ろうとしたが、韓国とFTAを締結している中国が問題だ、報復するぞと脅迫したところ、韓国側はすべてを取りやめた(FTA締結前後に建設鋼材=H型鋼は輸入枠を設定していた)。しかも韓国最大の鉄鋼会社ポスコはインドネシアに溶鉱炉、ベトナムに大型電炉を持ち、米トランプ政権は輸入枠を設定、東南アジア市場低迷により韓国へ輸入しようとしたが、韓国のほかの鉄鋼会社から猛反対されていた。その後は不知。
そうした市場環境下、韓国政府は日本製スレンレスバーに対する反ダンピング関税を巡る世界貿易機関(WTO)の一審決定を不服として上訴した。WTO紛争解決機関(DSB)のダシオ・カスティーヨ議長が1月25日の会合で明らかにした。
韓国は日本製、インド製、スペイン製のステンレス棒鋼について、2004年7月から反ダンピング関税を適用しており、日本は韓国側の措置がWTO協定に違反しているとして、2018年になりやっとWTOに提訴した。
WTOの紛争解決手続きで一審の役割を果たす紛争処理小委員会(パネル)は昨年11月、日本製ステンレス棒鋼に対する韓国の反ダンピング関税について、分析方法がWTOの反ダンピング協定に違反すると判定した。実質的な争点5項目のうち3項目で日本側の主張を認めた。
これに対し、韓国政府は小委員会の判断が出た直後、法理的な問題があるとして上訴する意向を表明していた。
しかし、最終判断までには時間がかかる見通し。
WTOで最終審の役割を果たす上級委員会の機能が判事役となる上訴委員の不足で現在停止状態となっている。WTOで最終判断が下されるまで、日本製ステンレス棒鋼に対する既存の反ダンピング関税は維持される。
ステンレス棒鋼は先端精密産業、自動車部品、化学機械、建設資材などに幅広く使われる。2018年の韓国での市場規模は約4000億ウォン(約380億円)、約10万トン。
以上、
中国のように報復するぞと脅迫すればWTOへの提訴もない。
14年間も放置していた経産省の怠慢だけが問題だろう。韓国ポスコからは日本製鉄の極秘製造技術まで盗まれていた。それも日本側の安易で安価な和解が日韓間の多くの問題を長引かせる。