11月の経常収支 1.4兆円の黒字 65ヶ月連続黒字
財務省の発表によると、昨年11月の日本の「経常収支」は1兆4368億円の黒字で、黒字額は前年同月比で6,157億円増えた。経常収支の黒字は65ヶ月連続。
11月の経常収支の黒字額が大きく増えたのは原油価格の下落に伴い原油や石油製品などの輸入額が▲16.6%の大幅な減少となり、輸出から輸入を差し引いた「貿易収支」の赤字額が減ったことによるものだが、輸出も▲10.2%減少し、貿易収支は▲25億円の赤字。
一方、日本の製造企業が海外に出て行ってしまい見返りに日本企業が海外の子会社から受け取った配当や利子などの稼ぎを示す「第一次所得収支」は、日本の経常収支の核となっており1兆4575億円の黒字だった。
また「旅行収支」は2,115億円の黒字。ジャパンボイコットの韓国からの旅行者が大幅に減ったものの、韓国など海外に出国した日本人も減少したため黒字額は前年同月比で174億円増え、11月の旅行収支の黒字額としては比較できる平成8年以降では最も多くなった。外国人旅行者数(11月):2,441,300人(前年同月比▲0.4%減)、出国日本人数(11月):1,642,300人(前年同月比▲1.9%減)だった(JNTO)。
また、金融収支は海外M&Aの増加により5,728億円増加している。うち対外直接投資(M&A等)は1兆6,236億円の資産増だった。
↓2019年11月の経常収支=国際収支
2019年11月
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金額
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前年同月比
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貿易・サービス収支
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1,605億円
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+6,600億円
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(黒字転化)
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貿易収支
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▲25億円
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+5,371億円
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(赤字幅縮小)
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輸出
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6兆2,442億円
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▲7,071億円
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(▲10.2%減少)
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輸入
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6兆2,466億円
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▲1兆2,442億円
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(▲16.6%減少)
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サービス収支
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1,630億円
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+1,229億円
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(黒字幅拡大)
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第一次所得収支
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1兆4,575億円
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+19億円
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(黒字幅拡大)
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第二次所得収支
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▲1,813億円
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▲462億円
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(赤字幅拡大)
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経常収支
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1兆4,368億円
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+6,157億円
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(黒字幅拡大)
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[ 2020年1月14日 ]