アイコン カゴメ/米オーガニック食品のPBI社買収 米シェア61% 「Tasty Bite®」

カゴメは、2015年4月14日、米国Preferred Brands International, Inc.社(PBI社)の株主と株式の買取契約を締結し、連結子会社化することを決定したと発表した。

PBI社は、ナチュラル(自然)、ウェルネス(健康)、コンビニエンス(生活利便性)を強みとし、高いマーケティング力により、家庭用エスニック簡便食品カテゴリーにおいて、61%の米国No.1シェアを有している。

<出資の目的>
今般のPBI社への出資により、米国で急速に成長しているエスニック食品カテゴリー(2013年市場規模、34億ドル、を通じて、米国の消費者向け食品事業へ参入する。

同社とカゴメは、自然・健康を基本とする植物性食品・飲料等の保有資源を最大限に生かし、魅力ある商品の共同開発を進める。
これらをPBI社が持つ高いマーケティング力と米国の広範な販売網を活用し、既存事業の成長に加え、更なる付加価値を創出していく。
また、同社はインドにて、世界的外食チェーン向けに、業務用冷凍野菜パイ・パテ、パスタソース、トマトケチャップなどを提供している。

今後3年間の年間平均成長率が20%〜30%といわれるインドのフードサービス市場において、この成長機会をタイムリーに取り込むことが期待できる。

当社は、米国、ポルトガル、オーストラリアを中心として、世界的外食チェーン向けに業務用トマト加工品の生産・販売事業を強化しており、2013年には、インド大手食品メーカー ルチ・ソヤ社および三井物産と、合弁会社ルチ・カゴメ社を設立し、インドにおける業務用事業にも着手している。
世界的外食チェーン向けの業務用ビジネスの拡大を目指す当社にとって、PBI社の優れた生産設備や高度な研究開発技術は、既存事業の商品ポートフォリオの最適化、販売連携成長戦略の強化等、大きな相乗効果をもたらす。

今般のPBI社への出資は、従来の当社のグローバル戦略である世界的外食チェーンへの取組みを強化するだけではなく、米国における消費者向け食品事業への参入を可能にし、両社の強みを活かしたシナジー効果により、飛躍的な海外事業の拡大を目指す。

<対象会社の概要>
(1)対象会社の概要
PBI社は、1994年に米国コネチカット州に設立された、自然への尊敬と、社会への貢献を経営理念とする食品メーカー。現在、米国、インド、オーストラリアに事業会社を有しており、主にこれらの国にて事業を展開している。
米国においては、「Tasty Bite®」ブランドにて、インド及びアジア系エスニックメニューの電子レンジ対応食品を、全米の主要スーパーマーケットにて販売している。米国の売上は、現在、PBI社連結における約8割を占めている。

インドにおいては、同国の上場企業であるTasty Bite Eatables Ltd.社(TBEL社)を通じて、世界的外食チェーン向けに、業務用冷凍野菜パイ・パテ、パスタソース、トマトケチャップなどを販売している。尚、米国、インドを始めとする全ての商品は、TBEL社にて生産されている。
その他、カナダ、オーストラリア、イギリス、日本においても、「Tasty Bite®」ブランドにて、家庭用エスニック簡便食品の販売を行っており、オーストラリアには、PBI社の100%子会社であるPreferred Brand Foods Australia Pty. Ltd.を有している。

PBI社(連結)は、2015年3月期まで過去7期連続増収。同期間における年間平均成長率は17%を超えており、今後、既存市場の強化と新市場の開拓により、持続的な事業拡大を見込んでいる。

当社は、PBI社の事業規模を、中期的に、売上高100億円(2015年度見込比約2倍)、営業利益15億円(同約2倍)とすることが可能だと考えている。
これは、
1、米国、インドという今後とも人口増加が見込まれる地域を主たる市場としていること、
2、米国においては、優良な流通チャネルに対し、既に高いプレゼンスを持っていること、
3、インドにおいては、成長する世界的外食チェーンに対し、高い品質と特徴ある商品を提供していること
等、現在の同社における生産・販売体制、また各顧客別の実績とその取組から判断した。

買収価格は約96億円(80.2百万ドル/120円)
取得株数は70%・・・連結決算子会社とする
買収日は5月15日
残り30%は創業者でCEO夫妻が持つ。
以上、

カゴメは、国際展開するに当たり、米国・豪州・インドに拠点を構えるPBI社を最大限活用し相乗効果を高める方針なのだろう。
 

[ 2015年4月15日 ]
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