【日本市場】Allbirds国内直営3店舗を全閉店へ 米国で事業資産4070万ドル譲渡、EC販売は継続
サンフランシスコ発のフットウェアブランド「Allbirds(オールバーズ)」が、日本国内の直営3店舗を2027年1月11日をもってすべて閉店する。対象は東京都渋谷区の原宿店、千代田区の丸の内店、大阪市北区のグランフロント大阪店。公式オンラインストアでの販売は継続する。
Allbirdsはメリノウールやユーカリ由来の繊維、サトウキビ由来の素材などを活用したシューズを展開してきたブランド。国内1号店の原宿店は2020年1月10日に開業し、約7年間の営業を終えることになる。
一方、米国では2026年にフットウェア事業の大規模な再編が実施された。旧Allbirds, Inc.はブランドや商標などを含む事業資産を約4070万ドルで譲渡し、その後社名を変更してAIインフラ事業へ転換。ブランドを保有する企業と、かつての米上場法人は別の事業主体となっている。
国内直営3店が2027年1月11日に閉店 日本1号店の原宿も
閉店するのは、原宿店、丸の内店、グランフロント大阪店の3店舗。2026年10月23日に国内全直営店の営業終了が明らかになった。
原宿店は2020年1月10日、日本市場への本格進出に合わせて開業した。原宿駅に近い立地で、シューズの試着やブランドの世界観を体験できる拠点として営業してきた。
開業当初は米国発のD2C(消費者直接販売)ブランドとして注目され、店舗を設けて商品を体験してもらう販売方法を展開。国内ではその後、東京・丸の内や大阪にも出店し、店舗網を広げていた。
今回の閉店は日本国内の直営店すべてが対象となるが、公式オンラインストアでは引き続き商品を販売する予定。実店舗の営業終了とブランドの日本市場からの撤退は区別する必要がある。
| 閉店対象店舗 | 所在地 | 閉店予定日 |
|---|---|---|
| Allbirds 原宿店 | 東京都渋谷区 | 2027年1月11日 |
| Allbirds 丸の内店 | 東京都千代田区 | 2027年1月11日 |
| Allbirds グランフロント大阪店 | 大阪市北区 | 2027年1月11日 |
2024年からゴールドウインが日本国内の販売を担当
国内での事業展開は2024年に転機を迎えた。
スポーツ・アウトドア用品大手の株式会社ゴールドウインは2024年3月6日、当時Allbirdsブランドを展開していた米Allbirds, Inc.との間で、日本国内における独占販売契約を締結したと発表した。
同年6月1日からはゴールドウインの総合オンラインストアでも商品販売を開始。国内店舗の運営やオンライン販売、ブランド展開を担う体制へ移行した。
ゴールドウインは契約当時、Allbirdsの環境負荷低減を重視した製品開発やブランドの考え方が、自社の長期ビジョンと親和性を持つことを説明していた。
今回の国内直営店閉店後もオンライン販売は継続する予定。ただし、米国でのブランド事業譲渡後に、日本国内の販売契約がどのような条件で引き継がれたかについては、確認できる公表資料がない。
米国では2025年売上高19.7%減、約7730万ドルの最終赤字
旧Allbirds, Inc.の業績は近年、厳しい状況が続いていた。
2025年12月期の連結売上高は1億5247万ドルとなり、2024年12月期の1億8976万ドルから19.7%減少した。最終損益は約7730万ドルの赤字だった。
売上高減少の背景として同社は、米国の直営店閉鎖などに伴う小売・EC販売の減少に加え、海外市場における販売代理店方式への転換などを挙げていた。
こうした中、2026年1月28日には米国内に残る通常価格販売の直営店を2月末までに閉鎖すると発表。EC、卸売、海外販売代理店への経営資源の集中を打ち出した。
当時の発表では、米国内のアウトレット2店舗とロンドンの通常価格販売店2店舗については営業を継続する方針を示していた。
なお、2025年12月期の業績は事業譲渡前の米国法人による連結決算であり、日本の店舗事業単独の売上高や損益を示すものではない。
2026年6月にブランド事業を4070万ドルで譲渡
米Allbirds, Inc.は2026年3月29日、American Exchange Groupの関連会社であるAllbirds IP LLCとの間で、フットウェア事業などの資産譲渡契約を締結した。
譲渡対象には「Allbirds」の商標、ブランド名、特許、ドメイン名、在庫、顧客リスト、一部の契約などが含まれ、ブランド運営に必要な事業資産を移転する内容となった。
米証券取引委員会(SEC)への提出資料によると、取引は2026年6月9日に完了。価格調整などを反映した最終的な譲渡対価は約4070万ドルとなった。
契約締結時点で示されていた約3900万ドルは当初の見積額であり、取引完了時の確定額とは異なる。
譲渡によってフットウェア事業と関連ブランド資産はAmerican Exchange Groupの関連会社に引き継がれた。旧米法人はそれまでのシューズ事業から離れることになった。
旧米Allbirds法人は「Smartbird」に社名変更 AIインフラ事業へ転換
事業譲渡後には、米国の法人自体にも大きな変化があった。
旧Allbirds, Inc.は2026年6月15日付で社名を「Smartbird, Inc.」へ変更。同社は従来のフットウェア事業から離れ、AI計算基盤やGPUなどのインフラを扱う事業への転換を進めている。
つまり、現在のAllbirdsブランドのフットウェア事業と、旧Allbirds, Inc.を引き継いだSmartbirdは、異なる事業主体となっている。
今回の国内直営3店舗の閉店についても、旧米法人のAI事業転換を直接の閉店原因と判断することはできない。日本国内の店舗閉鎖に至った具体的な判断理由は公表資料では確認できていない。
日本では実店舗を終了、今後はEC販売を継続
日本のAllbirdsは2027年1月11日をもって直営実店舗3店舗の営業を終了する。原宿の日本1号店を起点とした国内での直営店舗展開は、約7年で一区切りを迎える。
ただし、公式オンラインストアでの販売は継続するため、ブランドの日本市場からの完全撤退ではない。
米国では直営店舗網の縮小、事業資産の譲渡、旧運営法人の事業転換まで進んだ。日本の閉店も同じ時期の動きだが、それぞれの判断理由や法人関係を区別して考える必要がある。
今後は、国内でのオンライン販売体制や商品供給、ブランド保有者と日本の販売事業者との関係がどのように維持されるのかが焦点となる。





