【茨城】真壁石燈籠の松崎字彫工業が破産 伝統工芸士の所属事業者、2025年度にも作品コンクールで受賞
茨城県桜川市の石材加工業、(有)松崎字彫工業は、2026年10月13日、水戸地裁から破産手続き開始決定を受けた。事件番号は令和8年(フ)第67号。
同社は、国指定の伝統的工芸品「真壁石燈籠」の産地である桜川市真壁地区に所在する石材加工会社。真壁石材協同組合の伝統工芸士名簿には、同社が真壁石燈籠の伝統工芸士の所属事業者として掲載されている。
2025年度の第24回関東伝統工芸士会作品コンクールでは、同社を所属先とする伝統工芸士が関東伝統工芸士会長賞を受賞していた。
同社の負債総額や、破産に至った具体的な原因は確認できていない。
真壁石燈籠の産地で石材加工事業を展開
松崎字彫工業は、茨城県桜川市真壁地区に所在する石材加工・彫刻関連会社。真壁石材協同組合の組合員として、地域の石材産業に関わってきた。
真壁地区は良質な花崗岩の産地として知られ、古くから石材加工業が発展。墓石や石碑、庭園用の石燈籠、石造建築物など、多様な石製品が生産されてきた。
なかでも「真壁石燈籠」は、江戸時代から受け継がれてきた石工技術を特徴とする伝統的工芸品で、1995年4月5日に国の指定を受けた。
原石の加工から仕上げまで18の伝統的技法が用いられ、「のみ」「こやすけ」「びしゃん」などの道具による繊細な彫刻が特徴。庭園用の石燈籠や神社仏閣への奉納用石燈籠などが製作されている。
松崎字彫工業は、こうした伝統工芸の技術を持つ職人の所属事業者として、真壁石材協同組合の公式資料に記録されている。
所属する伝統工芸士が2025年度の作品コンクールで受賞
松崎字彫工業に関する特徴的な実績として、所属する伝統工芸士の作品が近年のコンクールで高い評価を受けていたことが挙げられる。
伝統的工芸品産業振興協会が公表した第24回関東伝統工芸士会作品コンクールの受賞記録によると、真壁石燈籠の伝統工芸士が、多目的燈籠「むつめあみ」で関東伝統工芸士会長賞を受賞した。
受賞作品は2025年度のコンクール作品として選ばれ、2026年1月16日から22日まで東京の伝統工芸青山スクエアで展示された。
受賞者は真壁石材協同組合の伝統工芸士名簿で松崎字彫工業を所属事業者として登録されている職人で、受賞は伝統工芸士個人の実績となる。
真壁石燈籠の技術は、長年にわたり地域の石工職人によって継承されてきた。同社は、こうした伝統技術を持つ職人が所属する石材加工事業者の一つだった。
10月13日に破産開始決定、負債額は未確認
同社は2026年10月13日、水戸地裁から破産手続き開始決定を受けた。
破産管財人には関健太郎弁護士が選任された。破産債権の届出期限は2026年12月14日、財産状況報告集会などの期日は2027年2月9日午前10時となっている。
負債総額や事業停止日、破産に至った具体的な経緯については確認できていない。また、石材加工事業の承継先や工房の今後についても明らかになっていない。
今回破産手続き開始決定を受けたのは松崎字彫工業であり、真壁石材協同組合や、国指定の伝統的工芸品「真壁石燈籠」の産地全体が法的整理に入ったものではない。
有限会社松崎字彫工業の概要
| 企業名 | 有限会社松崎字彫工業 |
|---|---|
| 所在地 | 茨城県桜川市 |
| 法人番号 | 1050002042811 |
| 業種 | 石材加工・石材彫刻関連 |
| 関連する伝統工芸品 | 真壁石燈籠(1995年に国指定) |
| 関係団体 | 真壁石材協同組合 |
| 破産手続開始決定 | 2026年10月13日・水戸地裁 |
| 事件番号 | 令和8年(フ)第67号 |
| 負債総額 | 確認できず |
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