アイコン 【静岡】高齢化進む西伊豆で配食サービス再構築 国も「生活インフラ維持」へ新制度


人口減少が進む地域で、食料品店や交通、物流、ガソリンスタンドなど、暮らしに欠かせないサービスをどう残すかが大きな課題になっている。

静岡県西伊豆町では、高齢者向け配食サービスについて、従来の事業者に代わる新たな担い手が町内全域をカバーする体制へ移行した。高齢化が進む地域で生活サービスを維持する事例として、経済産業省が10月7日に静岡市で開催する「認定エッセンシャルサービス制度」のセミナーでも取り上げられる。

 

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人口6235人、高齢者が半数を超える西伊豆町

西伊豆町の人口は2026年9月1日時点で6,235人。町の計画資料では、2025年4月1日時点の高齢化率は53.1%に達している。

2026年度についても、総人口6,303人に対して65歳以上人口を3,416人、高齢化率54.2%とする推計が示されており、住民の半数以上を高齢者が占める状況が続く。

こうした地域では、買い物や移動だけでなく、毎日の食事を確保すること自体が重要な生活サービスとなる。

配食の担い手を変更、2025年4月から全町へ

西伊豆町では、調理が困難な高齢者などを対象に、昼食や夕食を届ける配食サービスを実施している。利用者負担は1食500円で、町は配食事業者に対して見守りにかかる費用として1食300円を助成している。

この配食サービスの新たな担い手となったのが、就労継続支援B型事業所「とことこ西伊豆」を運営する株式会社あゆみのだ。

2024年6月から大沢里地区で町と連携した配食を開始し、2025年4月からは、それまで町内全域の配食を担っていた事業者から事業を引き継ぐ形で対象地域を全町へ拡大した。

高齢者への食事提供と見守りを維持する一方、障がい者の就労機会を地域サービスの運営と結び付けた仕組みとなっている。

国も小売・物流・交通などの維持を支援

国も、人口減少地域で生活サービスが維持できなくなる問題への対応を強めている。

2026年6月に公布された改正産業競争力強化法では、新たに「認定エッセンシャルサービス制度」が創設された。

対象となるのは、生活必需品の小売り、物流、バス・タクシーなどの交通、ガソリンスタンド、自動車整備など、地域住民の生活を支えるサービス。人口減少などによって供給の維持が難しくなる地域で、複数事業者による共同化や事業効率化などを後押しする。

認定された事業計画には、信用保証の特例や政府系金融機関による金融支援などが用意される。

制度開始に先立つモデル事業では、複数事業者の連携や複数サービスの組み合わせなどを対象に、補助上限3,000万円の支援も実施されている。

「店がなくなる」だけでは終わらない地域経済問題

人口が減れば、商圏も利用者も縮小する。一方で、店舗や車両、人員など一定の経営資源は維持しなければならず、事業者側の負担は重くなる。

スーパーが閉店すれば買い物環境が悪化し、ガソリンスタンドがなくなれば自家用車だけでなく物流や福祉車両にも影響する。バスやタクシー、宅配網の縮小も、高齢者の生活に直結する。

西伊豆町の配食サービスは、従来の担い手だけでは維持できなくなった地域サービスを、別の事業主体と自治体の連携によってつなぎ直した事例といえる。

人口減少が進む地方では今後、小売、物流、交通、燃料供給、介護などを個別の業種として見るだけでなく、「地域で最低限維持しなければならないサービス」として再編する動きが広がるかが焦点となる。

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