【札幌】8月のホテル稼働率82.9%、客室単価1万8828円 ハイアットが札幌初進出
札幌市のホテル市場が高い宿泊需要をみせている。札幌観光協会が公表した2026年8月の宿泊データによると、市内約50宿泊施設の客室稼働率は82.9%、平均客室単価は1万8,828円となった。
販売可能な客室1室当たりの収益を示すRevPARは1万5,599円、宿泊者に占める外国人比率は18.6%だった。夏休みやお盆を含む8月の数字であり、8割を超える稼働率を外国人旅行客だけに結びつけることはできないが、札幌の夏季宿泊需要の強さを示す数字となっている。
その札幌中心部で10月3日、「ハイアット セントリック 札幌」が開業した。札幌市へのハイアット初進出となり、スイート9室を含む216室を供給する。
8月の客室稼働率82.9%、単価は1万8828円
札幌観光協会が10月1日に公表した2026年8月のデータでは、市内約50宿泊施設の平均客室稼働率は82.9%だった。
| 指標 | 2026年8月 |
|---|---|
| 客室稼働率 | 82.9% |
| 平均客室単価(ADR) | 1万8,828円 |
| RevPAR | 1万5,599円 |
| 外国人宿泊者比率 | 18.6% |
平均客室単価は実際に販売された客室1室当たりの平均売上額で、予約サイトなどで表示される1人当たりの宿泊料金とは異なる。RevPARは未販売の客室も含めた販売可能客室1室当たりの収益を示す。
なお、82.9%は札幌市内の全宿泊施設を対象にした数字ではなく、札幌観光協会が集計した約50施設の平均値となる。
来札観光客は1604万7000人、過去最高に
宿泊市場を支えている札幌の観光需要も拡大している。札幌市によると、2025年度の来札観光客数は約1,604万7千人となり、前年度の約1,525万7千人から約79万人、5.2%増加し、過去最高を更新した。
外国人宿泊者数は約248万8千人で、前年度の約217万9千人から14.1%増加した。外国人宿泊者の伸び率は来札観光客全体を上回っており、札幌の宿泊市場では国内客に加え、海外からの宿泊需要も大きな市場となっている。
一方、札幌市は宿泊施設の受け入れ環境整備について、外国人を含む多様な観光客への対応に加え、人手不足への対応も支援対象としている。観光客数の増加に対応するため、客室供給だけでなく宿泊施設側の受け入れ体制も課題となっている。
札幌初のハイアット、216室で開業
こうした市場環境のなか、10月3日に「ハイアット セントリック 札幌」が開業した。NTT都市開発が開発・所有する「アーバンネット札幌リンクタワー」の高層部に入り、札幌市では初のハイアットブランドとなる。
ホテルはNTT都市開発ホテルマネジメントが経営し、ハイアット ホテルズ コーポレーションが運営する。客室は19階から26階にスイート9室を含む216室を設け、全室36平方メートル以上。レストランやバー、フィットネス施設、多目的イベントスペースも備える。
JR札幌駅から徒歩約10分で、地下歩道にも直結する。北海道庁旧本庁舎や大通公園にも近く、札幌中心部を拠点に市内や北海道各地を巡る利用を想定した「ハイアット セントリック」ブランドとして展開する。
ハイアットは北海道ではニセコですでにホテルを展開しているため、「北海道初のハイアット」ではない。一方、「ハイアット セントリック」ブランドとしては北海道初で、ハイアットの札幌市への進出も今回が初となる。
観光客増加とホテル投資が重なる札幌
札幌市は以前から宿泊施設の充実を観光政策上の課題としてきた。市の資料では2019年度末のホテル、旅館、簡易宿所を合わせた客室数は3万2,004室まで増加していた一方、富裕層向けのハイグレードホテルについては一段の充実が必要としていた。
今回のハイアット進出を市の観光政策の直接的な成果と位置付けることはできないが、札幌中心部の宿泊商品の選択肢がさらに広がったことは確かだ。
2025年度には来札観光客が過去最高を更新し、2026年8月には調査対象ホテルの客室稼働率が82.9%に達した。札幌のホテル市場は、観光客数だけでなく、客室稼働率、客室単価、外国人宿泊需要といった複数の数字を合わせて動向をみる段階に入っている。





