東大農学部の研究者らと常磐植物化学研究所は、黒ウコンのポリメトキシフラボノイドが「長寿遺伝子」産物SIRT1を活性化することを実証したと次のように発表した。
◆黒ウコン由来のポリメトキシフラボノイド(略称 KPMF-8)がレスベラトロールよりも効果的に「長寿遺伝子」産物SIRT1を活性化することを実証した。
◆KPMF-8のSIRT1酵素活性促進効果は、レスベラトロールよりも顕著でした。細胞外に与えたKPMF-8が細胞内のSIRT1を活性化できることも示された。
◆食品成分によるSIRT1活性化により、健康寿命の伸長に貢献できる可能性がある。
発表概要
「長寿遺伝子」産物「サーチュイン1(SIRT1)」は、がんや老化関連疾患の予防に関与する重要な酵素。
SIRT1はレスベラトロール等のポリフェノールによって活性化されることが知られている。
東京大学大学院農学生命科学研究科の永田教授らは、黒ウコンKaempferia parviflora 由来のポリメトキシフラボノイドであるケルセチン 3,5,7,3',4'-ペンタメチルエーテル(略称 KPMF-8)が、SIRT1に結合することで、酵素(SIRT1)と基質(Ac-p53 ペプチド)との親和性が8.2倍に増強すること、一方、レスベラトロールがSIRT1に結合しても1.4倍しか増強されないことを明らかにした。
さらに、ヒト培養細胞(MCF-7)を用いて、培地に添加したKPMF-8が細胞内のSIRT1活性を亢進させることも示した。