アイコン 中国支援しかないスリランカのブラックアウト 外貨不足で燃料買えず

Posted:[ 2022年4月 2日 ]

典型的な一帯一路戦略の受入国スリランカ、腐敗不正の巣窟となり、当時の政権は倒れたが、次の政権は緊縮財政、国民は嫌気をさし、再び、中国寄りの政権を誕生させた。

しかし、中国の一帯一路戦略の要であるスリランカ南部港湾のインフラ投資工事の借金返済に99年の港湾租借契約(軍港利用)で完了しており、深入りしたくないようだ。

パキスタンは外貨不足でIMFの救済を図ろうとしたが、その救済資金が中国への返済資金に当てられる可能性が高いとして、西側がIMF救済に反対、結局、救済されず、中国がさらに追加貸し出しで危機を逃れた経緯がある。

スリランカの場合は、インフラ投資期待の中国寄り政権か、インド寄りの政権になるかわからない国でもあり、99年間軍港租借という中国としては目的を達した以上、深入りしなかったため、スリランカでは今回、ブラックアウトが生じたようだ。

 



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報道では、
インド洋の島国スリランカの最大都市コロンボ近郊で3月31日、深刻な経済危機を招いたとしてゴタバヤ・ラジャパクサ大統領への不満を強める市民が辞任を要求し、大統領の邸宅を包囲した。
これを受け、治安当局は4月1日、外出禁止令を発令し、強制排除に乗り出し、治安部隊とデモ参加者が衝突、少なくとも45人が逮捕された。

スリランカは外貨不足による輸入制限で、燃料や生活必需品の価格は高騰。発電所も十分に稼働できず、3月31日には13時間の計画停電を実施すると発表し、実際、停電となり、市民の怒りが噴き出した。
以上、

中国はスリランカに対して、返済猶予措置を取るか、米国との貿易で儲けた資金を再び貸し出すしかない。中国からさらに借金したければ、交換条件として、港湾の次に、元大統領の出身地に中国からのインフラ投資で作った空港があり、これもまた99年間中国に租借するしかない。

<スリランカ>
1、為替
スリランカルピーは、対ドル3月7日199スリランカルピーが現在は290スリランカルピーまで跳ね上がっている。
2、、2020年のGDP:80億71百万ドル
3、GDPに対する政府債務比率:101.0%(21年末)

4、中央銀行貸し出し基準金利
6.50%、1/20日の5.50%から3/4日に1%上げている。

5、外貨準備高:31億ドルしかない。
(輸入代金の1ヶ月半分しかない)

6、対外債務:21年末511億17百万ドル(2014年末399億05百万ドル)
ロイターによれば、今年22年に償還すべき対外債務は約45億ドル。うち1割程度が対中債務とされるが、中国国営企業への返済分は含まれていないと見られているという。

7、22年1月の貿易収支:▲10億85百万ドル(12月は▲5億53百万ドル)
輸入は22億41百万ドル
輸出は11億56百万ドル

8、出稼ぎの送金収入も新コロナの影響で減り続けている。
21年1月8億12百万ドル、21年12月は2億71百万ドルまで減り続けている。

9、観光収入も新コロナ以前は中国中心に大きかったが、「ゼロコロナ策」の中国からの客は途絶え、2019年当時の面影はない。

世界中、どこの国民も常にバラ撒き政権を大喜びする、しかし、バラ撒きにより財政が悪化し、外貨不足が生じれば、海外から石炭や原油も買えず、発電さえできなくなる。それが現在のスリランカの現実。

1月のロイターの報道ではイランから購入の石油代250億円あまりが支払いできず、イランとの協議で紅茶の輸出で相殺することで合意したという。

財政悪化のスリランカ、新コロナ対策でさらに悪化させている、そうした中での、米金利の上昇、その反動で、スリランカルピーが暴落する可能性は常にあった。

スリランカは、一帯一路覇権戦略により借金の漬物国になっており、中国がその漬物を食べ続けるしかない。

米金利上昇は今後とも続き、また燃料である石炭や石油の価格が高騰すればするほど、こうした借金の漬物国の実質経済破綻は増え続ける。

それでも中国から借金してまで、バラ撒く政権を国民が支持する構図は続き、如何ともしがたい。スリランカの現政権は、スリランカの親中派のドン「マヒンダ・ラージャパクサ(元大統領/現在首相)」の弟のゴーターバヤ・ラージャパクサが大統領、親中兄弟がスリランカを取り仕切っている。

 

 


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