米国では、疾病対策センター(CDC)によると、麻薬鎮痛剤「オピオイド」による死亡者数が2021年は約98000人、22年は10万人を超えている。
2018年当時のトランプ大統領が「問題だ」と発言し、捜査が開始された。それでも2018年の死亡者数は推定5万人とされていた。その後倍増している。
秋の米大統領選挙の争点の一つにもなっている。
2010年当時のオバマ大統領の経済優先策が医療行政にも及び、2010年ころから米薬品会社と医師がグルになって一般患者に対して大量に「オピオイド」を処方したため、患者数が急増した。
大統領がトランプ氏に交代し、その死亡者数の多さに規制強化に入った。
「オピオイド」剤で急成長していた医薬品会社代表が逮捕され、医師に対しても処方を厳格化させた。
結果、常習性がある「オピオイド」剤を求め闇市場が急拡大、購入した人たちが死亡しまくっている。品質も医薬品として検査を受けておらず危なっかしいものがほとんど。(2015年には、トヨタが役員として招聘した米人女史が入国直後のホテルで「オピオイド」剤所有で拘束され、女史は米国の医療機関で正規に処方されたものだと主張したが、日本では個人所有物としては違法薬物認定品。女史は、米日の医療・医薬品行政の違いとして処理され帰国した。当時サンケイは「痛みに耐える日本文化」を批判的に掲載していたが、常習性・依存性があり、それも野放図に医療機関が処方したための結果の死亡者数であり、厳格運用は当然のことと思われる)
その米闇市場へ「オピオイド」剤を供給しているのがメキシコのギャング団、その原料「フェンタニル」をメキシコへ輸出しているのが中国という構図となっている。
ケシは世界最大の産地であるミャンマーからアフガンの高原地帯で栽培され、闇の中国の集荷センターに集荷され、荒精製、中国から正規にメキシコへ輸出されている。メキシコ政府は原材料の国内患者向け必要量は算出できるが、ギャング団との戦争となるため、「フェンタニル」は中国から大量にメキシコ企業が輸入し、その多くがギャング団に流れ、メキシコでさらに精製加工され「オピオイド」として主に米国へ闇輸出されている。
<今回>
米中は1月30日に北京で、合成麻薬「フェンタニル」の不正取引を取り締まる取り組みについて高官協議を開く。バイデン米政権の高官が明らかにした。
以前の米中貿易戦争下の米中会談では、米国が中国に対して「フェンタニル」輸出規制を要請したが、中国は「メキシコへ正規に輸出しており、その後は知ったことか」という立場でモノ別れとなっていた。
1840年のアヘン戦争に対してアヘン報復戦争とも称せられている。
昨年11月にバイデン大統領と習近平国家主席の会談後に設置された作業部会が、対面での初会合を迎える。
この10年で過剰摂取による死亡者が爆発的に増えたフェンタニルなどの麻薬鎮痛剤「オピオイド」について、バイデン大統領は取り締まりの進展を示すことに意欲的とされる。
オピオイドは2024年の選挙で争点となっており、米政府はメキシコからのフェンタニル密輸を止めるのに十分な対策を講じていないと共和党は非難している。
主なフェンタニル供給源であるメキシコの麻薬カルテルは、多くの場合その原料である化学物質を中国から得ている。
30日の会合には、米国土安全保障省と司法省、国務省、財務省の高官に加え、麻薬取締局(DEA)のミルグラム局長や税関・国境取締局(CBP)のミラー局長代行も出席する。
この日の発表に先立ち、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と王毅中国外相はタイの首都バンコクで会談し、バイデン、習近平両氏による電話会談の再開と高官レベルの協議継続を確認した。
以上、