アイコン JA離れ進むコメ市場、価格高騰の裏に制度の揺らぎと農相失言

Posted:[ 2025年5月20日 ]

JAを介さずに農家と直接取引される「スポット米」の価格が、JAルートの約2倍に達するなど、コメ市場に異変が起きている。2024年産米では、60キロあたりのスポット価格が4万5000~5万円に達し、流通量の多いJA経由ルートの約2万円と大きな乖離が生じた。背景には、昨年の品薄感を機に、JAに依存せず調達を急ぐ動きが加速したことがある。

こうした動きは、農家にとっては「高く売れる」新たな選択肢を意味する一方で、小売価格の高騰という形で消費者に重くのしかかる。現在、店頭では5キロあたり4500円~5000円という価格帯も珍しくなく、生活必需品であるコメの高騰は庶民の家計を直撃している。

 



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この異常事態に農林水産省は、備蓄米を小売店に直接届ける新たな入札制度を導入するなど、価格の抑制に向けた対策を急ぐ構えだが、その舵取りを担う江藤農相の発言が波紋を広げた。江藤氏は「(コメを)買ったことがない。支援者がたくさんくださるので、売るほどある」とパーティーで発言し批判を浴び、19日夜に「全面的に撤回し、おわび申し上げる」と陳謝した。

石破首相は江藤氏を厳重注意する一方で、続投させる意向を示した。江藤氏は「結果を出すことで信頼回復に努めたい」と述べているが、制度改革が進む中での軽率な発言は、農家や消費者の不信感を招いたことは否めない。

JA依存からの脱却、価格の透明化、消費者負担の軽減――コメを巡る構造改革は待ったなしの局面にある。政治の責任が改めて問われている。

田んぼ

 

 


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