アイコン 米価高騰、なお沈静化せず 石破政権に焦り 備蓄米放出も効果乏しく


農水省に“責任論” 自民党に長期対策を指示 夏の選挙控え政権苦慮

米価格の高騰が止まらない。4月21~27日の時点で、スーパーでの平均価格は5キロ4233円と過去最高を更新し、17週連続での値上がりとなった。こうした中、8日のフジテレビ系番組「サン!シャイン」に出演した政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「農水省の失敗」と断じ、「備蓄米放出も官邸主導で、農水省が自主的に動いていない」と指摘。官邸内に「農水省とJAが結託して価格を下げないようにしているのでは」との疑念もあると語った。

田崎氏は、自民党の石破茂首相が政調会長の小野寺五典氏を呼び、党として米価対策を検討するよう指示した経緯を紹介。その背景には、農水省が動かないことへの不信感があるとし、「農協や農水省にとっては価格が高い方が都合がいいが、国民にとっては困る」と説明した。しかし、番組中では「どこで流通が詰まっているのかは分からない」と、具体的なボトルネックは依然として不明なままだった。

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こうしたなか、同日報じられた新たな動きが注目を集めている。石破首相は7日、自民党に対し、米価の対策を改めて取りまとめるよう指示。実は先月から、政府は首相の指示で毎月備蓄米を放出しているが、価格は下がっておらず、首相自身も「思うようにいかない」と焦りを抱えているという。

背景には2つの「焦り」があるとされる。ひとつは、政策効果が出ないことへのいら立ち。もうひとつは、夏の参議院選挙が迫る中で、農政通として知られる石破首相が「無策」と批判されるリスクだ。ある政府高官は「米価が下がらないまま選挙に突入すれば、影響は避けられない」と語っている。

石破首相はかつて農水相も務めており、自民党内では“農業・農政通”としての信頼が厚い。一方で、農水省や農水族議員の保守的な姿勢は根強く、構造改革にはハードルが多い。ある高官は「石破首相は実質的に続いている減反政策の見直しを視野に入れ、生産性の向上と輸出拡大を狙っている」とするが、党内調整が進むかは不透明だ。

そもそも、なぜ備蓄米を放出しても価格が下がらないのか。その理由について政府関係者は「消費者まで届いていない」と指摘し、流通のどこかに“詰まり”があるとの見方が強まっている。田崎氏や他の番組出演者も一致して「流通経路の不透明さ」が問題とみており、これが目下の課題であることは間違いない。

石破首相は、農水省任せでは限界があるとして、自民党に長期的な農政ビジョンの策定を求めている。支持基盤である農家の理解を得つつ、消費者の不満にも応えるという難しいかじ取りが求められる。価格の「高止まり」は単なる一時的な需給の問題ではなく、日本の農政全体の歪みを浮き彫りにしている。

果たして、政権はこの複雑な構図を打開できるのか。石破首相の手腕に注目が集まっている。

 

[ 2025年5月 8日 ]
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