アイコン 韓国の「麗川NCC」経営危機、石油化学業界大手

Posted:[ 2025年8月13日 ]

石油価格業界は、露制裁により安価でしか販売できないロシア産原油を購入する中国やインド勢が原価の安い露産を精製して世界中へ安価に販売している。また、サウジやUAEなどは付加価値を付けるべく、国産原油を精製して直接販売に乗り出している。
こうした流れは2022年3月の露制裁から始まっており、通常価格で購入する韓国勢はこの間、価格競争力も失している。

トランプは、米原油や精製品を輸出拡大させるため、欧州への販売を強化しているインドを標的にし、露産原油を購入しているとし、50%の関税爆弾を投下している。
それほど、欧州のマーケットを米国は欲している。
かつてロシアがほぼ独占していた欧州の天然ガス市場は、露制裁により、今や米国最大のLNGの輸出先となっている。
トランプは天然ガスに続き石油製品についても欧州市場を狙っている。

 

 



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韓国では、
韓国の5大基幹作業の1つである石油化学の危機がついに現実となりつつある。石油化学は関連企業数2万7000社以上、雇用が43万人に達する韓国の5大輸出品目の1つ。
ところが、業界トップの「麗川NCC」が8月21日までに3100億ウォン(約330億円)を返済できなければ不渡りとなる可能性が高くなっている。

わずか5年前には売上高5兆ウォン(約5300億円)以上、1兆ウォン(約1100億円)以上の黒字を出していた企業が、ここ3年連続で毎年2000~3000億ウォン(約210~320億円)の赤字を記録している。

今年3月には、親会社のハンファとDL(旧・大林)が、いずれも1000億ウォン(約110億円)を追加で出資したが、焼け石に水、社債も発行できず融資も受けられないのが今の現状となっている。またDLは追加の出資には慎重で、不渡りは秒読み段階となっているようだ。
親会社2社は、追加融資について、ハンファは「速やかに資金を支援しなければならない」という立場、一方、DLは「経営診断からやるべき」としてワークアウト(企業財務構造改善)申請の可能性まで表明している。

麗川NCCは、アジア通貨危機の企業再編で1999年、ハンファソリューションとDLケミカルが持つナフサ生産設備(NCC)を統合してできた会社。石油化学の原料であるエチレンの生産能力はLG化学とロッテケミカルに続き韓国第3位。

 韓国における石油化学業界の危機はここ最近の話ではない。
2018年の時点で韓国の輸出全体に占める割合は8.2%(約500億ドル)に達し、世界でもシェア4位を占めるなど韓国経済に大きく貢献していた。

ところが、ここ数年は中国やインド・中東勢に押され突破口が見いだせない状態となっている。
「麗川NCC」に加え「ロッテケミカル」や「LG化学」も昨年から一部の工場が相次いで操業をストップしている。
ボストンコンサルティング(GCG)は「現状がこのまま続けば韓国の石油化学関連企業の50%が倒産に追い込まれる」と以前から警告してきた。生産ラインはすでにストップし、投資計画は撤回、雇用は危機的な状況となっている。
 韓国の石油化学はNCC(ナフサ分解設備)を通じてナフサから化学製品の原料であるエチレンを生産し、その差益が利益となる収益構造になっている。
エチレンからビニール、フィルム、電子機器、マスク、おむつ、ビンのふたなど多くの製品が製造される。
ところがこの産業構造は中国や中東などの大規模投資で競争力が失われつつある。
昨年時点で世界のエチレン生産力は約2億2900万トン、需要は1億8800万トンと生産能力が大幅に上回っている。
これに加え国家政策もあり原価意識が乏しい中国に加え、中東の企業もナフサなしにエチレンを生産する技術に巨額の投資を行っている。

 韓国経済全体において石油化学産業は、単に化学製品の製造にとどまらず製造業全体に関わっており、自動車、エレクトリック、建設など多くの業界に影響を及ぼす。

さらに深刻な問題は、今回の危機はたとえ韓国の主要産業であっても中国の攻勢により構造的な限界を露呈し崩壊することを改めて示している。
 現状で韓国経済には石油化学だけでなく建設や二次電池などでも深刻な危機が近づきつつある。

韓国の産業全般に対する警告は突然出てきたのではなく、数年前からその原因を誰もが理解していた。
しかし、その危機が現実となった今もなお特段の対策を提示できない。だからこそ一層懸念が深まっている。
以上、

韓国は貿易国、自由貿易協定を数多くの国と締結しており、中国のように安価な鉄鋼製品が韓国市場へ流れ込んでくる。過去そうであったように、韓国が中国製鉄鋼製品につき輸入規制すれば、逆に中国側からFTA違反だといわれ、輸入制裁するぞと脅され、中国製鉄鋼製品が入るがままになっている。

トランプ1政権でも安価な中国の鉄鋼製品の迂回輸出だと韓国を責め立てていた。そうしたことから、対米については中国製の迂回輸出は減少したものの、総じて中国製の鉄鋼製品が韓国へ流入増加させ続けている。・・・★韓国鉄鋼業界の危機ともなっている。

韓国の造船業でも豊富な受注残を抱えているものの、資源高などで利益が出にくくなっており、中国製厚板が10%⇒20%⇒30%を占めるまで増加している。韓国の鉄鋼業界は国内に自前できる量を生産する高炉や電炉を擁している。

インドはロシア産原油が安価に入り、欧州では精製された石油製品や石油化学品をロシアから購入していたことから、露制裁で購入しなくなり、代わってインドは生産を急拡大させた、欧州へ輸出している。こうした動きに中東勢も大規模生産設備の構築や既存工場の拡充を図り、現在では生産、欧州へ輸出するまでに至っている。

中国の国営企業は戦略的に中東産原油を主体に米など原油生産国から購入している。しかし、民営の石油精製会社や石油化学品製造会社は、安価なロシア産を購入し、輸出に回している。

余談
規制しない新自由主義の自由貿易体制では、各国の製造品は中国で作れるものはすべて淘汰される。その規制を極端に行っているのが現在のトランプ。敵味方見境なしに関税爆弾を絨毯攻撃し続けている。その反動は米国自爆の1丁目1番地だ。
いくら物価が上がっても何一つ不満を言わぬ日本人と違い、米国人はデモや集会・果ては暴動と直接的に表現する。国政選挙も2年に1回行われ、自己表現しやすくなっている。


スクロール→

全国のインフレ推移/総務省

 

総合

食料品

電気代

食料品

ウチ生鮮

生鮮米

生鮮外

25/1.

3.4%

7.7%

23.8%

72.8%

4.7%

17.5%

25/2.

2.8%

7.1%

18.4%

79.4%

5.0%

9.0%

25/3.

2.9%

6.7%

12.9%

92.4%

5.6%

8.5%

25/4.

3.4%

6.0%

3.9%

93.1%

6.4%

13.1%

25/5.

3.4%

5.8%

0.0%

93.2%

6.9%

10.8%

25/6.

3.1%

6.4%

2.1%

89.2%

7.2%

5.3%

25/7(東京.

3.1%

6.9%

4.4%

81.2%

7.4%

5.5%

25/7月分は東京都区部の7月中旬調査分

・生鮮の米はコシヒカリ除くうるち米の価格

・生鮮外は加工食品など、多くが輸入食材を利用しており、メーカーは便乗して値上げを繰り返し、空前の利益を貪っている企業もある。

 

 

 


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