アイコン 米金利を左右する雇用と物価 雇用推移と関税


米国はトランプ1政権の新コロナ対策により2020年末には景気回復に向かっていたが、2021年1月誕生したバイデン政権が1.9兆ドルの新コロナ経済対策を行ったことから同年秋にはインフレが発生、2022年2月にはインフレ率が7.9%に達していた。同年3月にはウクライナ侵攻のロシア制裁を行い、原油価格が暴騰、多くの資源株や小麦、肥料価格など同年7月にかけ歯止めがかからない状態となった。8月には欧米日中などが協調して原油備蓄在庫を市場放出、以降原油価格は沈静化していった。

米国は自国のインフレ対策に2022年3月にそれまでの0.25%から0.5%に引き上げ、同月の露制裁に世界的物価上昇、6月には9.0%のインフレ率になり、物価を鎮静化させるため23年7月の5.5%まで計11回にわたり金利を上昇させた。5.5%という非常に高い金利を2024年9月まで続け、インフレを鎮静化させた。

物価が沈静化したため2024年9月に0.5%引き下げ5.0%に、 同年12月までに4.5%まで引き下げた。
2025年1月に入りアメリカ№1、偉大な米国の復活を扇動するトランプ政権が誕生、高い関税をかけ始めたことから、米金利を司るFRBは以降、輸入価格の上昇、物価上昇の懸念から、様子見に入った。

1月誕生したトランプ政権は2月から早速関税をかけはじめて輸入抑制策に入り、4月2日からは各国の輸入品に一律10%の関税をかけた。2月から別途関税のかけられた中国は報復に動き、4月12日までに145%に引き上げ、中国も報復として4月2日からのレアアースの輸出規制、4月12日から対米関税を125%に引き上げ対抗した。

 

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米国はレアアースに脆弱で、モーター類や半導体の生産に必須アイテムが枯渇、製造業が空中分解する恐れが生じ、中国に対してギブアップ、5月12日に中国側はレアアースの対米などへの輸出再開と報復した125%の金利を10%に引き下げ、米国側は対中関税145%から30%に引き下げ、AI半導体H20の輸出再開で暫定合意して今日に至っている。

ただ、鉄・アルミ製品・銅製品(電線など)に対して50%の関税、4月2日から自動車については25%に引き上げており、本流の相互関税も5月9日から実施するとしたものの、交渉期間を90日間新たに設定して発効延期、7月末までにさらに延期し、現在までに決定した国に対して8月8日から相互関税を発効させている。

トランプは医薬品に対しては1年後に150%、半導体に対しても100%以上の関税を課すとし、米国で必要な医薬品や半導体は米国内で造れ、さもなくば、関税をかけるとしている。
米国は、医薬品はインド、中国・韓国が米などの医薬品メーカーから、原薬や製剤を受託生産させたり購入したりして輸入しており、米国で生産することになければ、米国内のコスト高で製品価格が高騰すること必至になっている。
自動車はすでに引き上げ前に緊急輸入して在庫していた車両の販売が終了、6月から一部、7月からは本格的に販売価格が上昇、また新モデルを投入し、価格上昇をカモフラージュして高く販売する作戦も多くなっている。日独に限らず、米自動車メーカーも海外から製品なり部品を大量に輸入しており、コストが大幅に上昇し、すでに4~6月期の決算を悪化させている。

そうした関税高に基づく、インフレ再燃問題にFRBは金利を下げることに躊躇しており、トセンプは関税の影響を好景気にして抑え込むため、金利を下げろ下げろとFRBに対し怒鳴り続けている。

米経済を雇用面から見ると今年に入り、新規雇用数は低下、失業者数は増加、求人数の減少など悪化が顕著になってきている。米国の製造業や流通業は、関税による下振れリスクを想定して、新規雇用を減らしており、失業者数の増加は人減らしも実施されていることを裏付けている。
相互関税が実施され、今後、本格的に物価への影響が出てくる。ただ、米国の最大の貿易相手国である中国に対しては、景気悪化を懸念して5月11日に145%を30%まで下げた暫定合意における本格交渉を先延ばししている。一方で、ブラジルに対してはトランプが個人的な好き嫌いから50%に引き上げ、インドに対してもロシア制裁の2次制裁を新たに設け、ロシアから原油や兵器を購入しているとして50%の関税を8月6日に発効させた。

こうした高い金利に、医薬品などインドから輸入せざる得なく、米経済は打撃を被る。ブラジルからは珈琲豆の1/3を輸入しており、米最大の飲料物、輸入量が大きく、代賛できる珈琲豆生産国はなく、国民は珈琲価格の高騰にトランプ政権を批判してくる可能性が高くなってくる。来年11月には中間選挙が戸変えている。
またブラジルは米国にとつて珍しく貿易黒字国、ルラ大統領は米国に対して報復関税を宣言しており、ブラジルでは米産牛の輸入が、ウルグアイや豪州産牛に置き換わる可能性も高くなっている。米国は昨年から鳥インフルエンザにより打撃を受け、ブラジルから緊急輸入していたが、今後、そうした緊急輸入が実現するかは、感情的な対立から不明なところも大きくなっている。
米国では貧富の差が拡大し続け物価は高騰により、4割以下の低所得国民は日常的には牛肉を食べられなくなっており、代賛として鶏肉が主流を占めてきている。その鶏肉にも今後、鳥インフル事態が発生すれば、低所得者層は食べられなくなる可能性も出で来る。

FRBは物価と雇用を金利政策の柱にしており、雇用面では金利引き下げが必要になる指数となってきているが、物価面では、4月発表していた相互関税率を交渉により引き下げるどころかカナダ(25%⇒35%)、ブラジル・インドに対しては50%という高率を課しており、すでに景気悪化、物価上昇という最悪のスタフグレーションの懸念が表面化してきており、トランプ政策は自国経済を、世界経済を破滅へ向かわせているような気もする。

雇用は昨年11月トランプの大統領選勝利に浮かれ、雇用が大幅に増加していた。1月に入りトランプはタリフマン(関税大統領)を標榜し、1月20日の大統領就任式以降、その動向に雇用も低迷してきている。今後、高関税により好影響を受ける数少ない業種は雇用は増加するだろうが、大半は直接・間接に関税の悪影響を受け、雇用減少か低迷する。米国GDPの7割近くを占める消費、その消費を関税高が直撃する。クレジットやローンの金利も高止まりしたままだ。


スクロール→

米国の雇用関係指数/千人 /米労働省版

 

非農新規

前年比

失業者数

前年比

求人数

 

 

雇用増数

前年比

24/1

73

-77.5%

6,120

7.0%

8,560

-18.5%

2

151

-39.6%

6,460

8.4%

8,210

-14.0%

3

169

252.1%

6,430

9.5%

7,990

-15.4%

4

129

-22.8%

6,490

13.7%

8,170

-22.9%

5

160

-3.6%

6,650

8.7%

7,710

-15.1%

6

66

-61.2%

6,810

13.5%

7,160

-19.6%

7

40

-63.6%

7,160

21.4%

8,190

-12.7%

8

33

-69.4%

7,120

12.3%

7,650

-17.5%

9

208

133.7%

6,830

7.6%

7,070

-23.7%

10

-1

-100.9%

6,970

8.2%

8,100

-10.9%

11

244

151.5%

7,120

13.7%

7,570

-7.2%

12

287

34.7%

6,890

9.0%

6,970

-12.9%

25/1

79

8.2%

6,850

11.9%

7,870

-8.1%

2

107

-29.1%

7,050

9.1%

7,330

-10.7%

3

114

-32.5%

7,080

10.1%

6,990

-12.5%

4

133

3.1%

7,170

10.5%

7,960

-2.6%

5

69

-56.9%

7,240

8.9%

7,459

-3.3%

6

3

-95.5%

7,015

3.0%

7,171

0.2%

7

83

107.5%

7,236

1.1%

 

 

 

 

 

[ 2025年8月12日 ]

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