アイコン FOI 集団訴訟に発展へ 相手は当然「東証」

IPO銘柄として、鳴り物入りで昨年11月上場したFOIは、内部告発から、証券取引等監視委員会の強制調査が入り、5月16日にはあっさり会社側が、売上高の架空計上による粉飾決算で上場したことを認め、21日には会社も自己破産してしまった。

11月20日:東証マザーズに上場
5月12日:同社に対して、粉飾決算の容疑で証券取引等監視委員会が強制捜査
5月16日:同社は粉飾報道を認めるリリース発表。
5月18日:同社株を東証は整理銘柄指定、6月19日上場廃止
5月21日:同社は東京地裁に破産申立て
5月18日の整理銘柄指定と6月19日上場廃止が明らかになり、取引金融機関が預金債権を凍結したことから事業継続困難となり、自己破産申請。

 

5月16日のリリース
報道の真偽について
当社は、東京証券取引所から「上場時に提出した有価証券届出書に売上高を過大に計
上するなどした虚偽の決算情報を記載し、粉飾額は100 億円規模に上がるとみられる」
との報道の真偽につきまして照会を受け、現在、開示注意銘柄に指定されております。
当社の平成21 年3 月期の財務諸表につきましては概ね上記報道の内容のとおりであり、
東京証券取引所への新規上場申請書類においても、虚偽の決算情報を記載し、上場申請
時に提出し、上場承認を得ました。

5月21日の破産管財人の松田弁護士見解
松田氏は「3月末時点の株主は約1万3000人、損害賠償請求額は最大200億円になる可能性がある」と発言。

FOIについては以上の経過である。

200億円の損害の責任は
東証は、上場申請企業の上場を認める最大のポイントは財務諸表であり、内部牽制制度などは附帯事項からして、その基盤となる09年3月期の決算が粉飾であったことをFOIが認めている限り、上場をさせた東証にその責任はある。
何故なら上場申請書を作成するのはFOIであり、その真偽につき、桜友共同監査法人が監査していたとしても、あくまで東証は、その責任において再度審査するからである。
東証による上場審査において、東証から会社や監査法人は何回も呼び出され、微々細々に至る審査を受ける。そうした一連の審査を受け、初めて上場できることからして、粉飾を見抜けず、上場させた東証にその責任はある。
桜友共同監査法人の責任は、その性格からして別問題である。

類似性
2005年12月8日新規上場のジェイコムが上場した際、みずほ証券が「61万円1株売り」とすべき注文を「1円61万株売り」と誤ってコンピュータに入力して発注した。その結果生じた損害額は407億円と裁判で明らかにされている。
みずほ証券の東証に対する訴訟は、誤発注が判明して、即注文取消しを東証側に電話で伝えても、「注文取消しの指示」が仕様通り受け付けられず、その後も取引が続き、損害が拡大した。東証が即座に、売買の一時停止をしなかった。ありえない売り注文に対して、その注文を受け付けるシステムそのものが問題であるとしている。その結果東京地裁は東証に対して、松井裁判長は売買の一時停止を行わなかった2005年12月8日の9時35分00秒以降に発生した損失150億1732万6441円についてのみ過失相殺を適用して、東証が107億円をみずほ証券に支払う判決を出した。みずほ証券は、システムそのものに問題があるとして、損害額407億円全額を要求して地裁判決を控訴している。

当裁判は、システムの問題として取り沙汰されている。ジェイコムの上場初日であり、儲かった人たちが殆どであったことから、一般の株主の損害は殆どなかった。しかしFOIについては、5月12日の証券取引等監視委員会の強制捜査により、表面化したものであり、それまで東証お墨付きの開示情報に基づき売買されており、強制捜査・破綻で一般株主に損害を生じさせた責任につき、その審査責任が東証に問われているのである。

東証側はFOIについて、監査法人の監査証明もあり、東証では形式的に審査を行っているだけであり、その責任はないと答弁しようが、東証の審査基準は厳しく、その責任があるのは明らかである。山一證券・カネボウの粉飾事件で日本最大の中央監査法人が、その後解体させられたように、監査法人の監査は100%信用できるものではないことは、その後も含め山ほどある。東証が、FOIでは桜友共同監査法人の監査を100%信用したというのでは、東証の独立性からしても、おかしな話となる。
FOIでは、2010年5月12日以降に損害を出した株主に対して、100%東証は責任を負うべきである。

JC-NETでは、その間東証に電話して、「FOIの会社に12日以降、何回電話しても、代表電話に誰も出てこず、実質破綻しているのではないか」と問い合わせしたが、審査部は、全く受け付けなかった。
取引先に連絡して判明したことは、FOI全社員には、経営側により12日以降自宅待機措置が取られているということが判明した。こうした経過は、当HPでその都度UPしている。
ジェイコムもFOIもみずほ証券、ジェイコム後、御祓いをしなかったのだろう。
 

[ 2010年6月11日 ]
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