アイコン 騙されたのか?/佐藤商事  ユニオン電子工業から17億円訴えられる

トラック、建機向け鋼材・非鉄・電子材料に展開する金属専門商社の佐藤商事。同社は通販用の圧力鍋も扱っているが、通販用商材で、実態のない取引に巻き込まれたようである。しかしあちこちから請求を受けている。その実態は・・・。

佐藤商事はこれまで次のように発表してきている。
  (1)平成22年3月30日付、実態の伴わない売上高及び売掛金判明
① 当該取引のうち現時点未回収の売掛金額 853 百万円
② 当該取引における売上高の金額第2 四半期会計期間(7~9) 95 百万円
③    仝       第3 四半期会計期間(10~12月) 2,502 百万円
(2)平成22年5月12日付、営業部で2種類の実態の伴わない取引判明
社内調査の結果、当該取引における商品の荷動きは全て実在性がないものと判断し、取引全てを訂正処理することにした。その結果未回収債権とされていた853 百万円については実質損害見込額が710 百万円となり、その全額を貸倒引当金繰入額として特別損失に計上。これによる影響額は、売上高2,597 百万円の減、営業損失137 百万円の増、経常損失137 百万円の増、当期純損失792 百万円の増。
(3)平成22年8月24日付、17億円の支払請求訴訟受ける
①訴訟を起こしたもの:ユニオン電子工業㈱
②訴訟の提起日: 平成22 年8月11 日
③訴訟内容:売掛金等 金17億0791万7,300 円の支払請求訴訟
④訴訟の提起があった裁判所 : 東京地方裁判所
同社は、当訴訟について、全面的に争うとしている。
同社は、「本訴訟は、ユニオン電子工業㈱が、当社が認識していない取引について、取引があったものとして提起したものであります。しかし、当社としては、同社の主張が全く根拠のないものとして全面的に争ってまいります。同社は、平成22 年5月12 日付けで開示いたしました社内調査委員会の調査結果のうち、『入金先行取引』を行った仕入先の1社であります。同会社を仕入先とする取引については、㈱ジェイエースより入金を受けた後に、同会社へ支払いを行いました。しかし、その後の社内調査委員会の調査結果によって、商品の荷動きを確認できない実態の無い取引であったことが判明し、当該仕入および売上を取り消しております。ワヨー㈱からも、売買代金等支払請求を受けておりますが、それについても当社は全く支払義務がないので、全面的に争っております。」としている。
 
 
物の流れ(※実際は流れていなかった)
中国の製造会社⇒  発注元㈱ジェイエース中国子会社⇒・・ 発注元 ㈱ジェイエース
 
本来の請求伝票の流れ(発注元指定でワヨーとユニオンが入った約束)
中国の製造会社⇒ 発注元㈱ジェイエースの中国子会社⇒ 発注元指定のワヨー OR ユニオン電子工業⇒ 佐藤商事 ⇒ 発注元 ㈱ジェイエース 
★但し、ワヨーはアレンジャーを佐藤商事としている
 
代金の流れ(お金は流れていた)
① <これまで入金先行取引>発注元 ㈱ジェイエース⇒支払 佐藤商事⇒支払 
発注元指定のワヨー OR ユニオン電子工業 ⇒支払 発注元の中国子会社
 
② <問題の売掛取引>発注元 ㈱ジェイエース ←請求 佐藤商事(輸入信用状発行=支払) ⇒ 発注元の中国子会社
     ・・発注元の㈱ジェイエースに対し売掛金滞留発生
      
ユニオン電子工業より先に、ワヨーは佐藤商事に対して533百万円の請求訴訟を起こしている。
このワヨーからの請求訴訟を受け、佐藤商事はビックラこいて、3月26日調査委員会を発足させたものと思われる。
 
コメント:②の売掛取引となり、佐藤商事も、ワヨーも ユニオンも犠牲者か?
㈱ジェイエース中国子会社の荷に対して、佐藤商事が輸入信用状を発行して、決済され
ていたら、対象物の荷は必ず日本に輸入されており、発注元の㈱ジェイエースに到着しているはずである。それで佐藤商事も㈱ジェイエースに対して請求していたと思われるが、払ってもらえず、不良債権として引当処理したのか。しかし、佐藤商事は、物は動いていないと表明しており疑問が残る。
 
何故佐藤商事は、㈱ジェイエースに対して訴訟を起こすとしながらまだ起こさないのか、解せないところがある。
 
ワヨー関係者によると、「発注元の㈱ジェイエースと佐藤商事が、それまで取引をして、その途中から中に入った。トータルのアレンジャーは商社である佐藤商事と思っている。 
その時決定した仕事の流れで、今までやって来ており、その流れを変えられたと佐藤商事は主張しているが、当社としては、流れは一切変わったという認識はしておらず、何の変更の連絡もなく、今までのようにしてきた。」とし、請求訴訟を佐藤商事に対して起こしている。
 
ユニオン電子工業・ジェイエースは担当者不在として、連絡を待つが電話かからず、ここまでの記載とする。
 
佐藤商事の業績

連結/百万円
2008年3月期
2009年3月期
2010年3月期
売上高
168,923
166,128
120,790
営業利益
3,400
2,546
-265
経常利益
3,558
2,699
-126
当期利益
1,978
997
-740
総資産
88,707
86,607
82,095
自己資本
26,682
24,927
23,714
資本金
1,319
1,319
1,319
有利子負債
13,839
30,232
24,028
自己資本比率
30.10%
28.80%
28.90%

 
 
[ 2010年8月28日 ]
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