アイコン 生コン35%値上がり 大震災の復興事業大幅遅れも まだ何もかも値上がり中 

被災地 建材需要と供給のバランスで価格は構成されるが、建設事業にとって必須アイテムの生コンは生鮮品、90分で賞味期限は切れる。そうしたことから、生コンの値上がりは受注工事業者にとって労務費の高騰とともに致命的なものとなっている。
元々 被害地域は人口減少が続く東北地、これまでの需要から多大な投資を要する生コン業者は限られていた。そこに降って涌いた復興需要では当然、需要と供給のバ ランスは崩れ、受注工事業者は予定期日どおりに完成させなければ、違約金支払や指名停止になるおそれもある。そのため、価格は高騰する一方だ。復興需要が 5年あるのか10年あるのか不明であるが、生コン製造キルンを建設するにも投資回収に危険が伴うことから、既存の業者は新規投資に否定的である。

バブル時代に多くの製造設備が新設され、これまで多くの製造設備を廃棄してきた経緯もある。地域には生コン組合があり、官庁設計単価や大手ゼネコンに抗して、価格暴落を押さえ込んできたところもある。

<赤字続出の大手ゼネコン第3四半期>
しかし、大手ゼネコンが受注増による売上高により、黒字拡大どころか赤字工事が続出している実態が第3四半期の業績発表で明らかとなっている。
こうした事態は全国に波及しており、官庁工事をこれまでに半減させてきた官庁に、適正価格の指導などできるはずもなく、官庁の設計単価段階で労務費などが落とされ続け、職人が大幅に減少してきた経緯がある。

復興に伴う官庁工事の大増加により、全国で職人不足に陥り、職人の需要と供給のバランスから単に労務費が極端に値上がりしているに過ぎない。
こうしたことから赤字工事受注を忌避する建設業者が続出しているのが、東北3県や全国の実態である。仕方あるまい。
官庁は工事予算額を大幅に改善することしかない。ただ、こうした予算増額は、利回りで建築される民間の建設投資には、景気でも大幅に改善され、家賃料が大幅に上昇しない限り、大きな打撃となる。分譲マンションでも然りだ。
 こうした建設材料の値上がり、職人不足に当然ながら、復興工事の大幅遅れが懸念されている。

今月の変動状況『建設物価(Web建設物価)』平成25年3月号(速報値)
- 被災3県(岩手県・宮城県・福島県)の地場資材 -
生コンクリート
変動地区
・岩手県:花巻、北上、一関A、一関B、八幡平B、奥州、岩泉
(モルタル含む)
・宮城県:石巻A、石巻B、気仙沼、松島、南三陸
 
・福島県:変動なし
 
変動内容
・花巻、北上、一関A:100(円/m3)、一関B:200(円/m3)、
 
 奥州:400(円/m3)、岩泉:450~1,800(円/m3)の上伸
 
・八幡平B:0~500(円/m3)の下落
 
・石巻A、石巻B、松島:500(円/m3)、
 
 気仙沼、南三陸:400(円/m3)の上伸
アスファルト混合物
変動地区
・岩手県:変動なし
 
・宮城県:仙台、石巻A、石巻B、気仙沼、白石、
 
     登米、栗原、大崎、七ヶ宿、大河原、亘理、
 
     松島、大和、南三陸
 
・福島県:変動なし
 
変動内容
・仙台、石巻A、石巻B、気仙沼、白石、登米、栗原、
 
 大崎、七ヶ宿、大河原、亘理、松島、大和、南三陸
 
 :300(円/t)の上伸
 
 
粒度調整砕石(M40)
変動地区
・岩手県:大船渡、釜石
 
・宮城県:白石、七ヶ宿、大河原、亘理
 
・福島県:福島
 
変動内容
・大船渡、釜石:200(円/m3)の上伸
 
・白石、七ヶ宿、大河原、亘理:200(円/m3)の上伸
 
・福島:100(円/m3)の上伸
再生砕石(RC40)
変動地区
・岩手県:変動なし
 
・宮城県:白石、大河原、亘理
 
・福島県:変動なし
 
変動内容
・白石、大河原、亘理:150(円/m3)の上伸

 

[ 2013年2月20日 ]
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