アイコン 岩手県北上山地のILC候補地を海外研究者視察 九州と誘致合戦 国際リニアコライダー

<北上山地への誘致>東北大学+地元
0610_01.jpg6月9日、世界最先端の実験施設、ILC=国際リニアコライダーの建設を、岩手県が誘致を進めている北上山地に決まった場合、どのような研究生活が送れるのか見てもらおうと、海外の研究者に岩手県一関市の候補地を訪れてもらう催しが行われた。
これは東北大学が企画したもので、8日まで行われていた素粒子研究の国際会議に参加していた物理学の研究者たち21人が、ILCの候補地になっている一関市東山町を訪れた。

参加者たちは、東北大学の担当者から北上山地の地形やその地質が施設の建設に適していることなどの説明を受けていたという。以上、参照:NHK

国への働きかけも、東北市長会の奥山恵美子会長(仙台市長)らが6月4日、文科省を訪れ、丹羽秀樹政務官に岩手県北上山地への誘致を求めている。

<九州背振山系への誘致>九州大学+佐賀大学+地元
九州大学は、昨年5月、国際リニアコライダー(ILC)の測定器グループILD の国際会合「ILD Workshop 2012」を開催、関係者を予定地へ案内するなど、佐賀大学とともに、それまで先行していた東北からの巻き返しを図っている。
佐賀の古川知事は今年5月、わざわざスイスまで行き、欧州合同原子核研究機関(CERN)のロルフ・ホイヤー所長と面談、ILC誘致をアピールした。
福岡や佐賀県はILC誘致に向け、地元選出の国会議員も文科省に対して積極的に動かしている。

<ILC誘致の経済効果>九州大学経済学研究院・髙田仁准教授談
ILCは建設期間で大体、10年弱、8年ぐらいはかかり、その間のトータルの経済波及効果が約1兆1000億円。そのうち、地元に波及するのは約3400億円。
稼動期間中は、1年あたり日本国内で約600数十億円。そのうちの地元へは460~490億円。500億円ぐらいの経済波及効果があると算出されている。
また、間接的な経済効果としては、完成後、外国人研究者とその家族など約5000人が、施設の周辺に住むことが予想される。としている。
(膨大な加速器等研究機器のほか、70キロともいわれる直線の研究用トンネルが必要となる)

しかし、まだ日本に決定したわけではなく、7月にILC関係の物理学研究者たちによって設置国も場所も決定する予定だという。
ただ、設置には膨大な資金を要し、誘致国がどれほど出資するかにかかっているが、欧州諸国は経済沈没、英米は研究開発予算をすでに削減しており、日本の優位性は変わらないとされている。
ただ、ILCについては日本では、まだ国家プロジェクトに指定されていない。資金の捻出面からすれば、東北復興支援事業とし、北上山地が優位となるかもしれない。
国の省庁は、これまで復興財源の多くを復興にまったく関係ないところに使用しており、もしもILCが日本で決定しても、省庁に予算管理はさせられず、国家プロジェクトとして扱うべきだろう。
復興資金を省庁に握らせたことから、その資金を山口県のゆるキャラキャンペーン費用に使用させるなどロクなことに使用していない。これでは1000兆円あっても足りない。

<ILCの概要>
1、ILCは、史上最大で最高エネルギーの電子・陽電子を衝突させる次世代加速器。
1、全長約30km(将来計画は50km)を超える地下の直線トンネル内に、精密な高真空ビームパイプを設置。
1、ビームパイプの一方から電子、もう一方から陽電子ビームを入射し、ほぼ光速まで加速して、中央部で正面衝突させ、ビックバン直後と同じ高エネルギー状態を実現。
1、この瞬間発生する素粒子を測定・解析し、謎に包まれている宇宙の起源の解明に挑戦する。
1、万物の質量の起源とされる「ヒッグス粒子」や「超対称性粒子」などの未知の粒子の解明が最初の目的である。
1、現在、世界中の300あまりの研究機関が関与して、加速器設計・開発に約700名、測定器の設計・開発に約900名の研究者・技術者・大学院生等が関わっている。

 

[ 2013年6月10日 ]
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