アイコン 不正でもなればジョコウィ氏勝利/大詰めのインドネシア大統領選挙

7月9日行われた大統領選挙は、開票集計が最後の正念場。僅差でジョコウィ氏勝利の速報が大方だが、プラボウォ氏はメディアを駆使して必死の粘りを見せている。
22日発表予定の開票結果はまだ宙に浮いており、焦点は公正な集計をできるかに絞られている。インドネシアの民主主義が試練にさらされてもいる。
総選挙委員会(KPU)は、集計を村レベルから郡、町、県市、州、全国と上り、22日に公式結果を発表する。

<不正選挙が日常化>
東西5千キロ、1万7千島の島しょ国には、監視の目が届かないところがある。「ある程度の不正は織り込んでいる」のが実情だ。「集計での不正は頻発している。投票結果をゆがませられることは常識」(元KPU関係者)「一部の地域では、有力者が開票結果を自由に操作できる」(政党関係者)。地方首長選ではしばしば集計での不正疑惑が浮上し、暴動につながっている。
日刊紙コンパスは11日付で、一般的な集計不正15点を列挙し、特に頻発する村、郡、町レベル(10~15日の6日間)が正念場と報じた。

<まだまだ左右するTV局>集計の不正誘引報道続く
イダKPU委員は「選挙で不正をはたらいた者すべてに法は執行されるべきだ」と警鐘を鳴らした。
 ジョコウィ氏は勝利を「事実」に落ち着けたい。陣営のメトロTVは10日夜、ジョコウィ氏が将来の国家像を語り、その後有識者が「新政権」をめぐって議論する番組を放送。選対草の根組織は村レベルでの手作業の開票集計を監視する。
ジョコウィ氏は10日「どちらの陣営も集計に介入しないよう望む」。さらに選対は独自集計の「リアルカウント」を作成し、ジャカルタ支部は「ジョコウィ氏は53%を得てジャカルタで勝利した」と主張。結果の改ざんを警戒している。

 これに対し、有利な形勢を創り出せるインフラを握るプラボウォ氏は、独自の調査結果を、実質プラボウォ氏傘下のテレビ5局で放映し続けている。(3局を持つ実業家ハリー氏、2局を持つバクリー・ゴルカル党首がプラボウォ陣営に入っている)
当5局を見ている限りでは同氏が勝ったふうだ。プラボウォ氏は「(イスラエルの空爆を受ける)パレスチナに対し10億ルピア(約1000万円)を供与する」と表明。大統領職への強い意志をにじませる。

<世論・選挙調査機関>
ジョコウィ氏勝利を伝える主要8調査機関に対して、小粒な4調査機関は、プラボウォ氏勝利と伝えた。だが、この4機関には疑問符がつく。特に(小粒な)LSNの調査は、独自の曲線を描いてきた。LSNは6月上旬7.5%、同下旬6.7%プラボウォ氏リードと描いた。この時期、他の調査はリードするジョコウィ氏を、プラボウォ氏が猛追する構図で一致していた。 
(小粒な)JSIは、総選挙まで闘争民主党(PDIP)の内部世論調査を請けていたが、調査結果と開票結果に大きな差が生じ作戦ミスを誘発したため、契約を切られたとの憶測も飛び交う。
国立インドネシア科学院(LIPI)の政治学者ヌサ・バクティ氏は「すべての調査機関は開票調査の対象にした投票所、データなどを公表すべきだ」と要求したが、4機関は歯切れの悪い答えだけだったという。
以上、ジャカルタ新聞参照

大統領選挙の政党の色分け

闘争民主党(PDI-P)
ジョコウィ氏(前ジャカルタ特別州知事)
独立の父、スカルノ元大統領の娘のメガワティ女史を党首としていた。リベラル・中道左派
国民覚醒党(PKB)
イスラム政党の開発統一党から離脱したNU系のイスラム政党(NUは4,000万人、スンニ派の伝統主義を重んじ、農村や辺境諸島地域に支持基盤。)
国民民主党(PNI)
 
ハヌラ党
 
グリンドラ党
党首はプラポウォ氏、
義父は独裁者スハルト、イスラム国家主義者として独裁を支えたパンチャシラ教育を再志向する。所得の農民への再配分。
ゴルカル党
スハルト独裁政権を支えた翼賛政党、軍主導の職能集団党
国民信託党(PAN)
ムハマディア1800万人を支持基盤とするイスラム政党
福祉正義党(PKS)
都市イスラム層を基盤とし「清潔な政府」樹立を掲げる党。
開発統一党
スハルト独裁政権下で統合されたイスラム政党
民主党(PD)         現在の政権党
メガワティ政権下で政治・治安調整相で清廉な印象のユドヨノ氏(元陸軍大将)の新党。前回の大統領選では前評判で圧倒したメガワティ元大統領を負かし大統領となった。
不正で今回は候補者を立てず、両陣営にも属さず自由投票。
 
 
[ 2014年7月14日 ]
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