アイコン 韓国造船大手3社1月の受注0 世界で16隻 日本も他人事ではない造船業界

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韓国経済をこれまでリードしてきた造船業界、欧州経済の低迷に加え中国経済の変調、原油価格の暴落により、海運業界の船舶発注量は大幅に減少している。

韓国造船大手の現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業の3社が1月に船舶を1隻も受注できなかったことが2日までに分かったと報道されている。
大手3社がいずれも月間受注ゼロとなるのは初めて。
問題は世界的な景気低迷に加え、国際海事機関(IMO)による環境規制強化の影響など今後の見通しも暗い点が指摘されている。

 3社は昨年1月には超大型タンカーや液化天然ガス(LNG)タンカーなど18億ドル相当を受注していた。
韓進重工業、SPP造船など中堅造船会社の多くも1月の新規受注はゼロだったもよう。中国と日本も事情は似ている。
中国造船業界は1月、コンテナ船など10隻余りを受注したが、大半は自国の船会社が発注したものだった。日本の造船業界はパルプ運搬船1隻の受注があっただけ。

韓中日3ヶ国の造船業界が同時に受注不振に陥っているのは、世界的に新規発注が途絶えたため。

<1月の世界の商船発注16隻にとどまる>
海運業界専門の調査会社、クラックソによると、1月の全世界の商船発注量は16隻で、昨年1月(137隻)の12%にすぎなかった。
業界関係者は、毎年1月と8月が非需要期だが、今年は世界的な景気低迷の影響で発注企業に模様眺めの姿勢がひときわ目立つとしている。
 
世界海運最大手のマースクは、昨年下半期以降の船舶発注をキャンセル。それ以降、他の船会社も新規発注を極力抑えている。
原油安の影響でLNGタンカーやエコシップの発注も極めて少ない。昨年は船舶を繰り上げ発注していた中小海運会社による発注もほとんど途絶えた。
 
韓国輸出入銀行は、世界海運業界の極度の低迷で新規発注要因がなくなり、今年は造船業界全体が最悪の一年を送る可能性が高い。こうした状況で韓国の造船各社は成長よりも生存を重視せざるを得ないと指摘しているほど。

韓国紙は「韓国造船会社、受注残高で世界市場を席巻」と自慢し喜ぶが・・・

昨年10月、韓国造船会社は合計で8兆ウォン台の赤字を出しているが、船舶受注残高部門では世界1~5位を占めていることが分かったと報道していた。
英クラークソン・リサーチによると、2015年9月末の受注残高は
1位、大宇造船海洋玉浦(オクポ)造船所は850万CGT(標準貨物船換算トン数)・131隻で世界1位を占めた。
大宇造船は15年4~6月期に約3兆ウォン(約3200億円)の巨額赤字を露呈している。
2位、現代重工業蔚山(ウルサン)造船所の513万CGT・105隻。
3位、サムスン重工業巨済(コジェ)造船所(501万CGT・88隻)、
4位、現代三湖(サムホ)重工業(399万CGT・90隻)、
5位、現代尾浦造船(289万CGT・129隻)
6位、中国の滬東中華が受注残高238万CGT・55隻、
7位、中国の上海外高橋(229万CGT・66隻)、
8位、中国の江蘇ニューYZJ(218万CGT・88隻)
などが続いている。

後先考えず安値合戦で受注しても仕方ない。
中国は国家戦略に基づき受注しており、民間企業の韓国勢は、コストが異なる中国と戦っても一部の高性能船を除き勝ち目はない。韓国の場合、海運業界からの受注も、これまでに韓国造船業界が巨大になりすぎ腹を満たすには多くを望めない。隣国日本の三井商船が、昨年のように韓国の造船会社にわざわざ大量に巨大コンテナ船を発注すれば別だが・・・。

なお、2015年の船舶発注量は、韓国輸出入銀行海外経済研究所の調査によると、昨年の全世界の船舶の新規発注量は2014年比▲24.1%減の3,377万CGT(標準貨物船換算トン数)、新規発注額は同比▲38.9%減の690億3000万ドルと大幅に減少している。
 特にバルク船(ばら積み貨物船)、中型タンカー、中型コンテナ船という主要3船種の発注量は隻数ベースで▲45.5%減少している。

 

[ 2016年2月 4日 ]
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