アイコン 原油37ドル台まで急伸 中国全人大 毎年2兆元(34兆円)投資と

スポンサード リンク
 

7日の市場は、全人代で李首相が経済発展を最優先課題とし、交通網のインフラ整備に毎年2兆元(約34兆円)超を投じると表明したことを受け、日本や中国の建機メーカーの株価が上昇した。

これまでに、中国では抜本的な構造改革や景気刺激策が必要だとして、大規模公共投資が行われると算段し、すでに原油や資源価格は底を打ち、値を上げてきている。

中国の青島に荷揚げされる鉄鉱石(鉄分62%)の価格は7日、なんと19%上昇の1ドライトン=63.74ドルとなった。メタル・ブレティンによれば、これは1日の上げとしては2009年以来の大きさだという。
ただ、7日の日本株は利食い売りに押され下げ、肝心の上海は0.85%の上昇にとどまり、英国もドイツも下げている。米国市場は資源高に資源株が上昇しプラスとなった。

期待と思惑先行型の証券市場であり、今後の相場は、中国経済の指標が好転するかどうかにかかっているともいえる。
原油価格は2月11日、26ドル台のW底(WTI)を打ち上昇に転じ、3月7日には37ドル台(高値は前日比1.7ドル高の37.66ドル)まで買われている。実に2月の底から37%超も値上がりしていることになる。
先行き、原油のニーズは需要増の冬場も終わりを告げ、欧州最大の取引量を誇るロッテルダムの港湾では50隻のタンカーが入港待ちの状況などから、これ以上価格を押し上げるには、OPECなどの原油産油国の生産調整しかないと見られる。そうした中、中国は・・・

<中国の原油生産の動き>
中国最大の石油・ガス会社である中国石油天然ガス集団(CNPC)は7日、今年の設備投資額を2割以上の▲23%も削減すると発表した。エネルギー市況低迷の中で利益確保を目指し、今年の国内原油生産量の目標は前年比▲2.9%減の1億800万トンとしている。
 中国はこの間も原油輸入量を増加させ続け、経済低迷で余剰となった石油化学製品を大量に輸出して、各国で価格破壊を行っている。しかし、利益は取れず、生産コストも高いウイグル地区でのシェールオイル・ガスも多くなってきており、コスト高から自国生産量を調整するようだ。
 こうしたことも、7日のWTI価格の急騰を支援したものと見られる。

ただ、40ドルを超えた場合、即、アメリカのシェールオイル軍団が大増産してくるものと見られ、イラン原油の輸出量拡大もあり、需給関係からしても、そしてサウジの市場戦略(シェールオイル軍団の壊滅)からしても、近々40ドルを大きく超えてくることは、現状の世界経済の状況からしてはないと見られる。

アメリカのシェールオイルは輸出されておらず、政策的に生産調整することはない。市場価格のみが生産調整弁となっている。シェールオイルの生産コストは最低でも40ドル前後とされている。すでに生産効率の悪いリグは多く(全体のリグ数の半数以上)が生産を停止している。
カナダのオイルサンド(重質油)は精製コストが高く露天掘りで40ドル超、掘削採取は55ドル以上とされている。

<WTI>1週間の値動き
0308_05.jpg


 

[ 2016年3月 8日 ]
スポンサード リンク
 

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 


PICK UP


PICK UP - 倒産

↑トップへ