アイコン 韓国経済 高齢者の生活 貧困率・破産・自殺 

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ソウル市の65歳以上の高齢者のうち、約4割が働いており、自営業者ではない賃金労働者は1日13時間働いて月に123万ウォン(現在のレートで約11万9000円)稼いでいることが分かったと韓国紙が(2016年)3月26日報道している。

<先取り? 5千万人総活躍>
ソウル研究院が先週発表した『働くソウルの高齢者の特性と政策方向』によると、2015年基準で、ソウル市の高齢者人口は124万人、うち46万人(38%)が仕事に従事していると推定されるという。
これは、韓国全体で見た高齢者雇用率(27%)(2014年)より大幅に高い数値とされる。

<急増する破産>
一方、ソウル中央地裁が、破産宣告を受けた人の年齢分布では、今年1~2月に破産宣告を受けた1727人のうち、60代以上の高齢者が428人、率にすると24.8%に達している。
悠々自適の老後を過ごすはずだった人たちが、借金の返済能力がないいわゆる「老後破産」に追い込まれている実態が明らかになった。
韓国における65歳以上の高齢者の貧困率は49.6%で、これは経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で第1位。
また別の統計によると、60歳以上の5世帯に1世帯が、ここ3年の間に貧困状態に陥ったというデータもある。
老後に向けて貯蓄などの備えをしておくべき40~50代の時に、子供の教育費や結婚費用などを負担せざるを得ず、最終的に蓄えがないまま老後を迎えてしまうケースが非常に多いことがわかる。

<高い自殺率>
経済面での貧困は、高齢者の自殺率にも表れている。韓国における高齢者自殺率は10万人あたり55.5人で、これもOECD加盟国の中では圧倒的第1位。

<克服するための課題>
老後破産や自殺を防ぐには、まず高齢者のための公的年金制度の拡充が必要。それには、国民年金の加入条件を今よりも緩和し、専業主婦や非正規職、日雇い労働者など、年金の恩恵が受けられない人たちも年金が受給できるようにしなければならない。
現時点でわずか1%しか利用していない住宅年金(住宅を担保とする年金)の加入対象も広げるべきだろう。
高齢者福祉については、ただ支援するというやり方ではなく、実際に生活を営むことができない低所得層にまずは目を向けるといった政策の転換も必要。
保険社会研究院によると、高齢者のうち所得者が下位20~30%は、絶対貧困状態に置かれているという。
現在、高齢者の70%に毎月10~20万ウォン(約9600~1万9200円)が基礎年金から一括支給されているが、その対象者を少しずつ狭める一方で、支給額を最低生活費の月64万ウォン(約6万2000円)に近い水準にまで引き上げることも検討すべきだろう。
以上、

<日本は・・・>
日本もこうした時代が現実のものとなってきている。アメリカ新自由主義至上主義の導入による非正規雇用者の乱造で、蓄えどころか生活するのがやっとという人たちが多くなってきている。その結果、結婚しない人たちが増加、少子化の最大の原因ともなっている。そうした非正規乱造層が、今や40歳代・50歳代に至り、10年・20年後には高齢者世代に突入、高齢者貧困問題が噴出してくるものなってくる。当然、こうした乱造された非正規雇用者の収入は少なく、その額に比例連動する年金・健康保険料などの社会保険料収入は少なくなり、一方で、少子化により高齢者の比重はますます高まっていく。

<20年・30年後の日本を描かない政治>
国家・政権が30年先・50年先のプランを描けず、目先の選挙受けする政策だけで政権を取り、30年後のプランなき政策を執行してきた結果でもある。
すでに、生活保護世帯は毎年毎年増加している現実と20年・30年後の日本を描き、政治は、手を打つ必要性に迫られているが、現世だけの行き当たりばったりの手法により、まったく20年・30年先は見えてこない。手っ取り早く、短絡的に税金を上げれば解決する問題ではない。
政治の世界も、企業や個人から寄付やパー券収入を得ながら、一方で、税金から巨額政党助成金を取得するなど、極まりない具の骨頂であろう。
日本では、政治に何が求められているのか、静観・熟慮すべきトキではなかろうか。

韓国と日本の人口推移
/万人
2010
2011
2012
2013
2014
2015
韓国
4,941
4,978
5,000
5,022
5,042
5,063
日本
12,805
12,790
12,761
12,734
12,706
12,673
 
<8年前の両国の人口構成>
すでに戦後、兵隊さんたちが帰還して頑張って子造りした子の団塊の世代は70歳前後になっている。8年前の韓国は朝鮮戦争などにより高齢者人口比率が少ない。
0327_04.jpg

 

日本の人口構成/2015年10月1日現在
 
構成
12,708
 
15歳未満
12.8%
1,627
 
15~65歳
61.2%
7,777
生産人口
65歳以上
26.0%
3,304
 
・総務省
 
韓国並みに高齢者の就業率を上げよう? ソウル市の65歳以上の高齢者の就業率38%、ほとんどが貧困のための就業。まさか中学生までの学徒就業動員。
総務省の資料では65歳~74歳を区切っており、人口構成比13.4%(1704万人)も社会のために活躍してもらう年齢層だと見ているようだ。早晩、年金も75歳以上しか受け取れない時代が来るかもしれない。拡大をし続けてきた公務員を尻目に(減ったとするデータは間違い、・・機構や法人・第3セクターなどを作り役所は本体から人数を切り離しただけ)。
あったら便利・過剰な異常なサービスを役所に当たり前に求め続ける国民にも責任がある。


 

[ 2016年3月27日 ]
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