中国の国家統計局によると、中国の主な７０都市で先月取り引きされた新築住宅の販売価格は、前月に比べ、上昇した都市の数が５８と前回３月の調査より４つ減った一方、前回はなかった横ばいが４に増え、下落した都市の数は前回と同じ８だった。
統計局データに基づくロイターの試算では、４月の中国主要７０都市の新築住宅価格は、平均で前月比０．７％上昇し、３月の０．６％から伸びが加速している。ただ、前年比では１０．７％上昇し、３月の１１．３％から伸びが鈍化している。
主な大都市の値動きは、これまで急騰していた北京や南部の広州で前回の調査より上昇率が縮小したほか、前回、値下がりに転じた上海では下落率がやや拡大した。

これは、大都市で住宅投資が過熱する中、主な市が、バブル抑制に向けた政府の指導に基づき、１世帯当たりが買える住宅の軒数を制限するといった販売抑制策を相次いで打ち出したことによるもので、国家統計局は「地域の現状に合わせた政策の効果が出ている」と説明している。
ただ、中国の専門家は「需要が抑えられる中でも、不動産投資のペースは減速しておらず、中国全体で問題になっている住宅の売れ残りが再び増えることも予想される」と指摘している。
相対的に規制の緩い中小都市で不動産価格の値上がりが続いている。
以上、ロイターなど参照

停滞している中国経済への影響が大きい不動産市場は、政策当局としても経済を牽引させるため拡大させる基調にあることだけは間違いないものの、過熱化だけは避けたい意向、今後の動向が注目される。
ただ、投機市場の証券市場は、証券バブル崩壊来停滞したままとなっており、投機資金が不動産市場に流れる傾向が続いている。
中央政府は４月、大都市の不動産価格の過熱化を避けるために、深セン、上海浦東に続く経済自由特区を河北省雄安新区（北京の南）に新設する発表したが、余計に不動産市場の過熱化を誘引させるものになっている。
投機資金はマカオのカジノへも流れ再び回復基調に至っている。ただ、停滞気味の経済成長をこれまで支えてきた裾野の広い自動車産業の景況は、これまで伸び続けてきたこともあり低調となっている。