アイコン New Balance 中国で偽物製造販売会社に勝訴 ニューバランス

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米スポーツ用品大手のニューバランス(New Balance)は、中国企業2社と1個人を相手取った商標侵害の訴訟で、勝訴した。地裁は被告に対して1000万元(約1億6500万円)の賠償金の支払いを命じた。中国で外資企業が勝訴するのは極めてまれ。

米トランプ政権はこのほど、中国による知的財産権侵害調査を始めると発表したばかり。
米紙ニューヨークタイムズによると、中国江蘇省の蘇州中級法院(地裁)は8月22日、2社の中国靴メーカーと1人の企業家に対して、ニューバランスの著作権を「共同で侵害した」として、損害賠償と他の訴訟費用をニューバランス側に支払うよう命じた。

裁判官は、被告らが生産する「New Boom」ブランドの靴のロゴなどは、ニューバランスの製品と酷似しているとし、「多くの消費者を惑わした」と指摘した。
ニューバランスの法務責任者は、賠償金額は外国企業として過去最高との認識を示した。

米企業の勝訴から、中国当局は今後、米国から制裁発動の可能性もある貿易調査決定との強硬姿勢に、譲歩する可能性がある。
米通商代表部(USTR)は8月18日、通商法301条に基づき中国での調査を始めると発表した。もし、中国の不当な貿易慣行があると証明された場合、米政府は中国製品に対して高率関税を科するほかに、輸入量の制限など独自の制裁措置を行うことができる。

ニューバランスは、1990年代に中国に進出。中国国内の深刻な模倣品問題で、一時中国市場から撤退した。2003年に再進出を果たし、中国で正規販売会社「新百倫貿易(中国)」を設立。それ以降も、ニューバランスは中国の靴メーカーとの間で商標侵害をめぐって、訴訟を繰り返されてきた。
以上、報道参照

<偽物天国>
中国の偽物市場は2種、会社名やロゴをブランドメーカーのそっくりさん製品を作り販売する偽物メーカー。もう一種は、完全コピー商品製造会社。
中国政府は、海外のブランドメーカーが、偽物だと中国の裁判所に訴えた場合、根拠があれば、それを認めるものの、その後、そのブランドメーカーに対しては、いろいろな制約を設け、中国市場から撤退させる動きをとる。そのため、調査し当局へ訴え出るものの、裁判にかけることは少ない。特に中国に進出している国際的メーカーのIT・電子製品市場ではそうした動きが顕著。

ただ、一般物品については、食材から家電・日用品・ファッションに至るまで偽物が氾濫し、摘発が追いつかず、また少人数しか検査員を配置せず、海外ブランド向けに摘発に動いているポーズのみ取っている。大々的に報道される摘発も日本のソープランドの手入れと同程度。中国政府にとって、偽物も莫大な輸出品として大きな大きな国益になっている。

ただ、こうした問題は、国内での食品の安全性問題が常に付きまとっており、中国で販売されているブランド品の食材を購入せず、海外やメーカーのネット直販から購入するケースも非常に多い。また、生鮮品に至っても養殖物や野菜などは、成長ホルモン剤(環境ホルモン剤)を多用、防虫剤、防腐剤の残留濃度など限りなくやばい商品が並ぶほど。
中国政府は、念仏は唱えるものの、守銭奴の偽物メーカーに対する緩い規制や緩い罰則制度こそが、偽物文化、安全性無視の文化を蔓延らせる原因となっている。

2017年4月23日、
中国メディアの楚天都市報が、湖北省にある偽ブランド靴工場が摘発されたと伝えた。
摘発されたのは、湖北省咸寧市嘉魚県にある工場で、ネット上で「純正品の代理販売」として、コンバースやVans等の偽ブランド靴を200〜300元(約3200〜4800円)で販売していたという。
この工場での靴製造コストは、わずか30元(約480円)ほどで、1日に最高で5000足を生産、毎日約2000足売れていた。
すでに84万足の違法な偽靴を確認しており、金額にすると2億元(約32億円)を超えるという。
製造販売していた偽ブランドは、コンバース、Vans、Kappa等9つの有名ブランドで、ラベルや商標も本物そっくりで、摘発した担当者もその完成度の高さに「なんてそっくりなんだ」と驚きの声を上げたという。

中国の販売店では、正規品は『企業製品』と呼ばれ、莆田(福建省中部に位置する地級市)などから仕入れたスーパーコピー品は『工場製品』と呼ばれているという。
スーパーコピー商品の製造基地の一つ莆田は、内陸部にあり、国の偽物摘発の専門官もメーカーの調査部隊も来ないという。地方の工商行政管理局はあまりにも町に偽物が氾濫しているため、管理する監督する気配すらないという。

2016年12月、
チリの税関でナイキやエアジョーダン、アディダスなどの偽ブランド靴が大量に押収された。その数は1万6454足で、これらの靴はすべて中国から輸送されてきたものだという。

2016年6月、
中国電子商取引(EC)最大手アリババ集団創業者の馬雲氏は6月14日、中国杭州市で開催された「2016アリババ集団投資家フォーラム」において、中国国内で作られた国際高級ブランド品の模倣品は「本物より良質で、値段も手ごろだ」と発言。
当発言につき、国際ブランドメーカーの各社がカンカンに怒った発言をしている。

2015年1月、
中国の国家工商行政管理総局(国家工商総局)が23日、昨年下半期のネット通販商品の調査結果を発表。
中国の電子商取引大手アリババグループ傘下のタオバオ(淘宝)の偽物率は約63%に上るという結果を発表した。登録者数5億人を有するタオバオは、サンプル50点のうち32点が偽物で、正規品率がわずか37%と最低だったと報告された。

2014年11月、
馬雲会長は、中国政府主催の世界インターネット大会に出席した際、タオバオの商品について「偽物は一切ない」と主張した。
以上、

スポーツシューズの偽物は、見分けが使いないシロモノでも、靴底と靴本体が経年劣化し剥離してしまうことが多い、これはソールの品質のほか、接着での高額な設備が必要なことから、偽物メーカーでは接着剤の品質問題と単なる圧着だけで製造されていることによるだとされている。ソールの品質では、靴底自体の品質が悪く早期にボロボロになるケースもある。
  正規のブランド品は、それなりに材料や製造にコストをかけ、品質管理にもコストをかけ生産されている。

中国には、台湾系の世界最大のOEMスポーツシューズメーカー裕元工業(従業員:42万人、広東省東莞市などに大規模工場)があり、アシックスも含むほとんどの海外ブランドメーカーのメイド・イン・チャイナ製スポーツシューズを生産、この裕元工業から世界へ出荷されている。

<↓ フィリピンで、1400円前後で販売されている中国製偽物ブランドシューズ>
フィリピンで、1400円前後で販売されている中国製偽物ブランドシューズ

[ 2017年8月28日 ]
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