アイコン みんクレ 破綻しかないのか 白石代表すでに去る

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(株)みんなのクレジットが、7月28日に償還予定だった案件の元本が連絡無しで償還延滞となっている。
同社は、投資家5000人から約40億円もの資金を集めたとされる事業資金を、貸し出すソーシャルレンディング事業で急成長させた。しかし今年3月、関東財務局から業務停止命令に受け、同社の実態が明らかにされ、今回、連絡無しの償還延滞を受け8月2日には、東京都からも業務停止命令を受けた。

同社の破綻は秒読みかもしれないが、償還金や利息を支払わなければ、手元資金は直接間接かなりあり、八丁堀投資のように自らは破綻させない可能性が高い。
債権者等第3者の申し立てによる破産は、その裁判所の審査に長時間を要し、その間、みんクレ側に、資産隠しなど貴重な時間を提供してしまうおそれがある。

刑事告発しても、警察や検察が動くには膨大な時間(8ヶ月~1年以上)がかかり、資金を保全させることは不可能。裁判費用等、盗人に追い銭状態になる可能性もある。
結局、債権者は泣き寝入りするしかない。
財務局も東京都も行政処分はできるが、これらの組織は(警察以外)司法権を持っていないところに問題があろう。
詐欺等犯罪目的の金融事件では、行政でもマスコミでも司法でも被害額を小さくすることはできるが、それ以上のことはできない。
債権者にとってお金が戻ってこなければ意味はなく、犯罪者が刑事判決を受けても自己満足するしかない。おまけに初犯の場合は、執行猶予まで付けちゃう裁判官も多い。

<関東財務局の処分詳細>
2017年3月30日、関東財務局は(株)みんなのクレジットについて、次のとおり、平成29年3月30日から同年4月29日まで業務停止と業務改善命令を発した。
 
1、株式会社みんなのクレジット(本店:東京都渋谷区、法人番号1010001168066、第二種金融商品取引業)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(2017年3月24日付)
 
 当社は、当社ウェブサイトを通じて、匿名組合(以下「ファンド」という。)の出資持分の取得勧誘を行い、その出資金により貸付事業を行っている。なお、平成28年11月末現在、償還期限が到来していないファンドは、56本、出資金約17億6000万円である。
 
 今回検査において、当社の業務運営の状況を検証したところ、以下の問題が認められた。
 
(1)金融商品取引契約の締結又は勧誘において重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
ア、 貸付先について誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
 当社は、2016年4月から、法人向けローンを出資対象事業とする「不動産ローンファンド」や「中小企業支援ローンファンド」等と称するファンドの出資持分の取得勧誘を行っている。
 
当社の貸付先は、そのほとんどが当社の親会社である株式会社甲(以下「甲」という。)及びその関係会社(当社、甲及びその関係会社を合わせて以下「甲グループ」という。)となっており、貸付先が甲グループに集中している状況となっている。
 
 当社は、貸付先の審査の段階から、甲グループへの貸付けを予定していたにもかかわらず、ウェブサイトにおいて、ファンドが複数の不動産事業会社等に対し貸付けを予定しているかのような表示をし、貸倒れリスクが分散されているかのような誤解を与える表示を行った上で、顧客に対し、出資持分の取得勧誘を行っていた。
 
 また、甲は、ファンドから借り入れた資金の返済について、不動産事業等による収益から返済する旨をウェブサイトに記載しているが、実際には、下記(2)アのとおり、他の償還期限が到来していないファンドの資金を充当しているものも認められた。
 
イ、担保について誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
 当社は、取得勧誘を行ったファンドについて、契約締結前交付書面において、原則として貸付先から不動産若しくは有価証券の担保を受け入れ、返済が滞った場合には、担保権の実行により貸付金の回収を図る旨を表示している。
 
しかし、実際は、上記アのとおり、貸付先のほとんどが甲グループであり、設定された担保の大半が甲の発行する未公開株式となっており、中には担保が設定されていない貸付けも存在する状況となっている。
 
このように、当社は、甲グループの信用リスクが顕在化した場合には価値が大きく毀損する甲の発行する有価証券を担保としているほか、貸付けの中には担保設定していないものが存在しているにもかかわらず、ファンドの貸付債権が保全されているかのような誤解を与える表示を行った上で、顧客に対し、ファンドの出資持分の取得勧誘を行っている。
 
当社の上記の行為は、金融商品取引法第38条第8号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に掲げる「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、(略)重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為」に該当するものと認められる。
 
(2)    当社の業務運営について投資者保護上問題が認められる状況
 当社は、ファンド出資金が下記アからオの状況にあることを認識しながら募集を継続している。
 
ア、 ファンドの償還資金に他のファンド出資金が充当されている状況
 当社が取得勧誘を行ったファンドのうち、既に償還された17本のファンドの償還金の原資を検証したところ、10本について、他の償還期限が到来していないファンドの資金が償還金に充当されている状況が認められた。
 
イ、 当社のキャンペーンにファンド出資金が充当されている状況
 当社は、ファンドの募集を開始して以降、キャッシュバックキャンペーンと称して、顧客に現金を還元しているが、当該現金還元の原資を検証したところ、甲へ貸し付けたファンド出資金が当社に還流して充当されている状況が認められた。
 
ウ、 白石伸生代表取締役(以下「白石代表」という。)がファンド出資金を自身の借入れ返済等に使用している状況
 
 白石代表は、当社が甲に貸し付けたファンド出資金について、甲の社員に指示を出し、自身の預金口座及び自身の債権者に送金させている状況が認められた。
 
エ、 甲グループの増資にファンド出資金が充当されている状況
 甲グループの一部の会社は、甲グループの他の一部の会社を引受人とする増資を行っている。当該増資については、ファンド出資金が甲グループ内で貸付け、借入れが繰り返された後に充当されている状況が認められた。
 
オ、ファンドからの借入れを返済することが困難な財務の状況
 当社は、ファンド出資金の最大の貸付先である甲が、2016年5月末から2016年11月末の間、毎月多額の損失を出し続け、累積赤字を増加させており、同年8月末から同年10月末においては債務超過の状態にあったことを認識していた。
甲は、同年11月末、上記エの増資により債務超過状態を解消しているが、一方で、同年5月以降、ファンドから毎月多額の資金を借り入れていたことから、同年11月末時点における短期借入金が流動資産を大きく上回る状況となっている。
 
 また、2016年11月末時点における甲グループ全体の財務状況についても、短期借入金の総額が流動資産を大きく上回っている状況となっていることから、ファンドからの甲グループへの貸付けは返済が滞る可能性が高い状況と認められる。
 
 上記の状況は、金融商品取引法第51条に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。
 
2.このため、本日(2017年3月30日)、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
(1)   業務停止命令
 金融商品取引業のすべての業務(顧客取引の結了のための処理を除く。)を2017年3月30日から同年4月29日まで停止すること。
 
(2)  業務改善命令
1) 本件行政処分の内容について、顧客に対し速やかに適切な説明を行うこと。
 
2) 今般の法令違反及び投資者保護上問題のある業務運営について、発生原因を究明するとともに、直ちに是正すること。
 
3) 顧客が出資した財産の運用・管理状況を正確に把握し、顧客に対し、顧客が出資した財産の運用・管理の状況その他必要な事項の説明を速やかに行うこと。
 
4) 顧客の意向確認を実施し、顧客の公平に配慮しつつ、意向に沿った対応を行うなど、投資家保護に万全の措置を速やかに講ずること。
 
5) 責任の所在を明確化し、社内処分等を実施するとともに、金融商品取引業者として必要な、内部管理態勢を再構築すること。
 
6) 当社、当社の親会社及びその関係会社の財務状況を正確に把握し、当社における今後の資金繰り計画を策定すること。
 
7) 上記1)~6)までの対応・実施状況について、1カ月以内(改善策が策定・実施され次第随時)に、書面により報告するとともに、その実施状況を、すべてが完了までの間、随時書面により報告すること。
 
<東京都の処分>
2017年8月2日、東京都産業労働局は、 (東京都渋谷区道玄坂1丁目19番2号 スプラインビル8階、代表:阿藤豊、東京都知事(1)31585号、登録日:2015年11月30日)に対して、業務停止命令を下した。
処分理由(違反事項):禁止行為違反(過大担保の徴求)
業務停止命令の機関:2017年8月9日から9月7日まで(30日間)
 
<詐欺手法>
「ポンジ・スキーム」という投資詐欺手法。
かつてアメリカで暗躍した伝説的な詐欺師、チャールズ・ポンジの名前に由来。
集めた資金を、運用しているように装い、実際は獲得した資金を、獲得した相手に対して配当や償還に回すだけ。金を集めるだけ集めて配当と償還を続け、いずれは行き詰まる。
最初は配当金などで資金の幾ばくかは戻ってきても、運用で利益を生む訳ではなく出資スキームは破綻。投資家の資金は戻ってこない。もともと詐欺だから。
 
<代表は有名な企業再生の請負人でもあり倒産企業の代表でもある>
みんクレの創業者である白石はかつて、企業再生の分野で名を馳せた。企業再生会社(株)スピードパートナーズ(2014年5月に債権者申立により破産)を率いて破竹の勢いで倒産会社のスポンサーや不振企業の買収を手掛け、「企業再生請負人」として経済誌などにも度々登場していた。また、プロレス団体「全日本プロレス」の株を買い取り、オーナーに就任し全日プロの内紛騒動に発展したことでも知られる。
 
<白石元代表と阿藤豊現代表の過去の大関係
白石は、関東財務局からの業務停止処分を受け、みんクレの代表取締役を辞任したが、みんクレの今後を大きく左右する甲社の代表。
一方、甲社が100%保有していたみんクレの株式は今年5月、みんクレの新社長である阿藤豊と取締役1名にすべて譲渡している。
阿藤新社長もかつて、八丁堀投資と同時に破産開始決定を受けた(株)八丁堀住宅(旧:(株)らいずほーむ)の代表者であった。
 
<破綻した大和システムの温浴施設と富士ハウスの引継ぎ会社>
2010年10月、負債額約630億円を抱え民事再生を申請して破綻した大和システムの温浴施設再生のスポンサーに(株)スピードパートナーズがなっていた。
(株)スピードパートナーズ概要 (後に、(株)八丁堀投資に社名変更)
主に企業再生事業を営み、これまでに富士ハウス(株)や(株)ラ・パルレに対する支援を行った実績を有している。
所在地:東京都中央区
設立 :2006年5月17日
代表者:代表取締役 白石伸生
事業内容:企業再生事業、IT・コマース事業
 
2009年1月、(株)八丁堀住宅(旧(株)らいずほーむ)は、破綻した富士ハウス(株)(2009年1月破産、負債約358億円)の受皿会社として、企業再生事業を手がける(株)スピードパートナーズ〈現・(株)八丁堀投資〉の100%出資により設立された。
 
<倒産記事>
2014年5月、(株)八丁堀投資(旧スピードパートナーズ、東京都中央区入船1-1-20、代表:梨田智人)と100%子会社の(株)八丁堀住宅(旧名(株)らいずほーむ、東京都中央区入船1-1-20、代表:阿藤豊)の2社は、債権者から東京地方裁判所へ破産を申し立てられ、2015年5月13日に破産手続き開始決定を受けた。
  負債額は判明していないが、裏表の資金が多額に上るものと見られる。
 
以上、東京商工リサーチ、東京都、関東財務局資料を再構成

[ 2017年8月 9日 ]
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