アイコン 筆頭株主WPPが反対表明 米ベインのアサツーDK TOB安過ぎると 株主構成

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資本の論理だけのハゲタカ資本主義の世界。

英広告代理店で世界最大手のWPPは12日、米投資ファンドのベイン・キャピタルが発表したアサツーディ・ケイ(ADK)の株式公開買い付け(TOB)について、買付価格が低すぎるとして、買収に反対する姿勢を示した。
WPPはアサツーディ・ケイの発行済み株式数の24.96%を保有している。
WPPは、アサツーディ・ケイの企業価値が大幅に過小評価されていると主張している。
アサツーディ・ケイに対し、他の選択肢も検討したのかとの疑問を示し、買収後の海外戦略やデジタル戦略にも懸念を示した。

10月4日、英投資ファンド、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズもベインの提示価格が低すぎるとし、反対を表明していた。同ファンドは約17%(現在、実質)保有している。
反対を表明した2社だけでも42%に達する。
TOBは、応募株式が50.1%を超えなければ、不成立となる。
以上、

1998年8月、WPPはアサツーと資本業務提携し、第3者割当増資で10,331千株(288億円)所有した。
2017年10月2日、アサツーはWPPとの資本業務提携を解消した。
ただ、配当圧力の有無は別として、ここ数年ADKの配当が大きく、WPPはいつまでも食べられるADKを美味しい獲物にしているようだ。WPPはADKから2011年から16年までの6年間だけでも132億円の配当金を得ている。配当性向50%に設定している。
しかし、今期はTOBの実施により、現在のところ配当を0に。この見込み配当金は反対する2社にとっても大きい。今期は過去最高の利益になる予想も出されている。
WPPの持ち株は、TOB行使価格3,660円で換算すれば378億円。
これに、ポンドと円の為替変動やインフレ率も考慮する必要がある。1998年1ポンド230円前後、2017年10月150円前後。20年間、ポンド計算では出資額のちょうど2倍での売却となる。
WPPもあまり欲を出すべきではなかろうが、ハゲタカ資本主義の世界、どうなることやら。

今回、ADKの経営陣は、米ベインに乗ったが、TOBが失敗すれば、役員全員辞任は免れず、WPPとファンドから送り込まれる役員たちにより、更なる配当を迫れることになる。
さらには、業績好調なことからWPPがADKを買収する可能性すらある。
ADKの経営陣は、も少し、米ベインにTOBの根回しをさせ、最低でも51%以上獲得できることを確実にさせてから、実行に移させるべきではなかったろうか。

 

主要株主 平成28年12月31日現在
所有者
所有数(千株)
割合(%)
ダブリューピーピー インターナショナル ホールディング ビーヴィ
10,331
24.5
NORTHERN TRUST CO. (AVFC) RE SILCHESTER INTERNATIONAL INVESTORS INTERNATIONAL VALUE EQUITY TRUST
2,882
6.83
ノーザン トラスト カンパニー エイブイエフシー リ ユーエス タックス エグゼンプテド ペンション ファンズ
1,745
4.14
日本マスタートラスト信託銀行
1,164
2.76
日本トラスティ・サービス信託
1,159
2.75
NORTHERN TRUST CO. (AVFC)RE IEDU UCITS CLIENTS NON LENDING 15 PCT TREATY ACCOUNT
1,071
2.54
ノーザン トラスト カンパニー(エイブイエフシー) アカウント ノン トリーティー
1,025
2.43
ザ バンク オブ ニューヨーク メロン エスエーエヌブイ 10
886
2.1
日本マスタートラスト信託銀行
765
1.81
日本トラスティ・サービス信託銀行
659
1.56
21,691
51.45
現在、2位のシルチェスターは17%保有しているという。
 
ADKの業績推移
連結/百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
14/12期実績
352,984
4,097
7,251
3,696
15/12期実績
351,956
4,901
8,590
5,362
16/12期実績
352,671
5,569
8,688
2,376
16/12期Q2
174,092
3,857
5,555
1,010
17/12期Q2
172,023
3,710
5,803
4,296
17Q2/16Q2
-1.2%
-3.8%
4.5%
325.3%
17/12期予想
354,700
6,230
9,250
5,580
17期予/16期
0.6%
11.9%
6.5%
134.8%

 

[ 2017年10月13日 ]
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