アイコン もしもの第2次朝鮮戦争での壊滅的結末のシナリオ

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朝鮮戦争が1953年に休戦という形で終結するまでに数百万人が犠牲となり、韓国は焦土と化した。この戦争の間、ソウルは4度占領された。現在も休戦状態である。

 

朝鮮戦争死者数(人)
韓軍
281,161
北朝鮮軍
294,000
米軍
40,677
中国軍
135,600
英軍
1,257
民間人
1,086,000
国連軍
1,831
小計
1,515,600
民間人
676,891
 
 
小計
1,001,817
総合計
2,517,417
(太平洋戦争における日本人の民間人・一般市民の死者数は50万~100万人)
(北朝鮮の民間人の死者は米空軍による大量のナパーム弾などで死亡している)

現在、韓国の首都ソウルは、ITテクノロジー、Kポップ、美容整形術のメッカであり、市内の人口は約1000万人、ソウル首都圏では全人口の半分の2560万人が住む。
だが、ソウル一帯の住民は今でも北朝鮮の大砲兵隊が狙える射程範囲内にある。朝鮮半島を分断する軍事境界線と非武装地帯(DMZ)までは、車で北へ僅か1時間。
核兵器で武装する北朝鮮と新たな軍事衝突が起これば、格好の標的となる。

たとえ、核兵器を用いない従来型の戦闘だとしても、第2次朝鮮戦争が起きれば最初の1日で、韓国側の死者は数万人に上ると専門家らはみている。(米議会では最初の1週間は毎日5万人の死者の発生を想定している)

今年に入ってから朝鮮半島情勢は緊張に満ちている。
北朝鮮は6度目の核実験を9月3日に実施し、米本土が射程に入るとみられるミサイルの発射実験も行った。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ米大統領は、戦争をちらつかせた威嚇と個人的な侮辱の応酬を繰り広げている。
そうした中、トランプ大統領はアジア歴訪の一環として11月7日にソウルを訪れる。

<北朝鮮の戦力>
北朝鮮側はトンネルや側溝に隠す形で韓国との国境沿いに、約1万発の砲弾と少なくとも500発の短距離ミサイルを配備しているとみられている。
また、韓国の推計によると、北朝鮮軍の陸上部隊の兵力は110万人程度で、うち7割はDMZから100キロ以内に駐留している。
一方、米国防総省の2015年の報告書によると、北朝鮮が保有する兵器の大半は、ロシアまたは中国製で老朽化している。

だが、北朝鮮政府が「ソウルを火の海にする」とたびたび威嚇しているように、軍事衝突が起きれば、北朝鮮軍は最初の数時間で可能な限り最大の攻撃に出る、というのが専門家らの見方。
米カリフォルニア州にあるシンクタンク、「安全保障および持続性のためのノーチラス研究所」の2012年の研究によると、北朝鮮は、ソウルに到達可能な少なくとも700基の170ミリ砲と240ミリ多連装ロケット発射装置を保有している。
 ただし、それらの兵器の信頼性は疑わしく、2010年に北朝鮮軍が韓国の延坪島を砲撃した際に、砲弾170発のうち約4分の1が効力を持たなかったことからも、すぐに発射可能なのは全体の3分の2程度だろうと同研究は指摘している。(島や目標物には命中せず海へ着弾、または不発)

<ソウルの想定死者数>
そうした前提の上で、ノーチラス研究所の推計では、核を使用しない攻撃であっても、最初の1日でソウルでは民間人約6万5千人が死亡し、その大半は、最初の3時間での犠牲者で、1週間後までに死者数は計8万人に達するとしている。
この報告書をまとめたロジャー・カバソス氏は、「北朝鮮側は、最終的に自国の政権が崩壊する前に大規模な戦争を仕掛け、数万人を殺りくし、甚大な被害を生じさせることができるだろう」と語る。

シナリオ通りに進めば、その後、数分以内に米軍と韓国軍が反撃を開始。ソウル市民は市内各地に多数ある地下シェルターに避難するため、その後の死者数は急速に減るという。
両軍による反撃で、北朝鮮側の砲弾は毎時約1%ずつ破壊され、1日後には4分の1近くが壊滅する。そして戦闘の大半は4日以内に終了する。(韓軍は3日で殲滅するとしている)

韓国が発表した2016年の防衛白書によると、朝鮮半島で戦争が勃発した場合、米軍は兵力69万人、艦船160隻、航空機2000機を展開するとされている。
これ以外に、すでに韓国には米兵2万8500人が駐留しており、韓軍は62万5000人の兵力を持っている。

米韓両軍は、テクノロジーの面でも北朝鮮軍を圧倒しているため、どのようなシナリオをたどっても北朝鮮側の敗戦に終わるとされるが、犠牲はどの程度まで及ぶのだろうか。

<核攻撃されたら>
■北朝鮮が9月に実験した規模の弾頭をソウル上空1.5キロで爆発させたら…
 北朝鮮の政権は、自らが滅亡の危機に直面した場合に、発射可能な終末兵器を手にしている。専門家らは、北朝鮮の保有核弾頭数を14~18発とみている。
この数は2020年までに100発にも達する可能性があるという。

米国防総省の推計によると、北朝鮮は通常、国内総生産(GDP)の25%近くを防衛費に充てている。同国がその資金の大半をつぎ込んでいるのが、核兵器開発とミサイル計画。
 9月3日に実施した核実験について北朝鮮は、過去最大規模と表現し、水爆実験だったと述べている。その核威力についてはさまざまな説があるが、権威ある米シンクタンク、米韓研究所の北朝鮮分析サイト「38ノース」とノルウェー地震観測所は、そろって、爆発規模は250キロトンだったと推計している。
 核爆弾の被害規模シミュレーションサイト、「ニュークマップ」によると、北朝鮮が同規模の弾頭をソウル上空、約1.5キロの高さで爆発させた場合、瞬時に66万人以上が死亡する。
一方、米軍が核爆弾を用いて同様の反撃を行った場合、北朝鮮側の死者数はさらに多く、82万人と推計されている。
以上、AFP参照

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[ 2017年11月 3日 ]
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