アイコン 韓国政府 危機のKAIから戦闘機「TA-50」購入で不安解消へ

スポンサード リンク

機動ヘリ「スリオン」問題、粉飾決算問題、資金逼迫問題で揺れる半官半民のような宇宙・航空軍事企業の韓国航空宇宙産業(KAI、上場)。
スリオンの海外売却予定で資金繰りしていたものの、監査委から安全問題を隠蔽して韓国軍に導入し続けたとして、防衛装備庁と共に問題提起され、運行停止、海外売却交渉中断、社長辞任、防衛装備庁官辞任に追い込まれ、経営危機に陥っていた。

そうした中、韓国政府がKAIに愛の手を差し伸べた。
韓国防衛事業庁の委員会は、空軍のパイロットを養成するため、KAI製の戦術入門用訓練機「TA-50」を、追加導入を決定したようだと韓国紙が報道している。
防衛事業庁は「今回の委員会では、国内の技術水準と戦力化の時期、経済的効果などを考慮し事業推進方法を国内購入とすることで審議、議決した」とし、「2019年に事業に着手する予定」と説明した。
訓練機が追加確保されれば、パイロットの訓練回数が増え、今後投入されるステルス戦闘機「F35A」や、韓国国産戦闘機(KFX)などの最新機への対応も円滑に進むという。
以上、

こうした決定により、KAIの経営危機は、金融機関から融資も受けることができ、いったん収まったものと見られる。

韓国は、KAI製造の超音速高等訓練機T-50を、戦闘機仕様に変更し、インドネシアに16機、イラクに24機、フィリピンに12機、タイに12機の合計64機・総額29億3000万ドル規模を輸出している(1機当たり約51億円)。
なお、T-50はロッキード・マーチンの技術が供与されており、輸出には米国の承認が必要、エンジンはF/A-18ホーネット用の高出力GE製を搭載。

TA-50はT-50の派生型であるが、火器管制用レーダーは米国製ではなく、より安価なイスラエル製EL/M-2032を搭載している(輸出における一部米国の許認可外しの可能性もある)。

なお、「スリオン」の結氷問題は、欠陥問題であり不正ではないと、輸出交渉(中断中)もあり、しきりにマスメディアは軍事専門家を動員して改善事項であると報道している。
しかし、結氷問題(機体フレーム亀裂)やシールド問題(2013年12月完成段階)が発覚して、時間も経過し、問題箇所が多数発覚し、解決していないにもかかわらず、事業庁とKAIは軍に納品を続けていた。軍は、結氷が起きない自然環境や時間帯を選別して運用していた。
しかし、臨戦態勢下では、冬場の朝鮮半島の自然環境や時間帯に関係なく、運用することが前提となる。

前面窓のひび割れ問題(初導入のアクリル製の窓に問題)、結氷によるシールド不良問題などなど・・・。
スリオンは2016年9月の米国での試験で101項目中、29項目で不合格になっている。しかし、納品を続け、飛行運用も続けていた。その後、メインローター作動機の亀裂も見つかっている。

スリオンは1兆5000億ウォン(約1370億円)を投じ、国営の国防科学研究所とKAIが共同開発した軍事用機動ヘリコプター。しかし、主要な動力伝達機器はエアバス製を搭載しており、完全な国産化には失敗している。(韓国はエアバスの技術を盗もうとするため、契約もややこしくなっている)

T-50系は軽量・高出力の訓練機であるが、戦闘機用に改造して輸出されている。しかし、開発段階では実戦目的で製造されておらず、軍事用で使用する輸出先では混乱が見られている(比軍は派生型のFA-50(イスラエル製火器管制レーダーシステム搭載)を導入し、ミンダナオ島・マラウィ市のIS拠点攻撃で使用、爆弾投下、大きく目標を外れ味方陣地を爆撃、比兵士が死亡、比軍は同機の使用を停止している)。


0926_05.jpg

スポンサード リンク
[ 2017年9月26日 ]

 

関連記事

 

 

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 


PICK UP


PICK UP - 倒産

↑トップへ