アイコン サムスン電子 有機ELパネル生産計画の4割減へ iPhoneX売れず減産

 

 

韓国サムスン電子は、有機ELパネル工場の稼働率を当初計画の約6割の水準に落とす。有機ELパネルを独占供給する米アップルのスマホ「iPhoneX(テン)」の減産に対応する。

iPhoneXの生産調整は、半導体メモリーの価格を押し下げるなど、関連部品の生産計画などにも影響が広がってきている。
アップルは、昨年9月、8と8プラスおよびXを投入した。しかし、一番高いX(999ドル)が当初品薄状態、8と8プラスは売れず、年末商戦はXで乗り越えたものの、すでに売れなくなっている。

これは、中国ユーザーの購入動機の激変にも起因している。これまでiPhoneをブランドで購入していたユーザーたちが、国内メーカーの性能が向上し、価格と機能面で有利に立ったことにある。新興勢力のOPPOは、インスタ人気もあり、2000万画素+1600万画素のWカメラ重視で大ヒット、中国市場で№1となっている。vivoは超高速充電と音響重視という特徴を持たせ、両陣営がユーザーのニーズを勝ち取り、販売台数を急伸させている。その煽りを食ったのが、iPhoneの3機種になってしまったようだ。

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iPhoneは高価格のディスプレイにこだわったものの、素人目には高精細液晶と変わらず、ましてや中国勢と差別化ができず、逆に差別化され、結果、売れなければいかんともしようがない。

中国市場では、プレミアム品から普及品まで揃えたサムスン電子のスマホさえ売れなくなるほど、中国勢が市場を席捲しつつある。
(過去、中国でのスマホシェアの1位はサムスン電子だったが、昨年10~11月での中国販売シェアは1.7%まで落ち、昔の面影はまったくない)

サムスンは自社スマホ用のほか、iPhone初期生産用に有機ELや半導体を大量納入、結果、昨年は両品とも爆発的な品薄状態に至り、サムスン電子12期決算での営業利益は53兆6045億ウォン(約5兆円)に達した。
あまりの営業利益の多さ、営業利益率の高さに中国当局がサムスン電子を呼びつけるほどだった。(iPhoneも中国から世界に向け輸出され、中国のスマホメーカーのほとんどがサムスンの半導体を使用している)

スマホのブランド力は、若いユーザーにとってもはや消えうせ、デザインもほとんど変わらず、安く・機能良しの実務型スマホが売れ筋に変わってきている。

iPhoneは、2年目以降は充電しても使用時間を短くする小細工をしていたことが発覚、耐用年数をほぼ3年に設定したり、本来、良いものを長くというブランド力を損なう動きを自ら講じ、自滅しているようだ。

中国政府は、自国製品は、自国産品の部品部材を使用しようという国策により、メーカーに半導体工場や液晶・有機EL工場を造らせており、昨年から今年あたりにそうした大規模工場が完成してくる。
自動車のEV化・自動運転車化および家電IOTの進展によりニーズは高い、しかし、そのニーズは息の長いものであり、昨年の超品薄状態は、スマホ向けの有機EL・半導体の販売数がアップルや中国勢スマホメーカー向けに急増したこと、パソコンやタブレットなどの更新需要、電子製品群の増加なども重なり生じたものともいえる。

中国のこうした工場が本格稼動してくれば、価格は落ち着いてくるが、圧倒的シェアを持つサムスン電子は生産調整により価格を高値に維持する可能性もある。
しかし、そうした間に中国メーカーが有機ELや半導体など部品・部材でも台頭し、サムスン電子は市場を損なう可能性すらある。
電子産業は今でも世界の工場となっているのが中国だ。

 

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[ 2018年2月20日 ]

 

 

 

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