アイコン ユニチカ、繊維製造子会社を解散へ 構造改革が示す「繊維メーカー」からの転換


老舗繊維メーカーのユニチカは、連結子会社で繊維製造を担ってきたユニチカテキスタイルを解散すると発表した。清算手続きは2026年2月27日を予定している。今回の決定は、2024年に公表した不織布や衣料繊維、産業繊維(一部を除く)事業からの撤退を柱とする事業再生計画の一環で、突発的な経営破綻ではなく、計画的な構造改革の延長線上にある。

ユニチカテキスタイルは1999年に設立され、グループの繊維製造機能を担ってきた。しかし、2025年3月期の売上高は前期比19.9%減の6億900万円、営業利益は同57.1%減の600万円にとどまり、純資産は約39億5300万円のマイナスと深刻な債務超過に陥っていた。固定費負担の重い繊維製造事業では、市況悪化や需要縮小の影響を吸収しきれず、事業継続の合理性が失われていたとみられる。

 

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財務面では、解散に伴う債権放棄による貸倒損失は、ユニチカの個別決算で既に全額引当済みとされ、連結決算では相殺される見通しだ。同社は2026年3月期の連結業績への影響は軽微としており、市場に対する新たなリスク顕在化は限定的と説明している。今回の整理は、想定内の損失処理を進める段階に入ったことを示す。

今回の動きは、ユニチカ固有の問題というより、日本の繊維産業が長年直面してきた構造問題を映すものだ。汎用繊維分野では国際競争力が低下し、海外生産とのコスト競争も激化する中、多くの老舗メーカーが製造機能の縮小や撤退を進めてきた。ユニチカもまた、繊維製造から距離を取り、より付加価値の高い素材・機能材分野へと経営資源を集中させる戦略を鮮明にしている。

ユニチカテキスタイルの解散は、グループにとって痛みを伴う決断ではあるが、事業再生を前提とした現実的な選択といえる。同時にそれは、同社が「繊維メーカー」という従来の枠組みから脱し、企業としての姿を大きく変えようとしていることを象徴する出来事でもある。今後は、撤退後に残る事業がどこまで安定した収益基盤を築けるかが、ユニチカ再建の成否を左右することになりそうだ。

 

 

[ 2025年12月15日 ]
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