アイコン 絆HD、負債289億円で更生申請 障がい者就労支援の不正受給問題が経営直撃


大阪市の福祉事業会社「絆ホールディングス」グループをめぐる経営破綻は、障がい者就労支援制度の給付金をめぐる不正受給問題が、グループ全体の信用と資金繰りを直撃した大型案件となった。

同グループは6月22日、大阪地裁に会社更生法の適用などを申請した。負債総額は約289億円にのぼり、福祉事業者グループとしては過去最大規模とされる。背景には、同グループが運営していた就労継続支援A型事業所4カ所をめぐり、大阪市から指定取消処分を受けた問題がある。市は、障がい者就労支援の給付金を不正に受け取っていたとして、ペナルティーを含め約110億円の返還を求めている。

 

スポンサーリンク
 
 

焦点となっているのは、同グループが「36か月プロジェクト」と称していた運用だ。利用者を支援した後、グループ内で一定期間雇用し、再びA型事業所の利用に戻す仕組みについて、行政側は就労移行支援体制加算の不正請求にあたると判断した。会社側は一部見解を異にするとしているが、指定取消と巨額返還請求により、事業継続の前提は大きく揺らいだ。

6月25日に開かれた債権者説明会では、代表から謝罪があったものの、具体的な対応方針について十分な説明はなかったという。出席者からは、保全管理人が就任直後で状況把握が進んでいないとの受け止めも出ており、債権者の不安は解消されていない。

今回の問題は、単なる一企業グループの経営破綻にとどまらない。障がい福祉サービスは公費に支えられた制度産業であり、給付金の算定や加算の運用が収益の柱となる。制度解釈に依存した事業モデルが拡大すれば、行政処分を受けた際の反動も大きい。利用者の支援継続、従業員の雇用、債権者への弁済、行政債権の扱いをどう整理するかが、今後の更生手続きの焦点となる。

社会福祉事業には公益性がある一方で、制度を収益化する民間事業としての側面も強まっている。今回の破綻は、福祉サービスの拡大を支える監査体制や給付金制度のあり方にも重い課題を突きつけている。

 

 

[ 2026年6月26日 ]
スポンサーリンク
  

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧