介護問題

アイコン 数字でみる介護問題 65歳以上3624万人、要介護・要支援742万人 介護費は11.9兆円


数字でみる介護問題
3,624万人
65歳以上人口
2026年9月15日
2,168万人
75歳以上人口
2026年9月15日
742.5万人
要介護・要支援認定者
2026年6月末
11.94兆円
介護保険サービス等の費用額
2024年度
212.6万人
介護職員
2024年10月1日
約240万人
2026年度に必要とされる介護職員
第9期計画推計

敬老の日は長寿を祝う日である。一方、日本の高齢化を数字で追うと、その先にある介護の姿も見えてくる。

2026年9月15日時点の65歳以上人口は3624万人、75歳以上は2168万人。要介護・要支援の認定を受けている人は742.5万人に上り、介護保険サービス等にかかる年間費用は11兆9381億円となった。

介護の現場を支える介護職員は212万6227人。一方、国の第9期介護保険事業計画を基にした推計では、2026年度に約240万人、2040年度には約272万人の介護職員が必要とされている。

長寿社会を支える介護は、もはや一部の家庭だけの問題ではない。人口、利用者、お金、人材という数字から、日本の介護問題の現在を見てみる。

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65歳以上3624万人 75歳以上は2168万人

総務省統計局によると、2026年9月15日時点の65歳以上人口は3624万人で、総人口に占める割合は29.6%となった。

注目されるのは、より年齢の高い層の増加である。75歳以上人口は2168万人で、総人口の17.7%を占める。前年の2125万人から43万人増えた。一方、65歳以上全体は前年の3622万人から2万人増にとどまっている。

65歳以上という大きなくくりでは人口の伸びが小さくなっている一方、75歳以上の比重は高まっている。

項目 人数 総人口に占める割合
65歳以上 3,624万人 29.6%
75歳以上 2,168万人 17.7%

100歳以上は初の10万人超え

長寿化を象徴する数字もある。厚生労働省によると、2026年の100歳以上の高齢者は10万7677人となり、初めて10万人を超えた。

1963年には153人だったが、60年余りで大きく増えた。内訳は男性1万3379人、女性9万4298人となっている。

医療や生活環境の改善によって長寿そのものが広がった一方、高齢化が進む社会では、医療や介護をどのように持続させるかという課題も大きくなる。

要介護・要支援認定は742.5万人

厚生労働省の介護保険事業状況報告によると、2026年6月末時点の要介護・要支援認定者は742.5万人となった。

第1号被保険者に対する認定者の割合は20.3%。高齢者の増加とともに、介護保険制度を必要とする人の規模も大きくなっている。

一方、2024年度に一度でも介護予防サービスまたは介護サービスを利用した「年間実受給者」は675.4万人だった。

数字を見る際の注意
742.5万人は2026年6月末時点の「認定者数」、675.4万人は2024年度1年間の「実受給者数」で、基準時点も統計上の定義も異なる。両者を引き算して「約67万人が介護サービスを利用していない」とすることはできない。

介護にかかる費用は11兆9381億円

2024年度の介護保険サービス等の費用額は11兆9381億円で、前年度から3.7%増えた。

2024年度の介護保険サービス等の費用額内訳

内訳は、要支援者などを対象とする介護予防サービスが3202億円、要介護者向けの介護サービスが11兆6179億円。

要介護者向けサービスでは、居宅サービスが5兆2228億円、居宅介護支援が5523億円、地域密着型サービスが2兆312億円、施設サービスが3兆8116億円となっている。

 

区分 2024年度費用額
介護予防サービス 3,202億円
居宅サービス 5兆2,228億円
居宅介護支援 5,523億円
地域密着型サービス 2兆312億円
施設サービス 3兆8,116億円

ここでいう11兆9381億円は、厚労省統計上の「費用額」で、保険給付額だけではなく、公費負担額と利用者負担額を含む。一般的な意味での「介護市場規模」とは定義が異なる。

介護を支える212.6万人 2026年度には約240万人必要

介護サービスを支える人材にも課題がある。

厚生労働省によると、2024年10月1日時点の介護職員は212万6227人。前年からの増加は487人にとどまった。

一方、第9期介護保険事業計画に基づき都道府県が推計した介護職員の必要数は、2026年度が約240万人、2040年度が約272万人となっている。

区分 人数
介護職員実績(2024年) 212万6,227人
2026年度の必要数 約240万人
2040年度の必要数 約272万人
「27万人不足」とは単純には言えない
212.6万人は2024年の実績値で、240万人は2026年度の必要数推計。さらに必要数推計は2022年度の介護職員約215万人を基準とした別系列の数字である。このため、両者をそのまま引き算して現在の不足人数とするのは適切ではない。

厚労省は2022年度と比べ、2026年度には約25万人、2040年度には約57万人の介護職員を追加で確保する必要があるとしている。

高齢者人口だけでなく、「介護を支える側の人口」をどう確保するかが今後の大きな課題となる。

高齢者自身も943万人が働く

一方で、高齢者を「支えられる側」だけで捉えることも実態とは異なる。

2025年の65歳以上の就業者は943万人となり、22年連続で増加して過去最多となった。全就業者に占める割合も13.8%で、働く人のおよそ7人に1人が65歳以上となっている。

年齢別の就業率は65~69歳が54.5%、70~74歳が36.2%、75歳以上でも12.6%で、いずれも過去最高だった。

ただし、役員を除く65歳以上の雇用者586万人のうち、非正規雇用は446万人と76.1%を占める。単純に「定年後も正社員として働き続ける高齢者が増えた」という構図ではない。

介護問題は「全国平均」だけでは見えない

今回取り上げたのは全国の数字だが、介護の実態には大きな地域差がある。

例えば2025年4月審査分の介護予防サービスの受給者1人当たり費用額は全国平均が2万8200円だったのに対し、長崎県は3万4700円で、佐賀県の3万7100円に次ぐ全国2位だった。

一方、要介護者向け介護サービスの1人当たり費用額は、長崎県が20万3800円で、全国平均20万6300円をやや下回っている。

高齢化率だけでなく、要介護・要支援認定率、利用する介護サービス、介護給付費、施設や在宅サービスの供給状況、介護人材などを市町村単位で見ると、地域ごとの介護問題の姿はさらに異なる。

JC-NETでは今後、全国の数字だけでは見えない介護問題を、長崎県、九州各県、市町村の公的統計から追っていく。

【主な出典】総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者」、厚生労働省「介護保険事業状況報告」「介護給付費等実態統計」「介護職員数の推移」「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」「百歳の高齢者」

[ 2026年9月21日 ]
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