大型倒産情報

アイコン 【企業倒産続報】絆ホールディングス 110億円返還でA型撤退、残る児童福祉18拠点 更生棄却後はスポンサー再建へ


大阪市から110億円を超える返還を求められた絆ホールディングスグループの再建が、会社更生からスポンサーによる事業承継を軸とする段階へ移った。

株式会社絆ホールディングス、JOB connect、レーヴ、リベラーラの4社は10月1日、大阪地裁から会社更生手続開始申立ての棄却決定を受け、破産手続開始前の保全管理命令を受けた。

ただ、今回の問題は4社が破産方向へ進んだというだけではない。

グループは問題となった就労継続支援A型からすでに撤退する一方、現在も大阪市内で18の児童福祉事業所を展開している。更生判断の前日となる9月30日にはスポンサーも確保しており、焦点は「法人を残せるか」から「利用者を抱える福祉事業をどう残すか」へ移っている。

中心法人 株式会社絆ホールディングス
所在地 大阪府大阪市
A型事業所への返還請求 110億7650万7073円
A型事業 2026年4月末で4事業所を閉鎖
児童福祉事業所 大阪市内18事業所
10月1日の措置 更生申立て棄却、破産手続開始前の保全管理命令
スポンサー 有限会社ティー・エヌ・プラン
スポンサーリンク
 
 

110億円問題でA型事業から撤退

事態の発端となったのは、グループ4法人が運営していた就労継続支援A型事業所をめぐる大阪市の行政処分だった。

大阪市は3月、NPO法人リアン、レーヴ、リベラーラ、JOB connectの4法人について、就労移行支援体制加算などの請求に不正があったとして、障がい福祉サービス事業者の指定取消しを決定した。

返還請求額は40%の加算額を含め110億7650万7073円に達した。

問題となったのは、グループが「36か月プロジェクト」として実施していた就労支援の仕組み。A型事業所の利用者を一般就労させた後、再び利用者へ戻す運用などについて、大阪市は加算の算定要件を満たさないと判断した。

グループは指定取消しに先立つ4月末で「リアン内本町」「リベラーラ」「レーヴ」「Mirrime」のA型4事業所を閉鎖。問題となった就労継続支援A型からは撤退した。

同じような加算手法を国も問題視、2026年度に制度見直し

この問題が注目された時期、国でも就労移行支援体制加算のあり方が見直された。

厚生労働省は2026年度の障害福祉サービス等報酬改定で、同一の利用者がA型事業所と一般企業との間で複数回離転職を繰り返し、その都度加算を取得するケースについて、「本来の制度趣旨と異なる形」での算定を課題として明記した。

改定では、1事業所で加算対象とできる年間就職者数を原則として事業所の定員数までとする上限を設定。

さらに、同じ事業所だけでなく他の事業所を含め、過去3年間に同じ利用者について加算を算定した実績がある場合は、特別な事情を除き再び算定できないことを明確化した。

一事業者の経営問題にとどまらず、A型事業所から一般就労への移行実績をどのように評価するかという制度そのものが厳格化される局面となった。

A型撤退後も「児童福祉18拠点」は残った

一方、A型事業所の閉鎖は、絆グループの福祉事業全体の終了を意味するものではなかった。

グループは現在、大阪市内で18の児童福祉事業所を展開している。

児童発達支援や放課後等デイサービス、保育所等訪問支援などを手掛け、「LEGONKids」「リトルフット」「ぷりも」「くらっぴ」「ゆにぞん」など複数の事業所を運営している。

公式サイトには2026年オープンに向け準備中の児童発達支援施設も掲載されており、A型撤退後も児童福祉を中心とする事業網は残されている。

6月に絆ホールディングスなど4社が会社更生を申し立てた後も、これら障害児通所支援や相談支援事業については、保全管理人の管理下で営業を続けながら承継先を探す方針が示されていた。

法人再建は頓挫、18拠点をどう残すか

4社は6月22日に会社更生手続開始を申し立て、法人を維持したままの再建を目指した。

しかし10月1日、会社更生手続開始申立ては棄却され、破産手続開始前の保全管理命令が出された。

その一方、前日の9月30日には有限会社ティー・エヌ・プランとスポンサー契約を締結している。

会社更生によって現在の法人を存続させる再建は難しくなったが、スポンサーを確保したことで、残された福祉事業を別の形で維持する道は残ったことになる。

ティー・エヌ・プランは大阪府和泉市に本店を置き、再生可能エネルギー、不動産賃貸、研究開発支援などを展開している。絆グループとは異なる事業領域を持つ企業がスポンサーとなる。

具体的に18の児童福祉事業所のうちどこまでが承継対象となるのか、職員の雇用や利用者との契約がどのように引き継がれるのかは、現時点で明らかになっていない。

110億円問題の「その後」

110億円を超える返還問題でA型4事業所は姿を消した。

その一方で、児童福祉を中心とする18拠点は残り、グループは会社更生による再建を目指したものの、更生手続開始には至らなかった。

最終的に残されたのは、法人そのものではなく、福祉サービスをどう維持するかという問題だ。

加算制度のあり方まで見直される中、約110億円の返還問題から始まった絆グループの再建は、スポンサーのもとで18の児童福祉拠点をどこまで引き継げるかという段階に入った。

スポンサーリンク
  

 

 

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧