財務省が5月13日発表した3月の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を表す経常収支の黒字は前年同月比▲32%減の1兆9710億円だった。新コロナの感染拡大を受けた貿易黒字の縮小が主因。
訪日外国人の消費から日本人の海外旅行での消費を差し引いた旅行収支は、新コロナの影響を大きく受け▲87%減の245億円の黒字だった。
貿易収支は、自動車の米国向け輸出の減少などを受けて黒字が▲85%減の1031億円。第1次所得収支は4%減の2兆609億円だった。
旅行収支の黒字は近年、訪日客の増加で月平均2000億円程度の黒字を維持し、経常収支全体の黒字を支えてきた。
新型コロナの感染拡大で3月の訪日旅行客が▲9割減となり、旅行収支の黒字額は2014年11月以来の小ささとなった。
経常収支は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支や外国との投資のやりとりを示す第1次所得収支、旅行収支を含むサービス収支などで構成する。
<2019年度の国際収支>
財務省が同日発表した2019年度の国際収支統計は、
経常黒字が前年度比1%増の19兆7615億円と微増だった。
貿易収支が6478億円の黒字でほぼ横ばい。
旅行収支は新型コロナの感染拡大が始まるまでの訪日客増で黒字が2兆4518億円と過去最高。
海外子会社からの配当や金利などの第1次所得収支は、同比▲3%減の20兆9968億円の黒字。海外企業の日本法人などが親会社に支払う配当金が増えたことによるもの。
以上、
4月は貿易収支がさらに悪化し、第一次所得収支の海外子会社からの配当も大きくへこむことが予想される。
日本政府は千客万来、新コロナを実質処断せず(入管の3月31日までのPCR感染検疫数1580件/厚労省資料)、経済も動かそうとしたが、欧米の経済活動が止まり、輸出先が限られ、その影響を4月は3月よりさらに受け、休止した経済活動も含め大きな影響が生じている。