アイコン 2/2 トランプがもたす韓国に造船大好況時代到来 米国市場狙う

Posted:[ 2025年4月30日 ]

トランプ政権は中国の経済潰しを本格化させている。関税爆弾を投下し続け、一方で米港に入港する中国製船舶や中国船籍の船舶には億単位の入港料を賦課すると発表、米航路を持つ商船会社や船主たちはテンヤワンヤになっている。
こうした事態に、世界の商船・船主たちが中国離れから韓国勢への発注が急増している。

HD韓国造船海洋(現代造船G)は4月23~27日にかけオーストラリアの船会社などから22隻のコンテナ船を受注している。
△1万6000TEU級2隻
△2800TEU級2隻
△8400TEU(1TEUは20フィートコンテナ1台分)級4隻
△2800TEU級8隻
△1800TEU級6隻
の計22隻、2兆5354億ウォン(約2,530億円)の建造契約を締結している。

また、米国の造船業界は今や壊滅しているが、トランプ政権は復活される政策により韓国造船会社にとって恩恵が続いている。

米国は韓国に対し、LNGの建造、軍艦の維持・補修・整備(MRO)などの協力を積極的に要請している。
ただし、これからも恩恵を受けるためには結局、米国内の造船所を確保しなければならず、国内の造船業界が手放しでは喜べない状況もある。
トランプの政策によって仕事が増える一方、時間が経つにつれ、米国で船を作るよう圧力を強めてくる可能性が高い。
立ち遅れた米国造船所を現代化するためには莫大な投資が必要。 
トランプ大統領が4月9日に署名した「米国の海洋支配力回復」行政命令は、長短期の目標が明確となっている。
短期的には同盟国の助けを受け、長期的には造船業の自立を成し遂げるとしている。
韓国にもたらされる短期的な恩恵は2つ。
まず、米国が韓国の造船所に多くの業務を委託する可能性。



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ジョーンズ法
米国は自国の建造船舶だけに米国内の港での通行を認める法律(ジョーンズ法)と、
バーンス・トレフソン法
軍艦の建造と修理を米国の造船所で行うことを義務付ける法律(バーンス・トレフソン法)をそれぞれ持っている。
しかし、例外条項を適用し、韓国で建造された液化天然ガス(LNG)船などを購入し、軍艦の維持・補修・整備と新規軍艦の建造なども韓国造船所に任せる可能性がある。

昨年12月に米議会に発議された「船舶法」は、米国の商船数を250隻に増やすプログラムに同盟国の建造商船も参加できるようにした。
また、現行の「バーンス・トレフソン法」は海外配置の艦艇、沿岸戦闘艦は外国造船所でも維持・補修・整備が可能なよう例外を設けている。
大統領が例外を承認すれば、新規軍艦も外国造船所の建造が可能となる。
これに先立ち、トランプ大統領は4月10日「米国と近くて造船実績が立派な国で船舶を購入することができる」と述べた。
 また、米国通商代表部(USTR)が4月18日、中国産船舶に入港手数料を賦課し、グローバル海運会社の韓国船舶選好度が高まった点も注目に値する。

ドイツ海運会社のハパクロイドは最近、船舶発注契約を中国造船会社から韓国造船会社(ハンファオーシャン)に変更した。

<韓国勢は米軍船受注へまっしぐら>
問題は短期的な恩恵が終わってから。
トランプは常に自国への投資誘致を目指している。
米国の造船業が自立する準備が整ったと判断すれば、突然同盟国に適用してきた例外措置を取り消し、米国現地で船舶を建造するよう圧力を加える可能性がある。

米議会も今年初め、外国の造船所で軍艦の建造が可能な法改正案を発議したが、積極的な議論は行われていない。
米国造船業の自立を目指す動きは行政命令と通商代表部の措置のあちこちにも現れている。
行政命令には「同盟国の米国投資インセンティブ」が言及されており、入港手数料政策には2028年から米国産LNG輸出量の一部については、米国で建造された船舶のみ運送が認められるという内容が含まれた。現在の米国の造船業界では不可能、韓国造船勢を米国へ誘致する算段と見られる。

3年後からは米国で建造された船だけを使うことになる。
韓国内の造船会社は、米造船所の確保を慎重に検討している。
その際、ハードルになるのは大きな投資費用。
米国内で残っている造船所は全国に21ヶ所だけ、施設も立ち遅れているだけでなく、専門技術労働者やサプライチェーンも崩壊状態。

韓国の造船業界の関係者は「米国造船所に直接投資しろという要求がますます激しくなるはずだが、投資費用があまりにも大きい」と懸念を示している。
信用評価会社のナイスは、「国内造船会社の米国進出は投資金調達のリスクが大きいだろう」と予想している。

●ハンファグループは2024年4月、米国のフィリ造船所(米海軍ご用達)を買収しており、米国の造船所を保有しているオーストラリアの造船会社オースタルの株式9.9%取得(筆頭株主)し、間接分含め19.8%保有、豪政府の10%以上認可ルールで認可を受ければ保有が認可される。オースタルは米国のモービル(アラバマ州)とサンディエゴ(カルフォルニア州)に造船所を持ち、米海軍の小型水上艦と軍需支援艦でシェア1位をしめている。

●HD現代は、米国最大の防衛産業造船会社のハンチントン・インガルスと了解覚書(MOU)を締結し、造船所の直接買収よりは協力関係から段階的に進めていく。

<トランプ政権、中国船籍・中国製船舶に入港税 150万ドル>
米国が中国船舶を保有する海運会社に最大150万ドルの入港手数料を課す案を推進する。中国製の船舶は、米国の港に入るたびに莫大な金を払わなければならないという意味だ。世界1位の造船大国に浮上した中国を牽制し、米国の造船業を復活させるための措置だ。韓国の造船業界は反射利益が期待される。
 ドナルド・トランプ米大統領は9日(現地時間)、「米国の海洋支配力復活」という名の大統領令に署名した。これに沿って関係機関は今後2~10日以内に具体的な計画を段階的に発表する予定だ。
 核心の目的は大きく二つ。中国造船業の牽制と米国造船業の再建だ。トランプ大統領は米国通商代表部(USTR)に中国の海洋・物流・造船産業の不公正さを調査するよう命令した。また、手数料、罰金などの措置も指示した。
 予告編はすでに2カ月前に出されていた。今年2月、USTRは米国の造船業救済策を発表した。これによると、中国国籍の海運会社は米国入港の度に船舶当たり最大100万ドル、または船舶貨物トン当たり最大1千ドルの手数料を払わなければならない。さらに、中国国籍ではない海運会社が中国製の船舶を保有するだけでも手数料賦課対象になる。一例として、中国製船舶と韓国製船舶を同時に保有している海運会社が、韓国製船舶を米国に入港させようとしても、手数料を取るという意味だ。ただし中国製船舶の保有している割合によって手数料には差等を設け、手数料賦課範囲を「中国製船舶入港」だけに限定する可能性もまだ残っている状態だ。さらに、USTRは手数料算定の際、中国製船舶の発注の割合も調べる計画だと言及した。
 同日の大統領令には、具体的な入港手数料の金額は含まれなかった。USTRが近いうちに米国内の貿易団体の意見を取りまとめ、最終案を発表するものとみられる。
 入港手数料が実行されれば、中国籍船舶と中国製船舶は米国に入る際に高い費用を払わなければならない。
外航船舶は大きく、
穀物や鉱物運搬のバラ積み船
機械や電化製品・衣類・菓子類などを運ぶコンテナ船
自動車専用運搬船や原油タンカー・LNG船など専用船
に分かれる。

韓国は、以前はタンカーやコンテナ船に強かったが、中国勢の追い上げにLNG船や海上の原油生産施設やLNG化施設などエンジニアリング・プラントの海上浮上構築物に力を入れている。
まだ大型コンテナ船の受注残は大きく残っているが、ウクライナ戦争の余波で欧米間のLNG船需要が急拡大、米国から欧州へはほとんど0から今では欧州天然ガス市場の50%近くを占めるほどに拡大している。
当然、カタールや米国のLNG船需要が急拡大しており、現在の韓国勢はLNG船受注を柱としている。

片や中国勢は、バラ積み船やコンテナ船・タンカーなどを精力的に受注しており、内需不振から鉄鋼価格が低迷、造船業界は安価に厚板を調達することができ、競争力があり受注拡大を図っている。
韓国市場での中国製厚板は、韓国製に比べ2割以上安く、韓国造船業界はこれまでは中国製使用量を2割までに抑えていたが、競争厳しく3割超まで拡大するとしている。

今回のトランプ政策でグローバル海運会社は、中国製船舶を保有することに負担が生じざるを得ない。造船・海運市場で中国を孤立させることが米国の狙い。
韓国は反射利益を期待している。

グローバル海運会社が中国の代わりに韓国の造船会社に目を向けている。
昨年=2024年、
全世界の造船累積受注シェアは中国勢が71%、
2位が韓国勢の17%。
3位は日本の5%、
米国のシェアは0.1%にとどまる。

2025年、トランプは中国潰しの一貫で中国船舶に対する制裁を強化している。中国船籍や中国製の船舶の米入港では入港料を取ると差別を打ち出している。こうした動きにすでに韓国や日本製の船舶の中古価格が上昇しているという。当然、トランプの次の政策として、中国製船舶を使用している海運会社に矛先を向ける可能性もある。
(トランプは自動車関税爆弾の25%に次ぐ爆弾として自動車専用船の米入港について高額入港料を検討もしている)

トランプ効果により、早速、3月の造船受注で韓国勢が中国勢を凌駕した。
こうした事態はトランプが大統領である限り、バイデンのようなトランプの政策を継承する民主党の大統領が誕生する限り、今後、10年以上続くものと見られる。当然、韓国勢のキャパは現在でもパンク状態、現在受注している船舶の納品は2029年以降となっている(・・・大型やスーパー・LNG船の場合)。

2024年の中国の船舶建造の受注からして、日本にもご利益があろうが、中国製の安価な厚板を30%以上使用しなければ、日本の造船業界はトランプ政策によるご利益を受けられない可能性もある。
(トランプが日韓の造船における中国製厚板を問題視する可能性もある。アルミ製品の米輸入には現在25%の関税爆弾を投下しているが、アルミ缶入りビールさえ25%の対象となっている)

今や日本の造船技術は韓国勢や中国勢と変わらないか劣っている。それも高価な日本製厚板では利益は出ず、研究開発費の捻出は限られ、ここ15年で大幅に遅れを取っている。それを象徴する例が、三菱重工製大型コンテナ船の2つ折れ沈没事件だろうか。

米国は自国の造船業の再建にも力を入れている。
トランプは大統領令で造船業支援資金確保、同盟国の米国造船業投資インセンティブ支給などに言及している。
トランプ大統領は「我々は造船に多くのお金を使うだろう」と強調している。
米国の造船業は2000年代以降、急速に衰退した。
米国内の造船所は21ヶ所に過ぎず、年間船舶建造数は5隻未満。軍艦艇の数も219隻で、中国の234隻に後れをとり、海洋安全保障まで脅かされている。

韓国勢は米国が造船業復活に大きな予算を投入するだけに、韓国の造船会社の米国進出のチャンスも拡大するとみている。すでに米国は関税交渉カードとして軍艦の維持・補修・整備(MRO)と新規軍艦の建造、液化天然ガス運搬船および砕氷船の建造などを挙げ、韓国に支援を要請している。
米国が自国の造船業投資の際、インセンティブ支給も取り上げただけに、今後の補助金や税金優遇制度ができるかどうかにも関心が集まっている。
当然、トランプは次の政策として、韓国勢による米国工場進出や米造船会社への投資を前提としている。
「中国製造2025政策」を真似た「トランプ内製政策」だろうか、ともに国産国消策。
韓国勢もすでに昨年から米造船会社の買収や、米国に造船所2ヶ所を持つオーストラリア造船企業を買収すべく筆頭株主になるなど出資を進めている。
韓国勢は財閥コンツェルンの企業群でありオーナー一族によりすべて動いており、株主の顔色ばかり見ている日本のサラリーマン経営者たちとはそのスピード感・実行力・機動力で雲泥の差がある。

日本の財閥解体もバブル崩壊も相互持株解消、産業崩壊もすべては、米追随主義政権が受け入れた米国の日本に対する通商政策=弾圧によるもので、現在、それが中国に向けられているようだ。

 

 


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