愛国の花 (田中愛国)
<敷島の 大和心を人問はば 朝日に匂ふ 山桜花>
江戸時代の国学者であり医師でもあった、本居宣長が詠み、新渡戸稲造の名著「武士道」の中で改めて紹介され、日本人がもっとも好んだ和歌の一つである。
山桜は、かつては愛国心の象徴とされた花であった。本居宣長が詠んだこの歌は、散りぎわのいさぎよさを賛美した歌である。
古来、大和民族は潔さを愛で、卑怯な振る舞いを蔑(さげすむ)んできた。
300年以上も昔の赤穂義士47士が今でも日本人に愛され、谷川弥一的な奸物や吉良上野介が日本人に人気がないのも、この潔さを愛し、卑怯を蔑む民族性からきている。 吉良上野介と谷川弥一のイメージがダブルのも面白いし、性根が悪相な顔まで似てる。
なんとインターネットで愛国を検索したら「愛国の花」という歌を見つけた。おそらく田中愛国の愛国もこの歌を好んだ親が、我子にこうあれと願いつけたものと勝手に推測してみた。皮肉な巡り合わせである。
真白き富士の気高さを 心の強い盾として 御国(みくに)につくす女等(おみなら)は
輝く御代(みよ)の山桜 地に咲き匂う国の花
(愛国の花 渡辺はまこ)
田中愛国氏に真白き富士の気高さと、山桜の潔い散ぎわがあればと思う、今日この頃である。
[ 2009年5月19日 ]