アイコン 販売不振の福岡分譲マンショ市場/中央デベ①/三井不動産・三菱地所

福岡の分譲マンション市場は、これまで開発業者が過剰な供給を行っていたため、需要が縮小する中、まだ調整中である。サブプライムローン問題に突入する以前からこうした状況は発生しており、昨年6月からは破綻した開発業者も多い。

 

また傷ついた開発業者も金融機関の融資の絞り込みで新規開発はできない状況に陥っている。それでも中央の開発業者は福岡市場で作り続けたが、売れ行き不振で新規供給は完全にストップした状態になっている。

<福岡県の分譲マンション新規着工件数推移>
 
2006
2007
2008
2009
1
822
484
1,139
249
2
1,276
1,001
424
955
3
715
1,053
337
286
4
640
693
662
348
5
602
399
1,424
695
6
1,266
1,060
461
195
7
711
306
780
196
8
883
346
1,034
108
9
1,149
212
870
66
小計
8,064
5,554
7,131
3,098
10
955
78
595
 
11
1,564
143
427
 
12
1,245
501
609
 
年計
11,828
6,276
8,762
3,098
そうしたなか、アイランドシティの「アイランドタワー スカイクラブ」(409戸/残戸数40戸)を開発した新栄住宅さえ、財務的に余裕があるにもかかわらず、暫く開発は控えると発表するほど福岡の住宅市場である。
中央デベロッパーの開発状況を検証していく。
 三井不動産は、現在福岡では子会社で取り組んでいる。しかし新規開発は全面的にストップさせているようだ。同社は「パークホームズ」のブランド名で知られているが、事業主ではなくても企画や販売代理で入る場合でもブランド名を使用している。現在同社が事業主として福岡で販売中の物件は2棟あるが、内1件は4社共同開発物件であり、単独では1件だけである。
パークホームズ警固本通り」(55戸、福岡市中央区警固2丁目、09年10月完成)現在販売中であるが、けやき通りから南へ1歩中に入り閑静な場所であり、住環境的には申し分なく、売れ行きはいいようである。しかしこうした場所ですら、完成前完売には至っていない。
ヴァークスマリナアベニュー」146戸 福岡市西区愛宕4丁目、販売中20戸、08年9月完成)、福岡地所の住宅展示場を開発したものであるが、当初から、日照権問題で住民運動が生じたマンションであるが、完成してもなかなか旨くいっていないようである。当物件は、福岡地所・東京建物・NTT都市開発・三井不動産レジデンシャルの4社共同事業となっている。
三井不動産が開発している物件は、以上の2物件であるが、販売代理で入っている物件
の売れ行き状況もあり同社は開発を手控えているようだ。
 
三菱地所
 同社は、不動産の王道を行くデベロッパーであり、福岡でも大濠や浄水通りの一等地を開発してきた。しかし、最近では土地手当問題(場所)や地価が都心部では暴騰したため郊外での開発も行っている。
 パークハウス春日原ステーションレジデンス(36戸 福岡県春日市春日原北町1丁目、09年3月完成)、当物件は三菱地所単独開発の物件である。しかし、まだ25戸を販売中で総戸数の30%しか販売できておらず苦戦中である。
 
「パークスタイル・ザ・シェイプ」(140福岡市城南区鳥飼5丁目、08年11月完成)、現在当物件は、完成後1年経ち半分が売れただけ、まだ66戸販売中であり苦戦している。
しかも当物件は、三菱地所・積水ハウス・九電不動産の3社共同開発であり、販売には三
井不動産販売九州も入るなどゴチャ混ぜ開発のようである。しかし、大手のみの参画案件
であり、こうした物件が売りないのも不思議である。場所的には家族向けならば問題ない
が、都心型の生活を望むなら市中心部から離れている。城南区・中央区の違いも出てくる。
三菱地所も名に恥じるような惨澹たる販売状況であり、自社開発を現在控えている。
追、久々の浄水通りの開発となるが、地場ゼネコンの照栄建設アルテマインド浄水平丘」(全15戸、福岡市中央区平丘町、九電記念体育館近、2010年4月完成予)を三菱地所リアルエステートサービスが販売代理している。まだ販売は開始されておらず、市場の動向を見極めて販売価格を設定して販売するようである。三菱地所が福岡の富裕層をどれほど囲い込んでいるか試される物件である。が「
 
 販売不振の一因は、販売力にも問題があると思われる。現在福岡の販売代理の会社には販売の兵が遊び、兵も収入が減り困っているのが現状。こうした兵を集めれば販売はもっと早く回転するものと思われる。地場大手の営業担当者も今後市中に出されると思われ、販売代理業者にとっても販売力の再構築が必要となろう。福岡から東京に出稼ぎに行っている販売代理業者もあるほどである(連絡はメールで)。
 
[ 2009年11月16日 ]
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