アイコン トランスデジタル/消えた30億円・関係者6名逮捕

16日、ジャスダック上場だったIT企業「トランスデジタル」(東京都港区)が2008年9月の民事再生法の適用申請直前、特定の会社に債権を譲渡したとして、警視庁組織犯罪対策総務課と捜査2課は、同法違反容疑で、トランス社の社長後藤幸英容疑者(44歳、東京都渋谷区広尾)、元副社長鈴木康平容疑者(55歳、東京都中野区中央)、ワイン輸入販売会社会長野呂周介(70)、健康食品販売会社代表黒木正博(44歳)ら6人逮捕、同社本社など30数ヶ所を家宅捜索した。

トランス社は第三者割当増資で約31億3000万円を資金調達したと発表したが、直後に手形を不渡りさせており、経営解明する。
逮捕容疑によると後藤容疑者らは08年8月下旬、トランス社の民事再生法の適用を申請する前、ワイン会社に対し、支払期限が来ていないにもかかわらず、借入金3億円の担保として、トランス社の売掛債権を約3千万円譲渡した疑いがもたれている。


警察庁は、偽装社債発行のグリーンシートの丸美(破綻)219億円を解明してください。

<トランスデジタル>
イ・アイ・イ・インターナショナルの総帥、高橋治則(懐かしい名前)。2信組不正融資事件で東京地検特捜部に逮捕された高橋は、その後も豊富な人脈と茫洋とした人柄が「ハコ」を利用したマネーゲームの仕掛け人。05年7月、59歳の若さで高橋は急逝するが、その時点で上場企業3社、国内外のゴルフ場、ホテル運営会社などを傘下に収め「復活」の足がかりをつかんでいた。だが、原資は怪しげな資本調達で得たもの、初期に資金を提供したのは「日本エムアイシー」という社名だったころのトランスデジタル。
マネーゲームの「高橋軍団」、仕掛けたのが日本橋倉庫。04年3月、時価総額が10億円で潰れかかっていた日本橋倉庫を買収、社名を「ジェイ・ブリッジ」と変更、「企業再生ファンドに衣替えする」とPRして株価を暴騰させ、時価総額を1000億円を突破させた。ジェイ・ブリッジは「竹中ファンド資本主義」の代表銘柄となった。
「ファイ」(日本エムアイシーが社名変更)はジェイブリッジの傘下となり、野村証券出身の林弘明が社長となった。ファイはトランスデジタルに社名変更、ジェイ・ブリッジと同じようにM&Aの事業。しかし06年1月のライブドアショック(強制捜査)で、この種のビジネスモデルは総崩れした。
ジェイ・ブリッジとトランスデジタルの株価も急落した。そのトランスデジタルに資金を投入、傘下に収めたのが「TD投資事業組合」。その投資ファンド「コリンシアン・パートナーズ」を運営する「鬼頭和孝」。GWGが2006年10月、人材派遣大手「クリスタル」(京都市)を買収するため、同社株の90.92%を保有する「コリンシアン投資事業有限責任組合弐号」(コリンシアンファンド)に883億円を出資(買収)。出資比率に応じてクリスタル株の67%を取得し子会社化した。
07年3月、MSワラントの引き受けでトランスデジタルを運営するようになった鬼頭は、東証マザーズ上場第1号「リキッドオーディオ・ジャパン」(現ニューディール)の実質オーナーだった「黒木正博」や峰島一らは、トランスデジタルのマネーゲームに着手。黒木はゼクー、オックスホールディングス、ビービーネット、千年の杜といった仕掛け人の一人。黒木や鬼頭の手口は、会社経営に直接関与することなく水面下の人物だが、捜査当局がいう「グレー人種」。
瀬川、永本、「野呂」もまた、捜査当局が暴力団との関係が深いと見ており、今回の6人の逮捕を突破口に本格的に調べることになる。長い歴史をもつトランスデジタルは、ハイエナの闇を暴く「パンドラの箱」となるか・・・・。
以上、「ザ・ファクタ」参照

 

 

[ 2010年2月16日 ]
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