研究・浅沼組/株価77円
同社は1892年に大和郡山で創業した関西ゼネコン、不良債権処理で数少なくなったゼネコンのオーナー企業であるが、同社は淺沼健一社長率いるオーナー企業である。
同社の09/3月期の建築工事は、完成工事高の83.1%、土木工事が16.9%となっている。また、官庁工事比率は23.7%。土木工事は北陸新幹線工事や阪急電鉄のロングランの仕事もこなす。建築工事では、ラウンドワン仙台苫竹店や龍谷大学ミュージアム・浦安の高洲地区公民館複合施設建築工事など行っていた。
同社の財務内容は、自己資本率12.90%と健全領域には程遠い。固定資産が212億円まで減少してきたのは銀行からの貸し剥がしによるところが大きいと見られるが、反面、有利子負債も347億円まで減少。そうしたことから減損処理における評価損はこれまで殆ど行われていない。
同社の課題は、営業利益率にある。1%未満の低空飛行を続けており、今後新たに不良債権が生した場合、その処理を利益で賄うには少な過ぎる営業利益額である。建築工事における特命工事比率が37.5%あるにもかかわらず(土木35.0%)、建設事業全体の粗利率は4.67%、建設資材の高騰もあろうが、競争受注分に赤工事がかなり含まれていたものと推察される。再度建設鋼材等値上がりしてきており、より改善が必要である。
連結/百万円 | 2007年3月期 | 2008年3月期 | 2009年3月期 | 2010年3月期予 |
売上高 | 230,878 | 197,182 | 181,874 | 161,000 |
営業利益 | 690 | 302 | 973 | 1,320 |
営業利益率 | 0.30% | 0.15% | 0.53% | 0.82% |
経常利益 | 367 | -219 | 570 | 600 |
当期利益 | -5,264 | -2,475 | 273 | 315 |
総資産 | 195,836 | 173,667 | 147,838 | |
固定資産 | 39,667 | 28,710 | 21,247 | |
自己資本 | 29,991 | 21,661 | 19,057 | |
資本金 | 8,419 | 8,419 | 8,419 | |
有利子負債 | 46,615 | 39,975 | 34,785 | |
自己資本率 | 15.30% | 12.50% | 12.90% |
期 | 04/3期 | 05/3期 | 06/3期 | 07/3期 | 08/3期 | 09/3期 |
粗利率 | 7.31% | 6.40% | 5.04% | 4.44% | 4.38% | 4.67% |
[ 2010年4月27日 ]
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