アイコン 中国電力社長/点検漏れ506件で「原発運転36年、最大の危機」と表明

島根原発の点検不備が123ヶ所から506ヶ所に増えたことを受け、中国電力の山下隆社長は30日、松江市役所と島根県庁を訪れ「信頼を損なう重大な事態を引き起こし、大変申し訳ない」と謝罪。その後記者会見で「地元の信頼を失ってしまった。島根原発は運転を開始してから36年になるが、最大の危機だ」と述べている。

当問題の発端は、昨年6月原子炉格納容器内の圧力調整弁を動かす電動機の点検が大幅に超過しているとのメーカーからの報告を受け、社内会議でもみ消すかどうか検討(時間がかかりすぎており、そうしか考えられない)し、今年1月社内会議にはかり調査することを決定、その結果点検漏れが123ヶ所見つかり3月公表した。原子力安全・保安院が4月30日までに調査結果を提出するよう指示、再調査したところ506件の点検漏れが判明したという。
その内訳は1号機が347件、2号機が159件であり、「最高度の信頼性を確保する必要のある機器」の点検漏れがそれぞれ28件と24件、「高度の信頼性を確保する必要のある機器」の点検漏れが各7件と恐ろしい結果となっている。こわっ。
またこのような安全管理から、メーカー等の指針の点検時期には達しないものの、自社で決めた点検時期に点検していなかったものが、別途1,159件もあったと中国電力は報告している。
当然点検は重要度別に細かく作業マニュアル化されているはずであるが、中国電力ではマニュアル書を無視して、社員の感やメーカーからの通知で点検や交換がなされていたようである。あなおそろしや。

1号機:沸騰水型軽水炉:1974年3月29日 満36歳
2号機:沸騰水型軽水炉:1989年2月10日 満21歳
3号機:改良型沸騰水型軽水炉:新工事:2011年12月運転開始予定 

電力業界は、国により利益が保証された会社であり、金は裏献金ばかりせず、人や金は掛けるべきところには掛けるべきである。
ところで九州電力はそうしたことなどがないのだろうか、そうした報告が全くないことが逆に気持ち悪い。
スリーマイル島のような事象が日本で発生しない限り、日本の原発ではこうした問題が今後も多発しよう。最低限、「最高度の信頼性を確保する必要のある機器」と「高度の信頼性を確保する必要のある機器」の点検は、行政が年度ごとに点検計画書を電力会社に提出させ、各点検完了ごとに完了報告書(簡単なものでよい)を送付させるなどのチェックが必要であろう。

 

[ 2010年5月 7日 ]
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