アイコン コーセーアールイー 内定取り消し訴訟で慰謝料支払へ

リーマンショックでの急激な経営環境悪化を理由に採用の内々定を一方的に取り消されたのは違法として、元学生の男女2人がデベロッパーの「コーセーアールイー」に対して慰謝料など約490万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が福岡地裁で2日あった。

判決では、2人は2008年7月までに、同社から採用の内々定を得て、入社承諾書を提出、就職活動を終了させた。ところが、内定書を受け取る予定日の2日前の08年9月30日、「原油高騰や金融危機などの総合的要因」を理由に同社から内々定を取り消す内容の書面が届いた。そのため、裁判となったものである。
コーセーアールイー側は、内々定取り消しについて、学生側と話し合い中に学生側が一方的に記者会見を開いたため、裁判となったとしている。

急激なる経済変化に当時、内定取り消しは色々な会社で発生した。学生側に慰謝料支払いの労働審判もあり、企業側が慰謝料を支払うか、裁判で和解していた。しかし、コーセーアールイーは、学生側の対応に裁判で判決を求め、今般その判決がなされたものである。内定取り消しでの判決は全国初のケースである。
岩木宰裁判長は「内々定取り消しは原告の期待を裏切るもので違法」として同社に計195万円の支払いを命じた。また「内々定によって労働契約が成立したとはいえない」が、同社の対応について、「(リーマンショックなどで)経済状況がさらに悪化するという一般的危惧感のみから、原告への影響を十分考えず、内定直前に急いで取り消したと評価せざるを得ない」と指摘している。
同社側は、今回の判決を受け、上告するかどうかまだ一切話し合いもしていないとしている。
 

[ 2010年6月 3日 ]
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