アイコン 2014年 韓国の造船業界▲36.4%減   市場縮小▲34.7%減

海運・造船市況分析機関の英クラークソンによると、昨年の世界の船舶発注量は3969万9000CGT(標準貨物船換算トン数)で前年比▲34.7%減少した。
2014年は、世界経済が減速、国際原油価格が下落傾向にあり、発注の取り消しが増加したためとされる。今年もその傾向は続くと見られている。

この影響を受け、韓国造船業界の受注量も1178万4000CGTとなり、前年比▲36.4%減少。中国(1531万CGT)に次ぎ、2010年以来5年連続の世界2位となった。
シェアは29.7%で、2012年の32.1%、2013年の30.5%から減少傾向にある。中国は38.6%で前年(41.5%)より減少したが、1位は変わらなかった。

一方、日本造船業界の昨年の受注量は、783万6000CGTで、前年比25.9%の減少にとどまった。シェアも2012年の17.1%、2013年の17.4%から、昨年は19.7%と上昇した。
円安により、韓国や中国に対する価格競争力を高めたことが影響したものとみられる。日本は昨年、月間ベースで3、6、10月は韓国より受注量が多かった。

大手の一角、サムスン重工業は8日、昨年品質問題が36件起き、前年(14件)を大きく上回ったことを明らかにした。その影響でドリルシップ(掘削船)9隻の引き渡しが遅延した(遅延違約金の支払いとなる)。また、昨年の受注実績は73億ドル(約8730億円)で、目標の150億ドル(約1兆7960億円)に遠く及ばなかった。

大宇造船海洋が世界最大のコンテナ船「MSCオスカー」を竣工させた。巨済の玉浦造船所で公開されたコンテナ船は、1万9224TEU(1TEUは20フィートコンテナ1個分で1万9224個積載可能)級のコンテナ船シリーズの中で最初に完成した。
エンドユーザーは中国交通銀行で、スイスの海運大手「MSC」から長期に借り入れるため、MSCから2013年に発注されたコンテナ船3隻の1隻。
「MSCオスカー」は最大で1万9224個のコンテナを積載することができ、大きさはサッカー場4面分。これらのコンテナを1列に並べると115キロメートルに達し、巨済から蔚山までの距離に相当する。当船では、船舶から出る廃燃料油を浄化して再利用する装置『ピュアドライ(Pure Dry)』を世界で初めて搭載し、燃料の消費を抑えている。
以上。

船の値を決定する鋼鈑価格が、中国では鉄鋼生産の余剰生産能力が3億トンと日本の全生産量1億トンの3倍あるとされ、大バーゲンセールで造船業界へ供給されることから、韓国勢は技術的な強さを持たない限り、価格競争に追い込まれ、利益の取れない生産が続くことになる。納品遅延でも生じれば赤字となる。
韓国造船業界はまだまだ中国の造船業界より技術的には上だが、価格競争力においては太刀打ちできないようになってきている。

[ 2015年1月 9日 ]
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