アイコン トランプ台風 世界経済は自由貿易から国境税応酬の保護貿易に 国境税20%計画

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<トランプノミクスによるドル高円安>
1、米経済は、現状の景気から財政政策なしでも2%前半の成長が可能。
2、減税や財政支出による景気刺激が加われば、2%台後半を超える成長とインフレ上昇が見込まれる。
3、米連邦準備理事会(FRB)が年3回の利上げを行う可能性がある一方、日銀はイールドカーブ・コントロールによる金融緩和を継続することから、日米金利差は一段と拡大する。米国で財政刺激が実施されれば、金利差拡大はより高まる。
4、トランプ次期大統領による「米国第一主義」が強い米経済と強いドルを実現する。

<対するリスク要因>
1、楽観的な米成長見通しは期待先行であり不確実。
予定されているトランプ政策は、国境税などにより生活物資の急激な物価上昇を招くが、すでに上昇している賃金上昇が人手不足で加速・減税などで一時的にクリアされても、タイムラグがあれば、国民の不満が爆発する。

2、期待先行でドル高、金利高が大きく進んでしまうことが、先行きの米経済にネガティブな影響を与える

3、財政政策がどの程度の規模となるか不透明

4、トランプ次期大統領は保護主義であり、国内企業と雇用を守るためにドル安政策を取る

5、欧州の政治イベントがリスクオフ要因となって円高が進む

その財政政策に関する規模の不透明性が、具体化した際に失望を招くという見方もあるが、市場参加者は100%の楽観を織り込んでいるようには見えない。ゼロ回答であれば当然失望だが、インフラ投資には不透明性があるものの、所得税や法人税の減税は実施される公算が大きく、一定の景気刺激効果は期待できると考える。

通商担当に対中強硬派をそろえ、厳しい姿勢で臨むことにより米中で貿易摩擦が発生する。中国からの輸入規制や関税引き上げによって、米国内の製造業と雇用を守ろうとした場合、国内のコスト増の要因となる。
トランプの場合は、客観的な事実よりも感情的な主張が人々の判断基準となり、トランプにより情報操作や扇動といった行動に走りやすくなる。そうなれば、真実がますます見えにくくなり、経済や社会の摩擦が高まり、将来的に政治経済に大きな混乱が生じる恐れがある。

<中国経済のコントロール、難しさ増幅>
中国は、不動産価格は規制緩和すればすぐバブル化する新興国、公共投資もリーマンショック後に実施した公共投資で景気回復を図った実績があるものの、すでに経済規模もケタ違いに大きくなり、少々の公共投資では、内需拡大につながらない。最近までは不動産バブルと公共投資の相乗効果により、経済を維持してきたが、貿易は落ち込んでいる。
その不動産バブルは異常に進展し、公共投資需要との相乗効果により、石炭や鉄鋼製品価格が高騰、規制のギアを上げ調整に入っている(中国は石炭も鉄鉱石も輸入しているが、石炭は世界1、鉄鉱石は3位の産出国でもある)。

元安下の元ベースでも、輸出と輸入を合わせた貿易額は前年比▲0.9%減の24兆3300億元。輸出額は前年比▲2.0%減の13兆8400億元、輸入額は0.6%増の10兆4900億元。貿易収支は3.35兆元の黒字で、黒字幅は▲9.1%の縮小となっている。
これまで経済を支えてきた貿易が、支えるものではなくなってきている。政府奨励の賃金上昇によりコストアップ、すでに繊維産業の生産基地の多くはバングラデシュや東南アジアへ移行。設備投資伴う電化・電子産業は拡大基調を続けているものの、増加率は世界不況もあり、大きくなくなっている。

<国境税は20%想定>日本も大打撃、日本も国境税の検討を
そうした中、トランプ次期米大統領と共和党が導入を検討している「国境税」は、中国からの資本逃避を招き、大きな波紋を与える可能性がある。
下院共和党が支持している国境税調整プランでは、輸入に対して20%を課税、逆に輸出に対しては補助金を給付するという内容となっている。

共和党とトランプは、国内生産を優遇する手段の1つとして、すべての輸入品に対する国境税の適用を求めているものの、一方でトランプは、生産拠点を海外に移す企業の輸入に対して直接35%の重税を課すと脅迫している。
例によって、トランプ氏の意図や目論見はきわめて不透明。

これは、中国だけでなく、金融市場にも混乱を引き起こす。米国が輸入する中国製をはじめとする外国製品の競争力を低下させるというだけの理由ではない。国境税は、「ドル高」を意味する。サマーズ元米財務長官は今月、ドルの「急上昇」に対して警鐘を鳴らしている。

もし、20%の国境税を導入すれば、ドル相場も同じような割合で上昇することになる。他国も挙って、独自の国境税その他の手段を講じることが予想されるが、ドル高が大幅に進むのは確実視される。

懸念されるのは、人民元の保有者が、ドル急騰を見込んで、中国の規制を表面では受け止め、水面下で他の通貨や資産へと資金を移動することで、人民元への影響を「先取り」するのではないかという懸念がある。
中国政府が定める変動幅の範囲内で取引されている人民元の相場は、主として国内経済の要因により、2016年には対ドルで▲6.6%下落している。
トランプから中国は、元が安すぎるとの恫喝に受けている。中国では、最近のドル高を背景に元のドルへのシフトが水面下で進み、元が流出している問題を抱えている。元安防止にすでに企業・個人とも規制強化し、先日は、元の持ち出し、現地にプールすることができるビットコインにもメスが入っている。
しかし、一方で、国策により、海外の先端技術会社の巨額買収を続けている。
こうした先端企業を買収し、価格の安い製品を巨大市場であるアメリカに輸出しようとしても、通常、利益に該当する20%の国境税を課すならば、競争力で追い付くのは至難のわざとなる。

トランプ旋風は、中国経済を破壊するおそれもあり、目を離せないが、米国が一国で存立しているわけではなく、トランプ旋風がどこまで吹き続けられるか、リーマンショックのように世界経済を破壊し収束するのか。トランプが拡大し続け、次にくる政権が破壊に巻き込まれるのか。
とんでもない世界の経済秩序破壊者が20日、米大統領に就任することだけは間違いない。

ここまで、トランプが我が物顔で言いたい放題、そして自分勝手な政策を実行するならば、欧州で、右翼の台頭が予想されているフランスやドイツでは、逆に国民に危険視され、右翼政権の誕生は見込めそうもなくなる可能性が高い。

<20%国境税は日本にとって大打撃>
日本が直接米国へ輸出しているのは、全体の20.1%に過ぎないが、中国経由・韓国経由・台湾経由・香港経由などで間接的に多くのモノが米国へ輸出されており、各国も国境税が課せられることから、生産が大幅に縮小することだけは間違いなく、日本の輸出製造業は大打撃を受ける可能性がある。
トランプは、保護主義どころか、世界経済破壊者かもしれない。米国一国で自給自足経済を築くとでも言うのだろうか。
円安のドル高のという次元では語れない空恐ろしい顔をのぞかせている。
以上、報道機関紙参考

 

2015年 日本の輸出国
 
百億円
占有率
総額
6,741
100.0%
アメリカ
1,522
20.1%
中国
1,322
17.5%
韓国
533
7.0%
台湾
447
5.9%
香港
424
5.6%
タイ
339
4.5%
シンガポール
240
3.2%
ドイツ
196
2.6%
オーストラリア
155
2.0%
ベトナム
152
2.0%
 
アジア
4033
53.3%
中東
316
4.2%
EU
799
10.6%

 

[ 2017年1月17日 ]
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