森友学園問題は大騒ぎするようなことなのか?
森友学園騒ぎには最初から違和感があった。案の定、民進党お約束の“至芸”ブーメランが2日連続で炸裂している。しかも特大のブーメランである。
“国会の鬼検事”も呆然…民進党の2日連続ブーメラン被弾に「少し話題を変えますが…」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170228-00000561-san-pol
民進党の玉木議員やあの辻元清美議員なんて国会をさぼってまでして大阪までゴミ探しに行ったそうだが、ゴミなんて大阪まで探しに行くまでもない、民進党にいくらでもいるだろうにと思うのは私だけではないでしょう。
民進党の皆さんにも、(農と島のありんくりん)を一読されることをおすすめします。
農と島のありんくりん
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/
移り変わる自然、移り変わる世情の中で、真実らしきものを探求する
森友学園騒ぎはいつまで続くのでしょうか。
子供がこんな軍国主義幼稚園に行かせていいのかぁ、などと叫んでいるマスメディアのほうが、大挙して押し寄せて幼児や保護者たちの平和であるべき教育環境を脅かしています。
現在進行形ですのですので、決定的なことは言えませんが、問題点とされていることを上げてみましょう。
①森友への国有地払い下げに首相が便宜供与していたか否か。
②森友への国有地払い下げは適切に処理されていたか否か。
③森友の教育内容
これら3ツの次元が違うテーマが、あたかもひとつの問題のように同時に議論されてしまうことが問題です。
いつもの私流の言い方をするなら、「切り分けが出来ていない」のです。
第1の森友への国有地払い下げに、安倍首相が便宜を計ったかという問題ですが、決定的なことは現時点ではわかりません。
ただ言えることは、便宜を斡旋したのならば、首相が工作せねばならない相手はあの財務省だったことです。
財務省と首相の関係を念頭に置けば、私はほぼないと断言できます。
というのは、首相は財務省と増税を巡って、はっきり言えば敵対関係、ソフトにいっても緊張関係にあります。
首相の「政敵」は、民進党でも石破氏でもなく、財務省なのです。
因縁は3年前に遡ります。
当時、2回目の増税を阻もうとする安倍氏と、財務省の対立は頂点に達しようとしていました。
2014年、財務省は省始まって以来といわれる、大規模な「自民党絨毯爆撃作戦」を敢行しました。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-db86.html
財務省官僚たちは増税シフトを作るために、「ご説明」と称する与党議員に対する徹底した個別撃滅を実施し、与党の大勢は増税やむなしに傾いていてしまいました。
日経新聞(2014年11月30日)は、こう報じています。
「解散権の背景には財務省の増税多数派工作 首相明かす
財務省が善意ではあるが、すごい勢いで対処しているから党内全体がその雰囲気になっていた」。
安倍晋三首相は30日のフジテレビ番組で、衆院解散・総選挙を決めた背景に財務省による消費増税の多数派工作があったことを明らかにした。
首相は「責任を持っているのは私だ」と強調。「(増税延期に)方向転換する以上、解散・総選挙という手法で党内一体で向かっていく。民意を問えば、党内も役所もみんなでその方向に進んでいく」と説明した」
(日経新聞11月30日)
増税攻防は首相を囲む少数派と、財務省及び「ご説明」に屈した9割の与党多数派の攻防の態をなしていました。
2014年秋までに財務省は、自民党内の支配を完成させていたわけです。
この増税派議員の中には、安倍氏と総裁選を争った麻生氏、石破氏、そして谷垣氏なども含まれています。
この間、財務省はメディアを使って、再三みずからに有利な情報をリークした痕跡があります。
このように安倍氏は首相就任以来最大の包囲網を作られたわけで、政権基盤すら危機に瀕していました。
結局はこの安倍包囲網を首相は打ち破って再増税を阻止するのですが、このように財務省こそが、安倍首相最大の「政敵」なのです。
このような経緯を持つ安倍首相が、たかだか小学校建設のための国有地払い下げていどのことで、近畿財務局に借りを作るということはありえると思いますか。
ありえません。
こんな最高権力者が官庁に便宜供与を依頼したことが発覚すれば、今回安倍氏がタンカを切ったように首相職はおろか、議員辞職ものです。
そんな自分の政治生命が終わりかねないようなリスキーなことを、よりによって「政敵」の財務省に頼みますか。
財務省は縦割り構造が貫徹した官庁ですから、もし首相が近畿財務局に便宜斡旋を依頼するようなことがあれば、その情報は直ちに本省の耳に入るはずです。
そしてほぼ間違いなく、今頃はメディアに情報がリークされているはずです。
増税を阻む最後の壁の安倍打倒こそが財務省の悲願なのですから。
某左翼サイトが財務省と首相が接触うんぬんと書きたていますが、あれなどはたぶん財務省からのリークです。
推測ですが、あるいは財務省は事務ミスなどの失敗を暴かれるのを恐れて、政敵に矛先を向けるように仕組んでいるのかもしれません。
もし首相、あるいは秘書が森友のために斡旋行為をしていたというなら、それを証明する記録を野党は明示すべきです。
今の調子だとそのうち野党は、「やましくないなら証拠を見せろ」などという悪魔の証明もどきのことを言いそうです。
森友学園・籠池泰典理事長
森友が「安倍晋三記念小学校」にしようとしたとか、照恵夫人が名誉校長だったとかいうのは、なんの証拠にもなりません。
民進党やメディアは状況証拠だと言いたいのでしょうが、無意味です。ただ、怪しいぞというムードを作って追い詰めた気になっているだけです。
首相が森友を支持者だと考えていたことは事実でしょうし、照恵夫人の名前を断りきれなくて貸してしまったことも事実でしょうから、脇が甘いとは言えます。
だからと言って、多くの支持者に日常的に接している首相が、接近してくる人たちすべての情報を把握することは物理的に不可能です。
仮に、森友学園の理事長と昵懇であったとしても、斡旋などが絡まなければ、政治家と支持者との一般的関係にすぎません。
これを悪いというなら、政治家は政治活動ができなくなってしまいます。
第2に、森友の国有地払い下げにまつわる疑惑ですが、これについては様々な疑問が提出されています。
森友は4年前に、国有地を紹介され、国交省を通じて近畿財務局委託で入札を何度かしました。
その結果、8770㎡を定期借地料として2700万、10年間でということに決まりかかりました。
しかし、この時に、土地に鉛が見つかってその撤去費用として1億3千万円かかり、平成28年度の開校が29年度に延期になっています。
さらにトラブルが見舞います。建築工事でボーリングをしていると、なんと阪神大震災の仮設住宅の生活残さがでてきたのです。
これは森友も財務局から聞いていなかったために、ここで工事はストップします。
森友は財務局に調査を要請しますが、予算の関係でできず、結局財務局の言い値である1億3千万で森友が購入することになりました。
この購入価格についてはなんともいえません。私から見れば、よく森友はこんなクズ物件に手を出したなとは思います。
森友は安く買いたたいたというような言い方をよくされていますが、この国有地は鉛や生活ゴミの処分地です。こんな土地は資材置き場ていどにしかなりません。
森友は生活残さが5~10m地下にあるとして、建設を続行しました。
後に、この残差さは大量に埋め戻されたという話ですが、それは廃棄物処理業者の問題です。
このように、森友が国有地を買うに至ったいきさつに、首相が便宜供与を斡旋したのなら政治問題化するでしょうが、そうでない以上個別、財務省と森友の問題にすぎません。
第3に森友の教育方針ですが、これなどなんで国会でとりあげられるのかさえわかりません。
カソリック幼稚園があるように、民族主義的な幼稚園もあるだけの話です。
園児に「安倍首相ありがとう」「朝日なんじゃら」と言わせるのはやりすぎに決まっています。
こういう判断力がない子供に馬鹿なことを言わせるなと思います。
しかしやり過ぎはやり過ぎとして批判するとして、私学の教育内容について野党やメディアが干渉するべきことではないと思います。
ニューヨークタイムスが森友の教育方針を「復古主義、軍国主義」と批判していますが、余計なお世話です。
おたくらの国は進化論がウソだと教えている学校など一杯あるだろうに、と言い返したくなります。
また理事長が日本会議メンバーだからといって問題視されているようですが、日本会議は保守オジさんの懇親会のようなもので、圧力団体といえるようなご大層なものではありません。
メディアにかかると、まるで悪の陰謀団体のようにいわれるのが、かえって不思議です。
あまり言いすぎると、園長が共産党員の幼稚園・保育園などは山ほどなるのですから天に唾することになりますよ。
このように、今回の問題はひとつひとつ冷静に切り分けてみれば、大騒ぎするようなことなのでしょうか。
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