アイコン 日本のミサイル防衛システムSM3-2Aの「イージス・アショア」配備へ/日本軍

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政府は北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射を受け、ミサイル防衛態勢強化策として、「イージス・アショア」と呼ばれる陸上型イージスシステムを導入する方向で最終調整に入った。

防空能力や費用対効果の面で、米最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」よりも適していると判断した。

自民党の検討チームが3月に弾道ミサイル防衛強化を求める提言をまとめたことを受け、防衛省は若宮健嗣副大臣をトップとする検討委員会で新装備導入に向けた議論を加速させており、夏までに結論を出す方針だ。実際の導入は数年後とみられる。

現在のミサイル防衛態勢は、イージス艦に搭載された迎撃ミサイル「SM3」が最高高度約500キロの大気圏外で迎撃し、撃ち漏らした場合は地対空誘導弾「PAC3」が地上十数キロで撃ち落とす二段構え。

SM3は、短距離(SRBM)および準中距離弾道ミサイル(MRBM)を撃墜可能だが、中距離弾道ミサイル(IRBM)については限定的な対処能力、大陸間弾道ミサイル(ICBM)は長距離探索・追跡が可能だが撃墜はできない。北朝鮮が飛距離の長いテポドンで攻撃してきた場合、高高度に打ち上げるため、その対応策にSM3より高高度撃墜能力があり、射程が倍近く伸びたSM3-2(A)型を陸上型の「イージス・アショア」として導入する。すでに、ハワイに配備されており、ポーランドへの配備が決定している。

<対ロシア・イラン対策のNATO迎撃ミサイル配備計画>
フェイズ1(~2011年)
AN/TPY-2 レーダーを配備し、現行の海上配備型SM-3ブロック1A(射程1200キロ)で欧州の同盟国に対する短距離・準中距離弾道ミサイルの脅威に対応する。
 
フェイズ2(~2015年)
準中距離弾道ミサイル脅威への対処能力向上のために、海上配備型と陸上配備型SM-3ブロック1Bを配備。「イージス・アショア」をデベセル(ルーマニア)に配備した。
 
フェイズ3(~2018年)
SM-3ブロック2A(射程2000キロ)を配備予定。短距離、準中距離、中距離弾道ミサイルへの対処として、2つめの「イージス・アショア」をレジコボ(ポーランド)に建設予定。(付帯施設合計で8億2千万ドル)
以上、
 
米軍と日本軍が共同開発しているSM-3ブロック2Bは昨年実験に成功、今夏にも太平洋で再実験を行うとしている。その精度は高度が1000キロ超のICBMに対して、その放物線の山の部分(スピードが一番遅くなる)の宇宙空間で迎撃するというもの。
上昇局面では加速し、落下局面でもスピードが増す。ただし、大気圏再突入時は摩擦でスピードが落ちるが、そこを狙うのが、THAADであり、さらに低空域でのPAC3。
 
SM3に対応するJ/FPS-5(1基100億円)は、日本軍が主導して開発した空軍の高性能レーダーサイトがある。
(航空機・軍用機や巡航ミサイルのみならず、弾道ミサイルの探知と追跡を目的としたアクティブ・フェーズド・アレイ・レーダー)
1、下甑島分屯基地:J/FPS-2よりJ/FPS-5に更新、2008年度末運用開始。
2、佐渡分屯基地:J/FPS-2よりJ/FPS-5に更新、2009年度末運用開始。
3、大湊分屯基地:J/FPS-2よりJ/FPS-5に更新、2010年度末運用開始。平成20年度予算から調達開始、J/FPS-5B配備。
4、与座岳分屯基地:J/FPS-2よりJ/FPS-5に更新、2011年度末運用開始。平成21年度予算から調達開始、J/FPS-5C配備。
 
日本軍はXバンドのスパイ監視衛星として「きらめき2号」が宇宙に有している。
また、米軍のXバンドのレーダーサイトは、青森・車力基地と京都・経ヶ岬に設置されている。
 
(北朝鮮ミサイルは常にこうしたレーダーやスパイ衛星やスパイ通信傍受衛星により監視しているが、一切内容は明らかにされない。・・・敵国に情報やその精度が知れることを忌避するためである)

 

迎撃ミサイル(米軍)
迎撃ミサイル
迎撃高度
射程
 
km
km
SM3-1
70~500
1,200
SM3-2
1,000
2,000
THAAD
40~150
200
PAC
15
20

 

北朝鮮攻撃ミサイル
攻撃ミサイル
弾道重量
射程
 
kg
km
火星5号
1,000
300
ロシア製
火星6号
700
500
ロシア製
ノドン
700
1,300
北朝鮮製
ムスダン
650
3,000
ロシア製
テポドン1号
500
2,500
北朝鮮製
テポドン2号
700~1,000
6,700
北朝鮮製
ウンハ3号
700~1,000
10,000
北朝鮮製
KN-08(移動型)
700~1,000
6,000
北朝鮮製
 
北朝鮮から日本へ飛んでくるとしたらテポドン(射程)となり、日本は近距離であるため、より高度を高く(ロフテッド軌道)して攻撃してくることになる。SM3-2では迎撃可能であるが、THAADでは落ちてくる段階で加速しており、迎撃するのはより困難と見られる。
ただ、ロシアの最新型ICBMにはフェイク弾など搭載されており、より迎撃を困難にさせているという。
どんなに迎撃体制を取ったとしても、現状、北朝鮮が何十発も飽和状態でミサイル攻撃してくれば、迎撃は不可能。
単発ミサイル攻撃では撃墜能力は非常に高まってきている。ただ、国民を安心させるための高価な道具かもしれない。備えあれば憂いなしか。
 
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[ 2017年5月15日 ]
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