中国は政策により、韓国行きのクルーズ船の済州島含む韓国寄港を大幅に減少させている。韓国旅行の商品販売も大幅に減らさせている。韓国航空会社がチャーター便の申請をしても中国当局が、１月から許可を下ろしていない状態が続いている。現在の中国からの客は、必要に迫られた整形客や個人客が主となっている。

(外国旅行初の中国人たちが、多く訪れる韓国、格安団体旅行が少なくなれば、打撃は大きい。以前から「LCCの飛行機代だけで行ける韓国超格安旅行」が異常に多いことでも知られている。その裏ではボッタクリ問題があり、中国当局は是正勧告を旅行業者に再三していたが、さらにひどくなっていた実情もある)

中国政府は、朴大統領と習朴蜜月時代を築いただけに、韓国のTHAAD配備は中国に対する背任行為と見ているようだ。根底には何千年にもわたる属国としての朝鮮半島に対する意識が漢民族に強いものと見られる。漢民族による(中国内の)ウイグル族・チベット族に対する弾圧と似たようなものかもしれない。それを裏付けるように、トランプ×習会談では、習が朝鮮半島は大昔から中国の一部だったと話をしている。

中国人観光客がこれまで多かったのは、以前の日本人でも同じように韓流ドラマ放映によるもの、しかし、中国では上述の理由により昨秋から新たな韓流ドラマ、中韓合作ドラマさえも禁止されている。K-POPPや(韓国人アーティストの)クラシックの中国公演もキャンセルされている。

こうした影響は、中国政府が解禁したとしても回復するには意外と長引く。中国では国民の反韓から３月・４月と韓国系車両が前年比で半分以上落ち込み、韓国でも反中感情が高まっている。

THAAD問題解決は相手が米国、北朝鮮の現状からして、すぐに解決するとは見られず、いくら文大統領が親中だとしてもかなり時間がかかりそうだ。

中国にしても、一度振り上げた拳、具体的なTHAADの撤去の動きでも生じない限り、簡単には引っ込めることはできない。

＜済州島＞

韓国の歴史では、朝鮮李王朝時代の流刑地、楕円形の島で沖縄本島(1.200K㎡)より大きい１．８００K㎡あり、１９５０メートルのハンラサンが真ん中にある。観光地もあり風光明媚であるが、海洋リゾートの沖縄とはまったく趣が異なる。

済州島が注目されたのは１９６７年から６８年に仁川など６ヶ所に設けられたカジノ、現在全国に１８ヶ所あり、そのうち８ヶ所が済州島に集中、本土の江原ランドの１ヶ所を除き外国人専用で、２０１４年の調査では、客の５７％が中国人(韓国の観光客に占める割合は４３％)だった。カジノ収入を見ると１９９３年から２０１４年には７倍増加して１,３０７百万ドル(約１４６０億円／112円)だった。それを牽引していたのが済州島のカジノであり、中国客だった。

しかし、習政権になり、腐敗・不正撲滅作戦で、マカオと韓国のカジノが標的に、中国公安が配置されVIP客は激減、今年からはTHAAD問題も発生、中国客がさらに減少している。

韓国のカジノはホテルに併設されているところがほとんどで、リゾート型は日本のセガサミーらが今年４月、仁川永宗島に「パラダイスシティ」を初めてオープンさせた。セガサミーもこんな船出になるとは思わなかったことだろう。

済州島では、中国人気に巨大リゾート型コントミニアムが数多く開発されていたが、開発中の中国資本の撤退が相次いでいる。そのため、不動産価格が現在暴落中(それまで暴騰していた)。

(再び、日本人客、特に好景気の建設業と不動産業の経営者が韓国カジノの最大のカモになっている)

九州で流行っているオルレ(コース設定のハイキング)は、元々韓国・済州島で誕生したものだが、歴史は２００７年とまだ浅く、大量の観光に結びつけるにも限界がある。

済州島は北緯３３度(福岡と同じ)、沖縄は北緯２６度。